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東 桃子
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#溺愛
桜咲かな
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#溺愛
桜咲かな
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#溺愛
桜咲かな
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ご飯には行けなかった。
それでも、不思議なくらい連絡は途切れなかった。
毎日のLINE。
そして気づけば、夜になると電話をするようになっていた。
仕事の話。
昔の話。
笑い話。
気づけば何時間も経っている。
その夜、私は初めてヤマの今までの恋愛を聞いた。
「今まで付き合った人、好きになったことないねん。」
思わず黙ってしまった。
「告白されたら付き合う。でも、好きになられへんから別れる。」
その繰り返しだったと、ヤマは静かに話した。
「最近別れた子も、まだ連絡してくるねん。」
少し困ったように笑う。
私は胸が痛くなった。
その子が羨ましかった。
付き合えただけでも。
私は心の声が漏れる。
「……いらん虫、ついてなかったらなぁ。」
電話の向こうが静かになる。
数秒後。
「……それって、どういう意味?」
思ってもいなかった返事だった。
一気に顔が熱くなる。
「いや、何でもない。」
笑って誤魔化した。
また言えなかった。
好き。
その一言だけが、どうしても言えなかった。
コメント
1件
「いらん虫、ついてなかったらなぁ」——この言葉、すごく刺さりました。好きな人の過去の恋愛を聞くときの胸の痛み、それでも「付き合えただけでも羨ましい」って思う複雑な気持ち、すごくリアルで。ヤマくんの「……それって、どういう意味?」の返しが静かに効いてて、二人の距離が一歩縮まったような、でもまだ届かないような、その絶妙なバランスがたまらなかったです。続きが気になります。