テラーノベル
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ふと、ある日のこと。ブルーは宝石が飾られている店の前を通る。
(・・・あ)
思わず立ち止まった。
その店の前に飾られていたのは、“バイカラーサファイア”。
青と赤の綺麗な宝石。思わずそれに見惚れていた。
「どうした?弟」
「な、なんでもない!!」
ブルーは慌ててそうこぼした。そして、慌ててレッドを追いかけた。
✵✵✵✵✵
「マネー!2色のサファイアが取れる場所知ってるか!!」
すまないスクールにて、早く登校したブルーは登校するや否や、マネーの元に駆け寄った。マネーは書類から驚いたように目を丸くした。
「2色のサファイア・・・あぁ、バイカラーサファイアのことだな?」
「さすがマネー、宝石には詳しいな!」
「だが、バイカラーは出にくいぞ?それに、何故それなのだ?」
マネーに聞かれ、ブルーは少し頬を赤らめ、答えた。
「・・・もうすぐ、兄貴の誕生日なんだ・・・で、その宝石見た時、兄貴の色も混じってて綺麗って思って・・・」
そう零すと、マネーは高らかに笑う。
「ハッハッハッ!いいだろう!!ならば喜んで手を貸してやろう!!」
「あ、ありがとうな!マネー!!」
そう零すと、ガラリとドアが開く。そこには、レッドが不機嫌そうにやってきた。
「おい弟、置いていきやがったな・・・」
「あ、わりぃ兄貴!ちょっと急いでて・・・あ、銀さん!」
ブルーは慌てて話題を変え、銀さんの元へ。そんなブルーの背中を見ていたレッド。すると、
マネーが肩を震わせて笑っていた。
「・・・おい、何笑ってるんだよ」
「ククッすまない・・・あまりにおかしくてな・・・」
「は???てか、弟はお前に何の話してたんだ?」
そう聞くと、マネーはニヤリと笑い、口元に人差し指を持っていく。
「秘密だ。いずれ分かる」
「はぁ???」
思わずレッドはそうこぼした。やがて、ため息をつき、マネーの方を向いた。
「で、マネー、“あれ”はどうだ?」
それに、マネーはまた噴き出した。
✵✵✵✵✵
「って・・・」
ブルーは手のひらを見る。手のひらの豆が潰れていた。
現在、マネーに教えてもらった場所でバイカラーサファイアを掘っていた。
しばらく掘っているも、サファイア、しかもバイカラーと言うだけであってなかなか出てこない。
「・・・くそっ・・・ううん、諦めてたまるか!」
と、ブルーは鉄のツルハシを振り下ろす。
ふと、ガキンッとぶつかる音と、コロリと足元に岩が。
ブルーはそれを思わず拾い上げる。
他の石とくっついているが、キラリとその石とは違う色の石が。
「・・・これって・・・!」
ブルーはツルハシを拾い上げ、マネーの元へ。
✵✵✵✵✵
「ほう、これは見事な“バイカラーサファイア”ではないか。しかも、これ程見事に色がふたつハッキリ出ているのは珍しい。良かったな、ブルー」
「あぁ!ありがとう!マネー!!」
ブルーは嬉しそうに笑っていた。
「ところで、これをどう加工するつもりなのだ?」
そう聞くと、ブルーはさぁっと真っ青になる。
「しまった!!考えてなかった!!どうしよう!!!」
ブルーがそう叫ぶ。それに、マネーはくすくす笑った。
「ならば、俺の知り合いに話をつけておいてやろう。そいつはいい腕を持っていると俺が保証しよう」
「まじか!!ありがとう!!」
ブルーは嬉しそうにそうこぼした。
「・・・ところで、このバイカラーサファイアをどう加工するのだ?」
「んー・・・そうだな・・・じゃあ───・・・」
ブルーがこぼした言葉に、マネーは突然噴き出した。それに、ブルーは首を傾げた。
✵✵✵✵✵
「「「「「「レッド、ブルー(くん)!!お誕生日おめでとう!!!」」」」」」
その言葉と共にクラッカーが鳴り響く。机の上には、2人の好きなものが沢山置かれていた。ブルーは嬉しそうに微笑み、レッドは少し恥ずかしそうに耳を赤くしていた。
「さぁさぁ!みんなで食べよ!!」
すまない先生の一声に、皆でワイワイと、過ごした。
ブルーとレッドは、家族と誕生日を過ごした時のこと、山賊のところ、アマゾネスのところで過ごした時の事を思い出しつつ、ケーキを1口頬張った。
✵✵✵✵✵
家に帰り、ブルーが明日の朝ごはんを作ろうとキッチンに立つ。すると、
「弟」
ふと、声をかけられた。
「何?兄・・・」
と、答えた途端、レッドの手が伸びてきて、ブルーのいつもつけているピアスを外した。
突然のことに、思わず泡まみれの食器を持ったまま固まっていると、
「・・・よし」
と、レッドの手が離れた。
「なんだよ兄貴・・・突然・・・」
「鏡、見てみろ」
「?」
ブルーは食器の泡を洗い落とし、洗面台へ。
✵✵✵✵✵
バタバタと走ってくる音が廊下を響かせる。そして、思いっきりドアが開いた。
「兄貴っ!!これ!!」
と、ブルーが自分の耳に付いている耳飾りを指さした。
そこには、赤と青のバイカラーサファイアピアスとして耳元でキラリと輝いていた。
「・・・前に、たまたま見つけたんだよ・・・弟が気に入りそうだなって思って」
と、レッドは小さな声で呟いた。
ふと、ブルーは思い出した。
最近のレッドの手のひらには絆創膏が沢山貼っていたことを。そして、今の自分の手にも絆創膏が。
「・・・もしかして、自分で掘りに行ってたのか?」
「は!?なんで!?マネーが言ったのか!?」
レッドが慌てるように叫ぶ姿に、ブルーは笑い、ブルーもポケットから小さな箱を取り出した。
今朝方、マネーからの電話で加工が終わった。と来ていた。
ブルーはレッドに手渡した。それを、レッドが開ける。
そこには、青と赤の、恐らく同じ、“バイカラーサファイアのピアス”だった。
「・・・え、これって・・・」
「・・・うん・・・」
2人の間にしばらくの無言が。そして、2人の大笑いする声が響いた。
✵✵✵✵✵
「あー・・・笑い過ぎた・・・w」
「俺も・・・腹痛てぇ・・・w」
2人はソファに蹲りながらも、ヒィヒィと笑っていた。
まさかの2人が互いにプレゼントするものが一緒で、しかもまさかのプレゼントの加工も同じとは。更に、加工を頼んだり、サファイアを教えてくれたのもマネーだった。
(あいつが言っていた“時期に分かる”ってこのことかよ・・・)
レッドはマネーの言葉を思い出しながら、何とか落ち着いた。
「・・・兄貴もまさか、同じのを取りに行ってたんだな」
「まぁな。前にお前が、この宝石を見てただろ?だから、欲しいのかって思って・・・まぁ、店で買うのはクソ高いし、盗むのも喜ばねぇだろうから、マネーに頼んで教えて貰って」
「う、欲しいっていうか・・・なんというか」
と、ブルーはそう言葉を濁す。それにレッドは首を傾げた。
やがて、レッドは恥ずかしそうに頬を染めながら、答えた。
「・・・兄貴と、俺みたいだなって思ったんだよ。ほら、兄貴も俺って双子だろ?けど、あんま似てない。この石は、色も全く違うのに、一緒の石に俺と兄貴の色が入ってて・・・その・・・俺たちみたい・・・だなって・・・」
と、段々言葉が小さくなっていく。そんなブルーに、レッドは思わず噴き出し、笑った。
「アッハッハッハッハッハッハッハッ!!!」
「なっ!!なんで笑うんだよ!!」
と、ブルーが顔を真っ赤にして叫ぶ。レッドは笑い転げ、目に涙を浮かべながら、起き上がる。
「ったく、そんなこと思ってたのか?」
そう笑いながら、ブルーの頭を撫でる。それに絆されつつ、レッドを睨むブルー。
レッドは、優しくブルーに微笑んだ。
そんなレッドにむず痒さを覚えたブルーは思い出したように自分がレッドにプレゼントしたピアスを取り出した。
「ほ、ほら!兄貴もつけてつけて!!」
「ちょっ、擽ってぇって」
ブルーがレッドの耳にバイカラーサファイアのピアスを付けた。
キラリとそのピアスは輝き、とても綺麗だった。
「うん!似合う似合う!」
ブルーは嬉しそうに笑った。そんなブルーに、レッドも少し口角を上げ、笑っていた。
「お誕生日おめでとう!兄貴!」
「誕生日、おめでとう、弟」
2人の耳には、2人の色が混じったバイカラーサファイアが静かに揺れていた。
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