最高の環境で魔法を学ぶことが出来る名門ホグワーツ魔法学校
その学校には四つの寮がある。
グリフィンドール
ハッフルパフ
レイブンクロー
そしてスリザリン
しかし、そのうちの2つであるグリフィンドールとスリザリンは昔からお互いを敵対視しており、それは今も尚続いている。
そしてグループには必ずリーダーが存在する。
グリフィンドールを代表する魔法使いの名はソンハンビン。
彼の人柄と正義感は寮生を引き付け、どんな事にでも立ち向かうその勇敢さは正に真のグリフィンドール生と言えよう。
スリザリンを代表する魔法使いの名はジャンハオ。
その圧倒的カリスマはスリザリンを束ねる者として相応しく、狡猾で野心的なその心もまた真のスリザリン生と言えよう。
また、両者はホグワーツを代表するほどの魔法使いである。
そんな2人がばったり廊下で出会えば自然とその場はピリつく。
どちらがどう出るのか、他の生徒達は興味津々に見物するのがこの頃の日常だ。
「……………」
「あれ、ハンビン君じゃん。こんなとこで会えるなんて嬉しいよ」
「……それは光栄です」
「ふふ、ねぇちょっと耳貸してよ」
「…………っ」
「それじゃあ、そういう事で♡」
ハオがハンビンに何かを耳打ちしたかと思えば、ハンビンは目を見開かせハオを睨みつけた。
ハオはそんなハンビンを見てそれはそれは楽しそうにその場を去っていった。
もちろんその現場を見ていた生徒達はなんだなんだとざわめきたっている。
一体何が囁かれたのか…それは誰も知る由はないだろう。
なぜかって?
彼らには秘密があったからだ
__________
消灯時間をとっくに過ぎた時間、ホグワーツ城の8階へと続く階段を登り、ある壁の前へ立てばその扉は簡単に浮き出てきた。
なんの疑いもなくその扉を開ければ、見慣れた光景が広がり、その中心にその人はソファに座って本を読んでいた。
「……………」
「お、来たね。ハンビン君」
「……………」
「なんで黙り込んでんの?」
「……あー、そんなに嫌だった?この呼び方」
「……………」
「謝るよ。ほら、こっちおいで?」
「“ハンビナ”」
甘い口調で呼ばれ、誘われるように一歩を踏み出す。
「はぁ、全く……なんであんなことを」
「“ハオヒョン”」
「あんなことって?」
「とぼけないで下さい……なんであんな大勢の生徒がいる前で耳打ちなんか…」
「あー、昼間のあれ?」
「ふふ、みんなにちょっとばかり僕らの関係を見せようかと思って」
愉快に笑いながらいう彼にほんの少しだけ頭が痛んだ。
僕はすかさずに反論をする。
「もう!そんなこと言って…僕らの関係が本当にバレたらどうするんですか!」
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」
「日々、あんなに殺伐とした関係を演じてるんだ」
「誰も僕達が“恋人”だなんて思いもしないよ」
‘’恋人”
という単語に嬉しさやほんの少しの恥ずかしさを感じると同時に、それが僕の日々の悩みの種にもなっている。
僕達はお互いがお互いに惹かれ、そのまま恋人という関係にまで発展した。
それはとても嬉しい事なのだが、スリザリンとグリフィンドールを代表する僕達には不釣り合いな関係だった。
恋人という関係がバレてしまえばホグワーツの秩序がどうなるかわからない。
だから僕はハオヒョンに提案をし、人前ではあのような演技をすることにしたのだ。
___なのに、このヒョンときたら…
昼間、ヒョンに耳打ちされた言葉はとても皆に聞かせられるようなものじゃなかった
『今日の夜……ね♡』
昼間のようなことを度々繰り返しては、僕の心臓を縮めてくる。
でもそれがほんの少し嬉しいのだから、僕は自分の感情を疑ってしまう。
むー、と眉間に皺を寄せているとハオヒョンがそんな顔しないでと声をかけてきた。
「ほら、早くヒョンのとこ来て」
腕を広げるヒョンの胸に自分の身を収める。
頭の上でハオヒョンがごめんと呟く声が聞こえてきた。
「謝るから、早くヒョンに可愛い恋人の顔見せてよ」
そんな優しい声をかけられると、さっきまでの感情が一気に消え、意図も簡単に上を向いてしまう。
「………んっ」
ヒョンと目が合ったのを合図に目を閉じれば、唇に温かい感触が伝わった。
その温もりがもっと欲しくて、今度は自分から口付けをする。
「ちゅ……ん……んん」
「ん………」
ちゅ、と可愛らしい音をたてながらしていたその行為は舌を絡めたことにより荒々しい行為へと変化していった。
しばらくして唇を離せば、透明な糸がお互いの唇を繋いでいた。
「は、ぁ………ヒョン…っ」
熱くなった吐息が口から漏れる。
「可愛い。ベッド行こっか」
優しく抱き抱えられ、そのまま隣の部屋にあるベッドまで連れていかれた。
ベッドに下ろされると、ローブ、制服の順に脱がされていき、自分の素肌がどんどん露になってきた。
ハオヒョンもローブを脱ぎ、シャツのボタンを外す。
そんな仕草がいちいちかっこよくて全てを目で追ってしまう。
「そんなに見つめられると、恥ずかしいんだけど…」
そういうとハオヒョンは僕の胸らへんへと顔を近づけ、ちゅっとキスをしてする。
鼻先で素肌をたどい、キスをするという繰り返し。
それはくすぐったさとほんの少しの快楽を呼び起こした。
「はっ……ん…ふ、ん…」
「あっ……?!」
瞬間、ちくりとした痛みがおそってきた。
見ればそこには赤い花が咲いていた。
「あっ…ん………んっ」
ハオヒョンによって僕の体は次から次へと赤い花で覆われていく。
「ん……ふふ、いい眺め」
満足気にこちらを見下ろすハオヒョンは、シャツの隙間から見える素肌もあいまって酷く妖艶だった。
僕を見下ろすその眼差しと、僕の体を覆う赤い花。
それらはまるで僕はハオヒョンのものだと言われているようでお腹の奥がずんと響いた。
「…ハオヒョ、…はやく…ほし、いっ…」
「ちゃんとあげるから、いい子で待ってて」
そういうとハオヒョンは僕に深い口付けをしてくる。
口内全体を舐められ、上顎や歯をなぞられ背中がゾクゾクとした。
キスに夢中になっているとハオヒョンの手はいつの間にか後孔にまで伸びており、そのまま中へと進められた。
「ひぅ…っ、あっ……」
「知ってる?ハンビナの好きなとこ、ここだよ」
「あ”っ?!…はっ、んっっ」
ハオヒョンがある一点を押した途端に今までと比べ物にならないほどの快楽におそわれ、そのまま絶頂を迎えた。
ハオヒョンは、ほらね?というように指を増やして何度もそこをグリグリと押してくる。
腰が浮いてただただ喘ぐことしかできない。
でも、僕が本当に欲している熱とは程遠くて、中はもっとあついものが欲しいと激しく収縮を繰り返している。
「ハンビナ、“これ”欲しい?」
目を開けば、そこにはハオヒョンの“それ”があった。
大きくて熱を持った“それ”を早く中に入れて欲しくてコクコクと何度も縦に首を振る。
「ほしっ、い…っ」
「ぼくの、なか…っ、ヒョンでみたして…っ」
自分でもとんでもないことを言っている自覚があるが、もう1秒でも早く欲しくてたまらなくて手を必死に伸ばす。
「はぁ…ほんとかわいい」
伸ばしていた手を恋人繋ぎにしてベッドに縫いつけられる。
それと同時に後孔にあついものが宛てがわられた。
「はい、約束のご褒美♡」
ずちゅん、と一気に奥までつかれ背中が弓のようにそる。
「ッ~~~~~」
「はっ、うねりやば…っ」
求めていたその熱に中は喜ぶようにハオヒョンのそれに絡みついているのが自分でもわかった。
ゴツゴツと奥をつかれる度に腰は揺れ、どんどんハオヒョンのものを締め付けてしまう。
暴力に等しいほどの快楽に襲われ、理性などもうとっくにない。
「あ”んっ…んっ、ん”……ッ」
「きも、ち…ッ、んぁ”ッ」
肌がぶつかり合うと同時に漏れてしまう声を抑えることはできず、この気持ちいいほどの快楽をどうにか逃したくてハオヒョンと握っている手に力が篭もる。
「んっ…、は、っ……」
手に籠った力を優しく包み込むように握り返してくれるヒョンの手。
しかし、それとは裏腹にハオヒョンの表情は険しく、その熱い吐息がもう限界に近いのだと証明していた。
「は、ぁ……っ、ビナっ」
熱い吐息が僕の唇全体を覆った。
中がずちゅんずちゅんと鳴り響く音と、舌を絡める水音。
どちらが大きいかなんてわからないくらいに2つの音は激しく鳴り響いて部屋中を満たしている。
「あ”、ん”っ……イッちゃ……ぁ”ッ 」
「ビナ、……ッ」
ラストスパートと言わんばかりに音はどんどん速く、そして激しくなっていく。
「あ”っ…?! 」
ハオヒョンが1番奥をついた次の瞬間、頭が真っ白になるほどの快楽が訪れた。
「っ、~~~~♡♡」
体が大きく跳ね、ビクビクとしながらきゅうっとハオヒョンのものを形が分かるほどに締め付けてしまう。
「は、っ………イクッ…」
瞬間、ハオヒョンのものが大きく波打ち、中に温かいものが広がっていった。
奥に全てを出しきったハオヒョンは、そのまま僕の横に倒れてきた。
「は、ぁ…っ、ハンビナ可愛かったよ、ん」
「んっ……ハオヒョン…ふ、んっ」
ちゅ、ちゅ、と心地いいそのキスは眠けを誘うのに充分だった。
明日の授業は何時からだっけ…
そんなことが頭の片隅によぎったが、今はこの心地いい眠けに逆らうなどできない。
「ん、おやすみ。ハンビナ」
瞼にキスを落とされ、僕はそのまま眠気に身を委ねた。
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