※ブレザー軸
※死ネタ
桜「昨日人を殺したんだ」
雨が降っている中君はずぶ濡れのまんま俺の部屋の前で泣いていた
夏が始まったばかりというのに君はひどく震えていた
桜「殺したのは隣の席のいつも虐めてくるアイツ」
桜「肩を突き飛ばして 打ちどころが悪かった」
桜「もうここには居られねぇし、どっか遠いところで死んでくる」
独りで死ぬ覚悟を決めた君に俺は言った
蘇枋「じゃあ、俺も連れてってよ!」
蘇枋「財布持った?あとなんかあった時用にナイフも持っていこう」
蘇枋「あとスマホと………ゲーム…は桜くんやらないか」
桜「…………」
蘇枋「桜くんどうしたの?」
桜「いや、これいらねぇけどどうするか…」
蘇枋「じゃあ壊しちゃおう」
ふと目に映ったデートの時に撮った写真とまだ恋人として慣れない時始めた交換日記
でも、今となればもういらない
もう何かを書く事もないだろう
桜「……蘇枋、よかったのか?」
蘇枋「なにが?」
桜「俺なんかについて行って」
蘇枋「いいんだよ桜くん、可愛い恋人より大切なものなんてないんだから」
蘇枋「………それに、君は何も悪くないよ」
桜「………そうか」
蘇枋「ねぇ、これから何処に行く?」
蘇枋「せっかくだから旅をしようよ。逃避行の旅?みたいな」
桜「…はは、なんだそれ」
そして俺らは逃げ出した
狭いこの世界から
桜「………ほんとによかったのかよ」
蘇枋「それ聞くの何回目?良いって言ってるじゃないか」
蘇枋「桜くん、俺は君と一緒なら家族もクラスの人も全部捨てれるよ」
蘇枋「桜くん、死ぬならどこがいい?」
桜「………すお」
蘇枋「俺はすごく遠い誰もいない場所でふたりっきりがいいな」
桜「…すおう」
蘇枋「海とかかなぁ、桜くん綺麗だからきっと似合うよ」
桜「蘇枋!」
蘇枋「…………君が死ぬならこの世に価値なんてないよ」
桜「でも……俺は………」
蘇枋「大丈夫、人殺しなんてそこら中湧いてるよ」
桜「………………」
蘇枋「君は何も悪くないよ」
ふと手を繋いだ時
微かにあった手の震えがなくなっていて
もう誰にも縛られなくなった君と
2人線路の上を歩いた
2人ならどこにでも行ける気がした
もう怖いものなんてなかったから
桜「蘇枋、」
蘇枋「なんだい?」
桜「確かに、逃避行?の旅もいいかもな」
蘇枋「!…でしょ」
桜「なぁ、すおう小学校のころクラスの奴が言ってた誰にも好かれる主人公なら」
桜「こんな俺たちも見捨てずにちゃんと救ってくれるのか」
蘇枋「そんな夢俺は捨てたよ、だって桜くんに会うまで”シアワセ”の四文字なんてなかったから」
桜「………俺も」
自分は何も悪くないと誰もがきっと思ってる
もちろん俺も
でも君は違ったから
だから君を好きになったんだ
ついに水がなくなって
視界が揺れ出す
最期のように君と馬鹿みたいにはしゃぎあい
ひとしきり笑い終わったあとに
君の手に握られたナイフに気づいた
桜「すおう、今までありがとう」
桜「すおうが居なかったら、きっとここまで来れてなかった、」
蘇枋「さ、さくら……く、ん」
桜「だけどもういいよ、お前は生きろ」
蘇枋「っ!待って!」
桜「死ぬのは俺だけでいいよ」
そして君は首を切った
花が綻ぶように笑う君は
何かの映画のワンシーンのようだった
夢をみているようだった
気づいたら捕まっていて
どんな事聞かれたのかも、答えたかも覚えてない
ずっと君のことで頭がいっぱいで
楡くんを筆頭にクラスの子たちに説教されてる時も
君がいないのがあれは現実だったのだと思い知らされる
そして時は過ぎていって暑い日が過ぎていった
クラスの子たちも、家族もいるのに
君だけがどこにもいなくって
今もあの日を思い出す
ねぇ君に言いたいことがあるんだ
あの日の君の笑顔も無邪気さも全部覚えていて
頭の中を飽和している
ねぇ桜くん、
誰も悪くないよ
君は何も悪くないよ
『もういいよ、投げ出しちゃおう』
蘇枋「そう言って欲しかったんでしょ、ねぇ……答えてよ」
あとがき
2回目のお話も死ネタになってしまったんですけど
今回は『あの夏が飽和する』というボカロパロです
私の中の桜くんは絶対に自分の死に相手を巻き込まない子だとおもってます……
もちろん心中とかも大好きなんですけど
ここまで読んでくださりありがとうございます
わかりにくいところもあったと思います
なんてったって今は午前0時45分
ド深夜ですね
リクエストあればください
コメント
2件
えもうほんと ‼️‼️‼️ 神ってる ‼️‼️ あの夏が飽和するなんて大好きすぎるしストーリーも神すぎ ‼️‼️‼️ はぁぁぁぁもう大好きを詰め込んだ話だ !!!! がち天才すぎる 🫣🤝