這っている女の名前はラミア。
目の前の友の名前はシェリー。
2人は殺し屋の相棒同士だった。
何故こうなってしまったのか。
何故こんなところにいるのか。
何故ここにきてしまったのか。
検討もつかない。
一体いつ道を踏み間違えただろう
いや、道は最初からこれだった
そもそも道とは存在するのか。
這っている女は、まるで他人事のように考えた。
ー ただ、悔しかった。
何かが足りない、何かが足りないと追い求めてきたものは、隣にあったのかも知れない。
どうすればそれに手が届くのか知らなかっただけで。
それか、追い求めてきたものはそもそも存在しておらず、どこかの宇宙人が地球に住む人間に思考の強要をしてるだけかも知れない。
這っている女は、ただ、普通になりたかった。
ただの。普通に。
息をして
瞬きをして
ソファに寝っ転がって
あくびをして
友を肘で小突いたりなんかして
普通でいたかった。
血みどろにまみれ、達成感を得て。
それが這っている女にとっての普通だった。ごく、当たり前の事だった
這っている女は、世間を恨んだ。
世間が普通なんて決めるから、普通じゃないやつが出てくる。
例えそれをソイツが普通だと言ったって、 それは世間からしたら
「異常」
でしかないのだ。
這っている女と血まみれの女は、
そんな当たり前の「普通」を
手に入れたかった。
そういう、話だ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!