〜side赤城〜
2人並んで靴を履く
立ち上がり振り向くとおばさんがロウの上着を腕に持ちながら俺を心配そうに見ている
「今日寒いからコレ着て行った方が良いのに」
「大丈夫です。俺風邪引かないから」
「そう?じゃあ気をつけていってらっしゃい」
おばさんに見送られて俺達は家を出た
ロウはグレーのカーディガンといつもの黒いマフラー
黒いマフラーはモコモコしていて、口元まで隠して首に巻いている
「昨日より寒くね?」
「確かに」
「やっぱり着てくれば?俺待ってるから」
「いいよ、大丈夫。俺ロウのマフラー借りるから」
「えぇ⁈やだよ」
そう言いながらロウがマフラーに手をかける
俺は慌ててその手を掴み、解こうとするのを止めた
「ウソウソ!大丈夫だから」
「でも寒いだろ?」
「俺体温高いから」
「でも明日からは着てこいよ」
「そうするわ」
「てかさ、もう少しでお前も誕生日だよな?」
「あぁ、そうね 」
「なんか欲しいものとかないの?」
「えー?欲しいものか‥‥‥‥」
「なんでも言ってみ?」
「じゃあ‥‥ロウきゅんって呼べる権利?」
「却下」
「そんな速攻断らなくてもよくない?」
「却下です!」
でも俺は知ってる
部屋で見つけた紙袋
3つ並んだ袋の1つがブランド物で、気になって覗き込むと箱の上にはリボンに挟まれたメッセージカード
そこには俺の名前が書かれていた
俺が来るって知ってて置いてるんだから‥‥
ロウってしっかりしてるようで、どこか抜けてる
そんなところが憎めない
俺の推理によると、あのブランドって今ロウが着けてるマフラーと一緒だ
そしてマフラー付け始めた時、俺が羨ましがっていたのをロウがしっかり覚えている
だとしたら、あの箱の中はロウと色違いか似ているようなマフラーが入っているのではないかと俺は推理した訳だ
ブランド店にロウが1人で買いに行くわけはないよな
きっとおばさんに連れて行ってもらったんだろう
なんだかんだ言っても、ロウだって高い物買ってるじゃないか
まったく俺達はどんな所で気が合ってんのか‥‥
「‥‥ウェン、聞いてんのか?」
「ん?聞いてるよ?」
「聞いてないんだよな」
「聞いてる、聞いてる!で?」
「ほらな?欲しい物聞いてんのにさぁ‥‥」
「あ!俺欲しい物あるかも!」
「なんだよ」
「ロウとお揃いの物!」
俺の言葉を聞いてロウの口元が綻ぶ
ね?
俺の推理も捨てたもんじゃないだろ?
「ロウが何くれるんだろ?楽しみにしてるね」
「任せてよ」
得意げなロウに笑みが溢れる
そんな笑顔見れるなら他になんもいらないんだけどね?
END.
コメント
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てぇてぇすぎるだろ( *¯ ꒳¯*) 空気おいしすぎました! 最高です✨️ℓσνє♡