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「雫?こんなところに呼び出してどうしたの?」
雫が急に私を踏切の前に呼び出した。
「あ、遥ちゃん。…ごめんなさいね、急に呼び出して、」
「大丈夫だよ」
「あのね、私、遥ちゃんに伝えたいことがあるの。」
「伝えたいこと?」
「そう、私…..その…なんだか照れちゃうわね…..」
雫は少し顔を赤くしている。
「…遥ちゃんのこと、好きだったの」
「…..へ?」
「あ!その!えっと、少し変に思われちゃうわよね!これだけじゃ…..何があっても私に優しく接してくれた遥ちゃんが、私は好きだったの 」
「…それは、私もだよ」
「…?」
「雫とは違う意味になると思うけど、私、雫のこと…好き、」
「まぁ!嬉しいわ!その、違う意味…って?」
「え!?あ、えっと…それは聞かないで…..」
「…わかったわ」
踏切が鳴り出した。
「あ…..遥ちゃん、今までありがとう。本当に大好きだったわ、遥ちゃんが1番のともだちだった」
そう言い雫はもう、すぐそこまで電車がきている踏切へと飛び出した。
「雫!?」
ドンッッと鈍い音と、雫の肉片と血が飛ぶ。
目の前の光景にびっくりしてしまい私はその場に膝から崩れ落ちる。
何が起こったのか上手く脳が処理してくれない。
私の目から涙が流れるのを感じた。
電車は急ブレーキをかけ、周りにいた人は皆、叫んでいる。
どうしてこうなってしまったのか分からない。
私はただ、雫に頼って欲しくて、私だけを見て欲しくて…..
雫がそこまで追い詰められていたなんて、私には分からなかった。
分かりたかった。
私が1番のともだちだった。
私にとって、雫が1番だった。
それなのに…..どうして、
私の目の前に飛んできたのは千切れたお揃いのキーホルダーだった。