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学パロ,両片思い,ほぼrdgt.🧣🌵
pn.🍤▶{}
gt.🌵▶[]
rd.🧣▶【】
pnとgtは好きだという事を自覚してない。pngtよりrdgt強め。そこまで左右差はありません。
.nmmnルール厳守お願いします🙇🏻♀️
.ご本人様とは関係ありません。又,公の場では閲覧しないようにして下さい。
.誤字,脱字ありましたら報告して頂けると幸いです ·͜·
📍上記の意味や単語が分からない方は,検索等でしっかり意味を理解してから閲覧して下さい。
gt.🌵 side
見慣れた通学路の景色。薄い半袖の制服から覗く健康的な肌の色をした 腕から垂れる汗のじっとりとした感覚。絶える間もなくミンミン、と元気に夏を知らせる音。その感覚もその音も、かき消すくらいに大きな衝撃が背中に伝わる。
[ぅおっ!!?]
{ぐちーつ!おはよ!!}
【おっはー】
後ろから背中をどん、と勢い良く押したのは友達のぺんさんとらっだぁ。正確に言うと、背中を押したのはらっだぁで、更にらっだぁの背中を押したのがぺんさん。大分心臓に悪かったので仕返しにらっだぁを軽く叩くと[い”ッ]と声を漏らした。なんだかそれがおもしろくて、何回かそれを繰り返す。
【やめろって,w】
【俺はおもちゃじゃないんだから】
[ふは、らっだぁは叩かなくても鳴るよ]
少し嬉しそうにしながららっだぁは俺を小突く。隣にいるぺんさんはらっだぁが弄られているのがたまらなく嬉しいそうで独特な笑い声を上げる。
その笑い声は俺の心を照らしているみたいで、心地が良くて。毎回俺はその笑い声に釣られて笑う。その度に幸せだなあ、なんて柄にも無い事を思ってしまうのだから結構な中毒性だ。
【あ、待って時間やばい】
{え?}
[あ。]
馬鹿みたいに3人で笑っていると、急にらっだぁが冷めた声で呟く。らっだぁの手にはめられたApplewatchには8時16分と表示されている。20分から朝会が始まるので大分余裕はない。学校はここから3分+教室までの移動時間もあるためほぼ遅刻確定演出である。パチンコだったらきっとレインボーに色が変化している事だろう、激アツだ。
{…}
【サボるか】
絶望顔のぺんさんと、余裕…というか諦めたようにコンビニに向かおうとするらっだぁ。俺はぐっ、とグッドマークを立ててらっだぁについていく。ぺんさんも{飲み物だけ買お…}と言ってコンビニに入っていく。入店音が鳴ると同時にらっだぁがそのメロディをなぞるように鼻歌を歌う。ほんとこいつ呑気だな…。
[留年してもしらねえぞ?]
【ぐちつぼ勉強教えて】
[ドクペ奢って]
{コンビニで売ってないだろ、笑}
【俺アイス〜!】
{えっ、まさかの俺が奢る側!?}
流れるような会話をしながらアイスコーナーに向かうらっだぁ。遅刻寸前の様子を思わせないその振る舞いに自然と口元が緩む。俺とぺんさんも顔を見合わせてらっだぁについて行く。ぺんさんは先程の絶望した様な表情とは打って変わって、弾けた炭酸のような、夏を想像させる笑顔をしていた。その笑顔を見て更に俺も口角が上がる。すっかりご機嫌になった2人は、軽やかにらっだぁの元へと歩み出す。
[お、ダブルソーダあんじゃん]
【俺も食べたい】
[んじゃ半分こね]
【俺大きい方な】
[いや俺が大きい方食うし]
{綺麗に割ればいいだけの話でしょ…w}
【いやコイツ割るの下手くそなんだよ】
[お前もな?]
{俺が割ったげようか?}
【[それは1番無い]】
{え”…}
ガサゴソと冷凍庫を漁って、ぺんさんはソフトクリームを手に取りながら異を唱える。
{俺はぁ、らっだぁとぐちーつが喧嘩しそうになったから止めようとしたんだよ!?}
{なんで俺がぁ…、、}
[ふは、w]
しょぼくれたぺんさんを見てつい笑ってしまう。ぺんさんは少し顔を歪ませて、またにぱりと笑った。
いつの間にからっだぁがポリ袋を手にしていて、しっかりと奢ってくれたんだと理解する。足早にコンビニを立ち去ったのは勿論、遅刻寸前だから__という訳ではなくアイスを今すぐ味わいたいからだ。3人揃って近くの小さな公園へと駆け出した。
gt.🌵 side
住宅街の角にぽつんとある小さな公園には何本か向日葵が咲いていて、その明るい黄色がぺんさんを彷彿とさせる。向日葵は太陽と睨めっこをしている様で、日陰にあるベンチからはその向日葵の裏側しか見えなかった。
【ん、】
左隣に座っているらっだぁがダブルソーダを突き出す。いや、割られたアイスを見る限りダブル、とは言えないか。予想通り、割られた片方のアイスは棒がアイスから突き出ている。らっだぁは大きく割れた方__形を言葉で説明するのは難しいのだが、簡単に言えばテトリスのJ…もしくはLミノをさも当たり前かのように持っていた。Iミノを2つ合わせた形でダブルソーダと例えるのなら、残りの3マスを俺に押し付けてきたと言うのが分かりやすいだろうか。…誰がゲーム脳だこら。
[…は?]
【なに?】
[いや大きい方は俺のなんだけど?]
【俺の金じゃん】
[勉強教える代わりっつったじゃん]
【[…]】
ばちばちと青白い火花が飛ぶ。嫌な雰囲気を察してぺんさんがまあまあ、と遮る。
{ていうか1人1つ買えば良かったんじゃないの}
[確かにそうじゃん]
【それはそうだけどー、!!】
確かに、1人1つ買えばこんな分かりきった事にはならなかった。らっだぁは顔を少し歪めて額から垂れた汗を拭いとる動作をした。暑いのか頬を紅潮とさせながら、いつの間にか持たされていた3マスアイスへと顔を近づけ一口頬張る。
それ俺が貰うし、と俺から3マスアイス…いや2マスアイスを奪うと、J、もしくはLミノの飛び出た1マス部分に齧り付く。しゃくしゃくと噛み砕きながら、綺麗に二等分された見た目をしたシングルアイスを渡してきた。
【あー、頭キンキンするーー】
さも平然と渡してきたものだから受け取らない訳にはいかない。すっかり綺麗なIミノになったアイスには歯形が残っていて少しだけどき、としてしまう。関節キスだとか回し飲みに対する不快感はないし、特に意識する事も無かったのだが今は暑さで頭が回っていないのだろう、とても意識してしまう。
【食わねーの、?】
まじまじとシングルアイスを見つめてしまっていた様で、らっだぁが少し心配そうに問いかける。その問いに答えるように大きくアイスに齧り付いた。ひんやりとした感覚としゃりしゃりとした食感に優しい甘さが広がる。
[ふぁー、、!生き返るー!!]
今までの暑さがすっきりとした冷たさで消えても、関節キスをしたという事実で顔が真っ赤になった熱は取れない様で、らっだぁとは目を合わせられなかった。代わりに右隣に座るぺんさんを見てみると、ソフトクリームを食べながら向日葵を眺めていた。
{ぐちーつ、学校行く?}
[そりゃ行くよ]
【え”…行くの?】
[行かないつもりだったん!?]
【今日くらいサボってもよくねー?】
{不良すぎ、w留年するぞ}
そんな事をいいつつ、まだ皆学校に行く気分ではないらしくベンチから離れない。軽口を叩きあって、また少しの青春を味わった。
{うわ、やっちゃった}
[あちゃー洗ってきたら?]
【え?どした?】
{ソフトクリーム垂れてきた!!}
【手ねちょねちょなるやん】
{コンビニでトイレ借りて洗ってくる! }
コーン部分を口に押し込み、焦りながらコンビニへと駆けていくぺいんとを見届けながら2人はまたアイスに齧り付く。
[溶けてきた…はやく食べないと…]
【俺完食〜】
アイス棒を口に突っ込んでパタパタと上下に動かすらっだぁを横目にぐちつぼもシングルアイスを食べ切る。まだ舌にみぞれのようなものが残っていて、それをじんわりと溶かして味わう。
【ぐちつぼ、今日さ久しぶりに2人で帰らん?】
声のトーンが変わらない事で定評のあるらっだぁは、その評価通り平坦な声でそう提案する。
今日は変な日だ。普段は関節キスだって意識しないし、サボりもしない。帰りだってバラバラで帰る。
でも今日は。 口の中に残った生暖かい砂糖水に冷たさを求めてごくりと息を飲む。心臓がどくどくと波打っているのは、きっと暑さのせいだ。、とぐちつぼは自分に思いきかせた。そうでもしないと自分の中に芽生え始めた想いを抑えられない気がしたから。
[あー、うんいいよ]
【ん、教室で待ってるわ】
[俺も部活終わったらすぐ向かうわ]
ぱぱっと約束を取り付けて、ぐちつぼはまた視線を向日葵に移す。相変わらず花は太陽の方を向いていて、萼から覗く黄色の花弁が映えて見える。その時、花壇の奥にあるフェンスの隙間からぺいんとが帰ってくるのが見えたようで、ぐちつぼはブンブンと手を振る。真似をしてらっだぁも無気力ふりふりをしている。
{ただいま}
【おかかー】
[おかえり ]
【あ、結局サイダー買ったの】
{暑すぎた}
ぺいんとはコンビニで手を洗うついでに三ツ矢サイダーを買ってきたようで、左手にはペットボトルが握られている。確かに、{飲み物が欲しい}と言っていたな、と2人は思い返す。
やはり今日は暑いようで、ペットボトルが汗をかいている。何故かは分からないが、ぐちつぼにはその雫が涙に見えた。
そこからのろのろと学校に向かい(勿論教員には説教という名の心配をされた)、時間の流れに流され気づけば放課後になっていたようで。
らっだぁとの集合場所の教室に着いて、 防水性の生地がピカリと光るエナメルバッグを肩にかけて机に腰掛ける。
机の引き出しから配られたプリントがはみ出して、プリントの角がふくらはぎにチクリと当たる。ぐちつぼにはそれがむず痒かったようで、プリントを机の奥に押し込んだ。一つ前のぺいんとの席からもプリントがはみ出していたのでついで感覚でぺいんとのプリントも押し込んでおく。
【ごめーん!!】
勢い良く教室の扉が開いたと思えば、部活終わりのらっだぁが出会って1秒、RTAでもしているかのような速さで謝罪する。テニスのラケットバッグを持った彼は額から汗をだらだらと流していて、雨の中全力疾走してきたようにも見える。
[別にいーよ、いこーぜ]
【ありがと、ごめん…本当に…】
【部活集中しすぎたー、、】
[そろそろ大会近いもんな]
だらだらと気だるげに歩きながら校門を抜ける。じめったい空気ともう5時半だというのに爛々と空を照らす太陽が不釣り合いな気がして、これから夏という季節がやってくるのが嫌になる。こんな時こそ氷菓を食べたいものだ。
[あちー、]
【アイス食べてーよ…】
[わかる]
【もっかい食べる?】
[…いいぜ?]
【ふふ、w素直に言えよ〜】
にやにやと良い顔(悪い意味で)をしたらっだぁはコンビニの方向にと足を向けて走り出した。らっだぁの背中を追うようにぐちつぼも地面を強く蹴って夕日の方へと溶けて行った。
黄味がかった橙色の夕日の方向にはふたつの影。その影はぺいんとの親友、らっだぁとぐちつぼのものだった。ぺいんとは数メートル先にいる親友に声を掛けなかった。否、掛けれなかったの方が正しいものか。それはぺいんとの中にある善意と戸惑い、そして自己肯定感の低さが相まった結果だった。
◆
帰宅部のぺいんとはいつも授業が終わり次第一直線に家に帰るのがルーティーンだ。そしてそれは今日も同じはずだった。そう、帰り道に忘れ物に気づいたのだ。そして不運な事に忘れ物はレポート課題のプリント、おまけに締切は明日の朝ときた。そんなこんなでぺいんとはなくなく学校へと逆戻りしたのだった。
案の定机の中にはプリントが入っていた。プリントを誰かに押し込まれたのか、ぐしゃぐしゃに跡がついてしまっていているがこの際気にしない事にした。
◆
校舎を出るとそこには部活動に熱心に取り組む生徒や汗だくの部活終わりの生徒達。暑そうだな、なんて思いながらリュックからサイダーを取り出して口に含ませた。パチパチと口の中で踊る炭酸は、朝と比べると大分炭酸が抜けたような気もする。
校門を抜けて今日2度目の帰り道、目に入るのは親友のらっだぁとぐちつぼ。
夕日に照らされた、透き通る真紅の瞳。その瞳の先には無邪気に笑うらっだぁの姿。らっだぁの頬がやけに紅く見えて、胸の中に小さな引っかかりができて呼吸がしにくくなったのはきっと気の所為。
声を掛けるべきか、いつもなら気軽に話しかけている場面。迷うことは無い、それでもぺいんとの足は動かなかった。
ああ、好きなんだな
気づいてしまったから。らっだぁが、ぐちつぼに好意を寄せていることに気づいてしまったから。
ぺいんとは「男が男を好きになる事」や、いわゆるゲイに抵抗感はない。むしろその男が自分に関わりがあって大切な人ならばその恋を応援していることだろう。それならば、ぺいんとはらっだぁを応援せざるを得ないのだ。2人の幸せを願うのなら一歩後に引いて、2人で過ごす時間を増やすべきだ、そうぺいんとは考えた。
自分の中にある本当の気持ちだとかは後回し、自分より他の人。自己肯定感の低いぺいんとはこのような思考回路で行動している。
そしてまた今回も同じ。結局一歩届かない、自分を掴むための一歩が踏み出せないのだ。
{俺は、なんで……}
自己肯定感が下がる。己の事が憎く何故存在しているのかが分からなくなる。それでも明日は来る、前に進まなければいけない。ゆっくりと視線をあげる。
そうすれば深い紅に惹き込まれる。毎日見ている紅い瞳、その紅に何度救われてきた事だろう。いつも眺めているあの瞳。
{俺ってぐちーつの事が好きだったんだ、}
向日葵は太陽を見た。そして今も一途に想い続けている。手に持った炭酸はすっかりと生ぬるくなっていて、すっかり冷えきっていた胸の歯車が回り出した気がした。
ああ、好きだなぁ。
瞳を見る度に今まで理解出来なかった感情が溢れ出して、今にも泣き出しそうだ。
{遅すぎたんだ、気付くのも、好きになるのも。}
向日葵は太陽を見つめた。 太陽は沈む、そして朝になればまた昇る。それをまた向日葵は一途に見つめ続ける。
{アイス、食べたいなぁ}
ゆるゆると出てきたその言葉と共に、初めて自覚できた恋心は溶けていった。
感情が溶ける日には氷菓を/end
ハピエンともバドエンとも言えない微妙なライン。非常に好みの別れそうなお話にはなってしまいましたが、個人的には満足しています。
最初はgtはpnに知らず知らずの内に好意を寄せていますが、rdと関節キスしてしまった事でその時点でrdの事で頭がいっぱいになっています 。
pnは恋心を理解できないまま高校生になって、夏のある日初めての初恋&失恋をしてやっと恋心を知ったんですね。
pnが直接的に振られた、という訳ではないですが、結局二人に話しかける事(一歩踏み出す事)ができなかったのでgtへの恋心はあるけれど、告白はできない。=失恋してしまった、というendになります。
ちなみにですが、gtが自分の机に押し込んだプリントはpnと同じ明日提出のレポート課題のプリントです。
ダブルソーダの割り方のシーン、正直めちゃくちゃ分かりにくかった気がするのですが伝わりましたでしょうか。テトリスのミノで形を伝えようとしたのですが、やはり文だけだと難しいですね。
向日葵の花言葉:貴方だけを見つめる