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~登場人物設定~
真島 蒼音(ましま あおと)
25歳 社会人
鈴風 瑚珀(すずかぜ こはく)
18歳 高校3年生
余命約1年の病気持ち
第1話『*冬の季節に*』
キミに出逢ったのは雪が舞い散る12月のこと
-5℃という極寒の寒さの中にキミは居た
蒼音『学生かな…』
1人の学生だろう女の子が1人でポツンと
街に佇んでいたのだ
ふと、彼女を見た
蒼音『…え?』
彼女は泣いていた。この真冬によく似合う涙を
日焼けを知らないかのような真っ白な頬に
綺麗な涙の雫を降り積もった雪の地に落として
この時の僕は息を飲む程、美しいと思った
大人だというのにその涙に見惚れていると
瑚珀『…あの、なにか?』
蒼音『…え?あ、』
瑚珀『私の顔…見てましたよね?』
しまったと思った
25歳にもなったいい社会人の大人が何をやっているんだ
蒼音(どうする…正直に言うか?)
少しの間悩んだが言うことにした
蒼音『君が…泣いていて…それで』
見惚れていた…なんて馬鹿正直に口を
滑らそうとした時
瑚珀『見られてたんだ…』
先程まで雪のように真っ白だった頬を
今度は林檎の如く紅く染め上げた
蒼音『ど、どうしてあんなとこで泣いてたの?』
本日二度目だが、しまったと思った
初めて会う人にこんな事を聞かれても
不審がるだろう
見ず知らずの人に話す訳がない
でも、彼女は…
瑚珀『優しいんだね…』
気持ち悪がられる…そう思ったが
彼女はふんわりと可愛らしく笑った
その後、彼女はとんでもない事を口に出した
瑚珀『私ね…死ぬの。1年ももたないかもって』
蒼音『え…し、死ぬって…』
瑚珀『そう…だから来年の冬は越せないなーって』
そう言い、彼女はまた1粒の大きな雫を落とした
それを見て僕はどうしても彼女を
放っておく事が出来なくて
蒼音『なら、僕が”キミの生きた証”を見届けるよ』