テラーノベル
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僕は今日きっと死ぬ。
死ぬ前にわかるものなのだと。
でも今日死ぬことは身体が教えてくれた。
もう声もほとんど出せなくなり、目もほとんど開かなくなった。
うっすら涼架が見える。
「元貴……。」
涼架。大好き。愛してる。
「涼……架……。あいして、る。」
「僕も元貴のこと愛してる。」
あぁ君を1人にはしたくなかったな。
せっかく結婚までしたのに。
涼架のウェディングドレス見たかったな……。
花がちりばめられていて純白なドレス。
君はきっとそんなドレスを選ぶ。
若井もあやかも高野も呼んで。スタッフさんもニノさんも風磨くんもみんなに可愛い涼架をお披露目して……。
まだまだやりたいこと沢山あったのに。
でも君が色んなところに連れていってくれた。それだけで僕は十分幸せだったよ。
「元貴……。愛してるっ。」
僕は君を幸せにできたかな。
きっと君を幸せにしてくれる人が現れるよ。
僕よりも全然いい人でさ。
愛想が良くて、優しくて、君を幸せにできる人がきっと表れる。
それでも、僕のこと、忘れないで欲しい。
君の頭の片隅にでもしまっておいて欲しい。
「元貴……あーん」
ずっと前から食べても何も感じなくて。でも君と食べると何故か甘くて。
「美味しい?……って味しないか。」
「美味しいよ……笑」
君には笑っていて欲しいんだ。
「涼架、眠い……。」
「……っ!……寝ちゃうの?」
「少しだけ寝るね……いや少しじゃないか。」
「……っ。」
「泣かないでよ。」
「涼架、よく聞いて。僕以外の人ともし結婚したするかもしれないでしょっ。僕は嫌だけどね笑。僕のことは忘れないで欲しい。でね、絶対『幸せ』になってね。」
「僕には元貴しかいないよ……。」
「あと若井のことよろしくね……。」
「うんっ……。」
「おやすみっ。」
ブチッ。
もう
何も見えない。
何も感じない。
何も聞こえない。
死ぬんだ。
ふわぁっ
あぁ。”涼架の匂いがする”
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