この作品はいかがでしたか?
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桃赤 nmmn R18
めっちゃ短いです…こうでもしないと投稿頻度上げられない😭
『出したらダメでしょ』
***
「あっ…ん、うぁ…っ」
白くて細い身体。真っ赤な顔でハァハァと荒い息を吐き出して、枕をぎゅっと抱きしめている。
ベッドの上が一番似合うんじゃないか。この最年少は。
「っ…可愛い…」
「あ、ばかっ…そこ、やぁ…っ」
行為中、何度も「好き」と言いそうになったことがある。その度に、ぐっと言葉を飲み込んで、誤魔化すように口から飛び出すのは「可愛い」だった。
俺たちは付き合っているわけではない。所謂セフレという関係。だから、好きになってはいけないのだ。
…きっと、そんなことになればりうらに迷惑だろう。
「っやだ、またイク…っ、イっちゃ…!」
一際大きく声を上げたりうらがぐぐっと背中を仰け反らせる。どうやら達したようだ。
きゅっと中が締まって、思わず小さく声を上げてしまう。俺も絶頂が近いようだ。
「ふ…ぅっ、俺もイきそう…っ」
「んぁっ…だ、だめ!」
腰を振る速度を速めると、りうらが焦ったように俺の胸板を押した。力が入らないのか微力だったが、その必死さに違和感を覚えて腰を止める。
「なん、で…っ?」
「ゴムしてない、からぁ…!」
「はっ……?」
意味が分からなかった。
「いやいや、無理。俺溜まってんだけど…」
「だめ」
俺が「なんで」と聞く前に、りうらが口を開く。
「好きな人と付き合ってから…その、中に出されたいの…っ」
顔を真っ赤にしてそう言うりうら。
胸がチクッとした。
「…好きな人、いるの?」
「……まぁね」
りうらは照れくさそうにぼそりと呟いて顔を背けてしまった。
…そう、なんだ。りうら、好きな人いるんだ。
それはきっと、俺じゃない誰か。
「…ふぅん…」
自らの口から飛出たのは、思いのほか低い声だった。
モヤモヤと黒い渦が頭を埋めつくしていく。
…あーあ、萎えちゃったじゃん。
「んぁ…ぇ、なん…」
戸惑うりうらを無視して、腰を引き抜く。
ベッドにどさっと倒れた俺を見て、りうらが切なそうに眉を下げて俺を覗き込む。
「…続き、しないの…?」
揺れる瞳が見ているのはきっと俺じゃない。
__俺の、身体なんでしょ。
「ん…俺もう疲れちゃった」
適当にあしらって誤魔化す。
何なの、この気持ち。
俺の中の確かな恋心を悟られたくないのに、心のどこかで気付いて欲しいと思っている自分がいる。もう、ごっちゃごちゃだよ。何もかも。
「いいの…?ないくんイってないじゃん。中じゃなくて良いならりうらが……」
すっかり萎えた俺のものに触れようとしたりうらから寝返りを打って逃げる。
「…いい。もう寝る」
俺の素っ気ない態度に違和感を覚えたのか、りうらは心底心配そうに俺の名を呼んだ。
「ないくん…?」と。
その声が、酷く優しくて。でも、だからこそ、心に深く突き刺さるものがあって。
「………シャワー、浴びてくるね」
そう言ってりうらは部屋を出て行った。
しんとした室内に一人。りうらの甘い声が微かに脳裏で響いている。
「はは……なにやってんだろ、俺」
ぐるぐると渦巻いていた黒い塊は、確かな嫉妬心へと変化していく。
…あんな声、他の奴に聞かせるなよ。ずっと俺の傍にいて。他のところになんか行かないで。
___そっか、俺、嫌なんだ。大好きなりうらが他の奴の方が好きって言って、嫉妬してんだ。
いつの間にか、枕が濡れていた。
恋愛って、こんなに難しかったっけ?
社会人になって、仕事に飽きて、そこから歌い手活動し始めて、企業して、社長になって。ずっとずっと、動きっぱなし。明日も色んな人とお話して、企画を考えたりしなければならない。
もう随分と私欲を満たしたことなんてないから、忘れちゃったのかな。
「……くそ、」
いっその事、ここから逃げ出してしまおうか。りうらを一人残してここから出て行けば、取り敢えず今日は何も考えなくて良くなる。
なんて考えたけれど、動く気力さえなかった。
素っ裸のまま布団を被って、目を閉じる。そうすればゆっくりと深い闇の中へ落ちていった。
コメント
6件
初コメ失礼しますっ! 🐤さん本当は🍣さんが好きで付き合ってから出されたいのかなと思いました。 勝手に考察して申し訳ないのですが最高過ぎました👍 フォロー失礼しますっ!
もーほんとこの関係好きすぎます…💕 赤さんが桃さんのことちょっと 心配してるのに萌えた🥺🥺 題名の出したらダメでしょって 中って意味もあるだろうけど 感情を出したらダメでしょっていう 意味もあるのかなーとか思ったり…
のんちゃんお久な投稿最高だった😇😇 そういう関係だからこそだよね、 お願いだから結ばれて欲しい🙏🏻 雰囲気大好き過ぎた🫶🏻💕💕💕