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あたしでいいんだ

irxs


黒桃♀さん

微青赤、水白表現アリ


黒、青、水さん→♂

桃、白、赤さん→♀


桃さん→「」

黒さん→『』







あの時の話をしようか。


「あたしってほんとに天使なのかなぁ…。」


「そんなこと思い始めたのはもうずっとずっと昔。

きっと今よりあたしがずっとちっちゃい頃。」


いつだったっけね。


「あたしの羽はピンク色。

ちっちゃい頃は周りのみんなも「可愛いね」「いいなぁ」って褒めてくれた。

でもいつ頃だか「あれって堕天使になる前兆らしいよ」だなんて噂が広まっちゃって。」


誰がそんなこと言ったんだろ。



「あたしの周りから人はいなくなっちゃった。」



「そんな噂が広まっちゃって、あたしの住んでた天使の国のお偉いさんから【追放だ】なんて言われちゃってさ。

なぁんにも迷惑かけてないじゃん、イメージが悪くなるって何よ。

お金ないし暮らしていけないじゃん。

なんて思いつつ、人間に化けて散歩をしてたの。

結局他の天使の国でも追い返されちゃったから人間界に来るしかなかったんだよねー。」


たかが噂ごときで。






「で何年だろう、2、300年かなあ、そんくらい経ってもあたしは堕天使にならなかったんだよね。

結局嘘じゃん。

堕天使になったら翼が黒くなるはずなんだよねー?

ほら、あたしピンクなんだよ。違うよね。」


噂って怖いね。






「話戻るけどいい?

あ、散歩してたところまでね。

追放されて、散歩してたところで貴方に会ったんだよ。」


最初会った時にすっごく引き込まれたんだよね。

見たことないくらい、悪魔かと思うくらい、真っ黒で綺麗な目をしてたから。

きっと真っ黒な羽がよく似合うんだろうな。


「ね、アニキ」

『そういう経緯やったんやな。』

『ってか「ね、」じゃないやろ。大分酷い状況やん。』

「まあねえ、笑」


優しいね。


「でもアニキと出会えてよかったなぁ、お金も持ってなかったし。」

『ホンマによかったわ。』

『俺と出会ってなかったら今頃どっかで野垂れ死んどるぞ?』


拾ってくれて嬉しかったな。


「続き話していい?」

『おう、止めてすまんな』


「疲れてたから休もうと思ったの。人間に化けるのって意外と疲れるんだよ。

だからどっかで隠れて変身を解こうと思って。茂みに隠れたんだよねー。

そしたら…。」

『俺がおったんよな笑』

「そう!!」

「びっくりしたよお?!隠れに行ったら人間がいるんだもん!!!!」


まさかバレるとは思わないし。


『こらあんまり大きい声を出さない、このアパート壁結構薄いんやからさ』

「あ、ごめんごめん」

『てか俺も吃驚したわ!まさか茂みの中に人が…いや、天使が入ってくるとは思わんやん?笑』

「アニキはなんでそんなとこいたの?」

『犬がおって…』

「あッ意外と理由可愛かったッ!!」

『意外とってなんやねん俺可愛えの好きやもん…』

「そうなんだ…」


いいこと知ったー。






『あん時のないこの姿は綺麗やったな、茂みに引っかかったんか知らんけど、

羽が散っとったから舞い落ち取ってすごい天使みたいだったんよな』

「みたいじゃなくて本物なの!てかあの時だけじゃなくていつも綺麗でしょー!」


ちょぉっとふざけて言ってみる。


「ほらっ(羽広げる」

『嘘やで。ないこはいつも綺麗やよ。』

「なぁ…ッ!!///」

『んはは、可愛えなあ。(撫』

「ぬぐぐぐぐ…/」


急に言ってくるのはずるいじゃん…。//






ここ1、2年でアニキに紹介してもらったりして、りうらとしょうちゃん、いむとまろという友達も増えた。

全員あたしが天使ということも理解したうえで仲良くしてくれる優しい子。






「ねえアニキ。」

『どうしたんや?』

「アニキってずっとあたしと一緒にいてくれるけどさ、そろそろ結婚とかしなくていいの?」

『うーん…』

「あ、もしかして好きな人いるんでしょ?笑」

『おるなぁ』


ちょっとだけ、ちょっとだけ、胸の奥がずきっと傷んだ気がした。





あ、そうか。


きっとあたしは。あたしは…



あたしは、アニキのことが好きなんだ。


「えー。誰?笑」

『うーん…笑』


ああそうか。そうかぁ。

…それなら、笑顔を崩さないようにしなきゃな。きっと泣いちゃうだろうから。


「教えてよー?」

『どうしようかなあ』

「りうら?しょうちゃん?」


あの子たちは可愛いからな。人から好かれるような性格してるもんな。


『知りたい?』

「面白そうだから知りたいなあ、笑」

『んーじゃまあ教えたるか!』


我慢、我慢


『ないこやで。』

「え」


うそ


『聞こえんかったん?』

『俺が好きなのはないこやで。』

「な…なんで…?(ポロッ」

『なんで泣くんよ、笑』

『可愛え顔が台無しやでー?』

「だって、だってあたしりうらとかしょうちゃんみたいな愛嬌なんてないし、ッ」

『んなことないやん?ないこはそのままで可愛えで』


うそだ

きっと夢だ


「寿命だって違うしッ」

『違うくたってええやん』


夢じゃないの?

本当に


「ん、ん”ーーーーッッ」

「ぅ”あーーッ、う、ひッぐ、(泣」

「ほんとに”、ほんとに、ッ”、あたしでいい”の?」

『俺はないこがええんよ。』


あたしはあたしでいいんだ。


『泣かんとってや、笑』

「だって”あたしもずっと好きだった”もん…ッ”」

『そっか、嬉しいなあ、両想いか』

「う”ーーーーッッ、/」


いいんだ、こんな幸せで

よかった。アニキと出会えて。







〔えーっ、ないちゃんとゆうくん付き合ったん?!おめでとうやなぁ!!〕

〔おめでとーっ!!!〕

「えへ、ありがと!しょうちゃん、りうら!!」


[どんな女に言い寄られても絶対付き合わんかったあにきに彼女が…?!ええことやんなあ!!]

[やっと付き合ったの?!おめでとう!!]

『ありがとうなあ、まろ、ほとけ。』


みんなに祝福もしてもらった。






「そういえばこれでみんな付き合ったことになるんだね、このメンバー。」

『ああ確かにそうやなあ。』

「りうらとまろに、しょうちゃんといむか。」

「お似合いだねえ」

『そうやなあ。』


「…好きだよ」

『俺もやで』


種族違うし寿命も違うけど、時間が来るまでは。


「ずっと一緒にいようね。」

『ずっと一緒にいような。』


最大級の幸せを。







end

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