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僕は泣いているのか、笑っているのか。
助けてほしいのか、分からないことが多い。
自分の気持ちは自分しか分からないのに僕は何も分からない。
どうしたら前みたいに皆の好きな僕でいられるんだろう。なんて考えて生きている。
でも答えは出なくて今日も自問自答を繰り返している。
青い空に、鳥の鳴き声に何かを感じながら
ただ一つの問いの答えを、「僕の生きる理由」を探して歩いている。
瑞「ただいまぁ、」
母「おかえり、ほとけ。そういえば今日からテスト返しだったよね?」
瑞「あぁ…うん」
母「見せてちょうだい」
これで95点以上じゃなければ殴られる。テストの点数が悪かったらいつものことなのに
体が震えて鞄に手をかけられない。
母「ほとけ?どうしたの?」
僕の鞄を無理矢理取ってテストの結果が書かれた紙を探す母。
瑞「あ…やめて、僕が出すから…っ」
そう呟くと、鞄が床に叩きつけられた。
瑞「…っ」
母「なんなのよ!?早く出さないからこうされるんでしょ?
ほんとにあなたは可愛くないわ、お兄ちゃんはちゃんと点数とれてるのよ!?」
そう言い僕のことを殴る母。
やめて、なんて言えない。僕が我慢したらいいから。
蒼「ただい、ま…?ちょ、え…なにしとん!!」
お兄ちゃんが帰ってきた。
瑞「っい゛…」
蒼「母さんっ、正気に戻れや…っ」
僕と母を引き剥がすいふにぃは涙を浮かべていた。
母「いふはちゃんと点数とれたわよね…?」
蒼「…点数で兄弟を比べんな。」
母「ほとけよりいふのほうが…」
蒼「黙れよっ゛!?母さんは俺の気持ちも
ほとけの気持ちも知らずに、ただ点数ばっかり気にして…」
瑞「いふにぃ、」
いふにぃが母に向かい怒鳴った。
顔は涙でぐしゃぐしゃになりながら僕のことを気にしてくれて。
僕は何も感じず、いふにぃとお母さんを見詰める。
痣が残った腕とヒリヒリする頬を触りながら。
蒼「…もう話にならん、ほとけ来て」
瑞「え、うん…」
僕らは絶望したような目をしているお母さんを一人にし、リビングを後にした。
蒼「手当てするで」
瑞「…うん」
丁寧に包帯や絆創膏をつけてくれる兄。
その姿がかっこよかった。
瑞「僕、時々どうしたらいいか分からないんだよね」
蒼「…おん、」
瑞「自分の気持ちも分かんない笑」
蒼「自分の気持ちが分かるから偉いわけでもないし、当たり前じゃない」
瑞「そうかなぁ、」
蒼「俺やって分からんかったよ。」
いふにぃもそうだったんだ。
僕の近くに同じような経験をした人がいた。
なんだか心が温かい。
自分の気持ち、いつかちゃんと分かるようになりたいと思えた。
蒼「ん、これでおっけい」
暫くして処置が終わった。
僕がありがとうと呟き、部屋を出ようとすると呼び止められた。
蒼「…いつか俺らで逃げような」
瑞「!!ぅ、うんっ」
僕と兄は最初の約束を交わし、これからを生きようと思った。
伸びないので新作出しました。