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る あ .
902
1,370
#一般人
유리
41
スタートーー!
――午前1時02分。
月影アイランドの旧観測施設。
青白い光が、地下の壁を照らしていた。
美月は、白石澪が残した記録装置を握りしめている。
その画面に表示された名前。
水城航平。
そして、その人物こそが「月影の亡霊」と呼ばれている可能性が高い。
「水城航平……」
美月が小さく呟く。
「五十年前に、この島にいた人なのかな」
「たぶん」
コナンは記録装置を見つめる。
「でも、まだ分からないことが多すぎる」
「例えば?」
「どうして今まで生きているように見えるのか。それに――」
コナンは一枚のカードを見る。
先ほど黒い人物が残したもの。
『月影の亡霊を追うな。』
そして裏には、
『彼を追えば、五十年前の真実にたどり着く。』
「このメッセージを残した人物が、月影の亡霊をどういう存在として知っているのか」
その瞬間。
――カチッ。
記録装置の画面が突然切り替わった。
「え?」
美月が画面を見る。
新しい映像が始まる。
⸻
◆五十年前
古い観測施設。
そこに、一人の青年が立っていた。
白石澪と話している。
『水城君』
『はい』
青年――水城航平は、海底遺跡の模型を見つめている。
『本当に、この遺跡を封鎖するんですか?』
『ええ』
白石澪が頷く。
『蒼月の涙が悪用される前に、すべてを閉じる必要があります』
水城は少し考える。
『でも、アルカディア号は?』
『船も残します』
『五十年後も?』
『誰かが真実を見つける日まで』
水城は驚いた表情を浮かべる。
『そんなに長い間……?』
『記録は、人より長く残ります』
白石澪は一枚の写真を取り出した。
そこには――
謎の少女が写っていた。
『この子を守るためにも、必要なんです』
水城は少女を見る。
『この子は……何者なんですか?』
白石澪は答えなかった。
ただ――
『いつか、本人が知ることになります』
そう言った。
⸻
映像が一度途切れる。
そして、次の映像。
同じ観測施設。
水城航平が一人で装置を操作している。
『これで、アルカディア号を遺跡の中へ移動できる』
画面に海底遺跡が映る。
『けれど、外部から侵入されれば……』
水城は装置を停止する。
『五十年後に、このシステムを解除する人間が必要になる』
そのとき――
背後から白石澪が現れる。
『その役目を、あなたに頼みたいの』
水城が振り返る。
『私に?』
『ええ』
白石澪は一枚の鍵を渡す。
その鍵には――
三日月と「07」の紋章。
『この鍵を守って』
『五十年後まで?』
『そう』
水城は鍵を見つめる。
『分かりました』
そして――
映像が途切れた。
⸻
◆
「……水城航平は、最初からアルカディア号を守る側だった」
コナンが呟く。
「だから『月影の亡霊』は、アルカディア号を消した犯人じゃなかった」
「白石澪の言っていた通り……」
美月が答える。
だが、コナンは首を傾げる。
「でも、問題はここからだ」
「何?」
「水城航平が五十年間どうしていたのか」
美月は黙った。
五十年前の青年。
そして現在の「月影の亡霊」。
もし同一人物なら――
五十年間、彼はどこにいたのか。
その答えを探すように、記録装置が再び動いた。
⸻
◆最後の記録
映像に、白石澪が映る。
これまでよりも疲れた様子だった。
『水城君へ』
美月とコナンは息をのむ。
『もしあなたが、この記録を見ているなら――』
白石澪は一度、海の方を見る。
『アルカディア号は、無事に遺跡へ到着したということです』
そして――
『でも、私には一つだけ心配なことがあります』
画面の奥に、少女が映る。
『この子が、いつか自分の記憶を取り戻したとき……』
白石澪の表情が曇る。
『きっと、過去と現在をつなぐ存在になります』
「記憶を……?」
美月が呟く。
『だから、もし五十年後に彼女と出会ったら――』
白石澪はカメラをまっすぐ見つめる。
『彼女を責めないでください』
美月は戸惑う。
「どういうこと……?」
映像が乱れる。
『彼女には、何も知らされていないのです』
そして最後に――
『彼女の名前は――』
映像が停止した。
「えっ……」
美月が画面を見る。
「名前が出る直前で止まった」
「わざと切られたのか?」
コナンが装置を調べる。
そのとき――
装置の横に、小さな引き出しが開いた。
中にあったのは一枚の写真。
美月が取り出す。
「……!」
そこには――
五十年前の水城航平。
白石澪。
そして――
あの少女。
さらに写真の裏には、
『三人目の記録者』
と書かれていた。
「三人目……?」
コナンが写真を見る。
「白石澪、水城航平……そして少女」
美月は少女を見つめる。
「じゃあ、この子も記録者だったの?」
「たぶん」
その瞬間。
写真の裏側に、もう一つの文字が浮かび上がった。
『記録者は、次の記録者へ記憶を渡す。』
「……次の記録者?」
美月の胸元のカメラが反応する。
――ピッ。
画面に文字が表示された。
『記録者:美月』
「……!」
美月が息をのむ。
「私が……次の記録者?」
コナンも驚いていた。
しかし、そのとき――
施設の奥から声が聞こえた。
「そうだ」
二人が振り返る。
暗い通路。
そこに、一人の男が立っていた。
黒いコート。
顔はまだ見えない。
「君は、次の記録者だ」
美月が一歩前へ出る。
「あなたは……誰?」
男は答えない。
ただ、静かに歩いてくる。
「五十年前から、この事件を見ていたの?」
「……そうだ」
「水城航平さんなの?」
沈黙。
そして男は――
「その名前を知っているのか」
低い声で答えた。
コナンの目が鋭くなる。
「やっぱり……」
男は二人を見る。
「だが、私が誰なのかを知る前に――」
男が指を向ける。
「君たちは、もっと大切なことを知らなければならない」
「大切なこと?」
「蒼月の涙が守っていたものだ」
男が歩み寄る。
その瞬間――
――ドンッ!
施設全体が大きく揺れた。
「また!?」
美月が壁に手をつく。
男が窓の外を見る。
「……始まったか」
月影アイランドの中心から、巨大な青い光が空へ伸びていく。
そして海上では――
黒い船がゆっくりと島の中心へ向かっていた。
「何が始まったの?」
美月が尋ねる。
男は静かに答えた。
「五十年前に止めた――最後の航海だ」
その言葉と同時に、遠くから汽笛が響く。
――ボォォォォン……。
男は美月に一枚の鍵を投げ渡した。
受け取った美月が見る。
三日月。
そして――
「07」
「これは……?」
「海底遺跡の最深部へ行くための鍵だ」
「最深部?」
「そこに――」
男は一瞬だけ美月を見る。
「蒼月の涙の本当の力がある」
そして男は、暗い通路の奥へ消えていった。
「待って!」
美月が追いかける。
しかし、そこには誰もいない。
ただ、壁に一枚の写真が残されていた。
写真には――
五十年前の水城航平。
そして、現在の月影アイランド。
写真の裏には、
『午前2時、月が最も低くなる。』
その下に――
『そのとき、すべての記憶が戻る。』
と記されていた。
コナンが時計を見る。
午前1時20分。
「あと40分……」
美月は鍵を握りしめる。
「行こう、コナン君」
「ああ」
二人は地下施設を飛び出した。
目指すのは――
海底遺跡の最深部。
そこに眠る、蒼月の涙の真実。
そして――
五十年前から続く、最後の航海。
月影アイランドの空に、青い光が走った。
その光の中心で――
蒼月の涙が、再び輝き始めていた。
――第11章・終――
次章予告
第12章「蒼月の涙、最後の真実」
美月とコナンは、三日月の鍵を使って海底遺跡の最深部へ。
そこには、五十年前から封印されていた巨大な装置と、白石澪が残した最後の記録が眠っていた。
そしてついに明かされる――
蒼月の涙が守っていた本当のもの。
さらに、月影の亡霊・水城航平が五十年間姿を消していた理由とは?
午前2時。
月が沈む前に、美月たちは五十年前の航海を終わらせられるのか――。
コメント
3件
物 語書 く の上 手す ぎ て尊 敬 っ す !!!!!!
みぅ🤍🥀です。 第11章、読み終わりました…「次の記録者」が美月ちゃんだったって知った瞬間、ゾクッとした。 黒いコートの男性=水城航平だとしたら、彼は本当に50年もの間、何を待ち続けてきたんだろう。 蒼月の涙が守ってきた“本当のもの”が何なのか、私も一緒に知りたい気持ちでいっぱい。 午前2時までのカウントダウン、次が待ちきれないです…🌙