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花火 📢×🌸
いるまside
今日は花火大会らしい。めずらしくなつが浴衣を着て出かけてった。
みこともそわそわしてたから、行くんだろうな。
ふたりともそれぞれの想い人とデートか…
進展すればいいけど。
やっぱり俺も誘えばよかったかな。でも大事な打ち合わせがあるとか言ってたし、仕事やりたいだろうし…誰かと行くかもしれないし…
なんて言い訳か。俺が勇気を出さなかっただけだ。
今からは難しいにしても、声くらい聴きたくなってくる。
もしかしたらディスコあがってくるかな。
あがってこなければ電話かけてみればいいし…
ポロンッ
まあせっかくだし編集なり企画なり仕事しますか
ポロンッ
ん?
<おつおつ〜なにしてんのいるまー
<え、らん?!あ、と別に編集だけど
きた…!?ほんとにくるとはさすがに思ってなかっただけに、しどろもどろな返事になってしまった。
<えーこんな花火の日に仕事?行けばいいのに。
<家から見えるし。人混み嫌だし。行く意味あんまなくねー?
<いやまあそうだけど、んーまあいるまっぽいっちゃそうか
らんを誘えなかったなんて絶対言えない。
らんはいつも通りの口調でのんびりと喋る。でも結構疲れてそうだってこと、なんとなくわかる。
<おまえは?
<え?
<花火。誰かと行ってるんだと思ってたけど。
<え、なに嫉妬ですか?笑笑
<…べつにっちがうし。で?
ほかの奴の影がないか探りを入れようと思っただけなのに、図星を突かれて動揺してしまった。
あーもう。調子狂うな…
でもタイミングよくらんと話せて嬉しいのは事実。
<ま、まあなつとこさめの邪魔しちゃ悪いしな。みこととすちも行くっていうから会うのは避けたいし。いっかなーって思ってたけど…
完全に行く気がなかったとわかってちょっと安心した。するとやっぱりらんの顔をみたい気持ちが大きくなる。
<ふーん。ひま?
<え?あ、うん暇だけど
<じゃあ家来れば?
<えっ!?
結構勇気出したんだけど…引かれたかな
らんが何を考えてるか、何を思ってるかこういうときだけまじわかんねぇ
<もう、来るの?来ないの?
<い、いく!から一晩泊めて?
<っ…いいよ。じゃあ、待ってるから。
らんが泊まりにくるっ?!
いや、でもまあいつものことといえばいつものことだ、うん。
花火ってこともあって自分の気持ちを意識しすぎてる。
やめよう。余計なことは考えない、考えない。
でも楽しみだな。はやく会いたい。
あっらん。あがって。
お邪魔します…
なに笑 いつも来てるくね?
やっ、なんでも。会えてうれしい
!?
あっ…
それはずるい。絶対ないってわかってるのに、期待しちゃうでしょそんなの。
すこし照れたように顔を俯けるらんをみて、俺も顔が赤くなってくのが自分でもわかる。
これ、家呼んだの間違いだったか?
今夜俺の心臓持つだろうか。
いるまの服だぼだぼ〜みて〜
てろーんとなった袖を垂らして遊ぶらん。
うん。安定にかわいい。
おい、おばけじゃねえんだし
あははっ
冷静に返しつつも、いわゆる彼シャツ姿のらんにドキドキがとまらない。
あっあがった!
お、わりといいな。久しぶりにひとりじゃない花火かもなー
そなん?
いっしょにみる人もいなかったしな。らんくらいだろこの時間暇してんの
おい、おまえもだからな?
的確な返しに苦笑が漏れる。けどせっかく呼んだんだし、これだけは伝えなきゃ。
でもらんでよかったよ。おまえとみれてよかった。
えっ…///
わかりやすく照れるらんに”好き”って気持ちが溢れていく。
…綺麗だな
うん
ふと隣をみるとらんはすこし眠たそうに目を細めていた。
らん、眠いん?
うん…ちょっと
そか。ここおいで。
うん
…なんからんが俺の服着てんの、変なかんじやな
おれもいるまのにおいする
にこりと笑いかけられてうまく自分を制御できなくなった。
この気持ち、もう抑えるの限界だ。
じっとらんの瞳の奥を見つめ返す。
らん
ふたりの間に手をついて自然に距離をつめる。
もう片方の手をらんの顎に添え、ゆっくり顔を近づけていく。
らんがピクリと反応したものの、拒まれることはなかった。
自分の熱い唇をらんの唇に重ね合わせる。
やわらかい感触に、自分がいましていることの重大さを改めて感じる。
いつもは気持ちを必死に押し殺しているから、その反動で大胆なことしてる自覚はある。
でも、もう止められない。
らん、意識してくれてるかな…
そっと唇を離す。
頬を紅潮させてぽやんと俺を見つめてくるらん。
こんなん、可愛すぎだろ…
軽くほほえみながらもふっと視線を外す。
顔が熱い。いつもの俺じゃ考えられないくらい照れてる。
でも決めた。
いまキスした以上、この気持ちは隠さないでさりげなく表にだしていく。
俺のペースで、らんの気持ちにも合わせて、ゆっくり、だけどしっかり伝えたいな…
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