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オレ、スターにはなれないってことなのか…?笑
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今日は久しぶりに咲希と出かけに行く日だ。
オレは自分の支度が終わると隣の部屋の咲希に大きな声で尋ねた。
「咲希ーっ!!支度は終わったのかー?」
「あともうちょっとー!!ごめんねお兄ちゃん!急ぐからもう少し待ってて〜!!」
咲希は焦ったように返事をするとドタバタと音を立て支度の続きに取り掛かった。
数十分後、オレと咲希は家を後にした。
「咲希、今日はどこに行くんだ?」
「今日はショッピングモールでお買い物がしたいんだ〜っ! 新しいヘアアクセが出たみたいだから気になっちゃって!」
「おお、そうかそうか!!ならオレが……」
オレ達はいつものように他愛もない会話をしていた。
赤信号。オレ達は立ち止まっていた。
横からは大型トラックが走ってくる。何も考えていなかった。
だが、そのトラックがカーブを曲がる時にようやく気づいた。
咲 希 が 危 な い
オレは、一気に血の気が引いた。
咲希の手を咄嗟に掴み、オレが前に出る代わりに咲希をオレの後ろへと追いやった。
オレはトラックに跳ねられた。
何も感じないまま、オレは地面に打ち付けられるのと同時に意識が遠のいた。
周りの音も、景色も何もかもがぼんやりしていた。
あぁ、これが”タヒ”か。
神様は酷い。
オレ、まだスターになれていないのに。
神様、
オレがスターに向いてないとでも言いたいのか?
オレがスターになんてなれないとでも言いたいのか?
この世の中は
汚い。
醜い。
オレはそんな世の中が大嫌いだ。
あぁ ありがとう神様
オレを汚いセカイから助け出してくれて
…………でも
最後に お別れの言葉くらいは言いたかったなぁ、 笑
声が、
声がする。
ぼんやり
ぼんやり
聞こえてくる。
何か、 話しているのか?
あぁ、喧嘩か?
怒鳴っている
寧々だ。
寧々の声。
あんなに感情を表に出して喋る寧々は初めてだ
あれは、
えむか?
泣いている?
どうして、どうして泣いているんだ?
あぁそうか。
類と寧々が喧嘩をしているんだ。
馬鹿だなぁ、 笑 あいつら。
えむを泣かしてまで何をやってるんだ
「…ぁ」
声が、声が出た。
何故だ?
オレはタヒんだんじゃないのか?
まぶたが重い。
「司…っ!?」
「司くん…!?」
寧々と類がオレの名前を呼ぶ。
そんなに大きな声を出すな。聞こえているぞ
えむは…泣き止んでないな。
全く…どうしたものか。
「司くん、意識が戻ったのかい…!?」
「天馬さん…!!司が…!!!」
「…咲希は…、無事、なのか…?」
「…!!!お兄ちゃん…!? ごめん…っ…!ごめんね、お兄ちゃん…っ!!アタシのせいで…、こんな…!!!」
どうして咲希が謝るんだ。
泣かないでくれよ 咲希
咲希は1つも悪くないのに。
「……大丈夫だ、咲希。もう、謝らないでくれ…」
「お兄ちゃん…!!!!」
「……えむ、お前も、泣き止むんだ、…大丈夫か…、?」
「司…くん?なん、で…!…ううっ…良かった…良かったよぉ…」
あぁ、
また泣いてしまった…
本当にお前らは世話が焼けるなぁ。
「司くん、もう大丈夫なのかい…?」
「声は…まだ、出にくいが、…目と体が、」
「…!!!」
「……寧々?どうして泣くんだ、」
「お兄ちゃん………。」
「……司くん…あたし達…これから、どうしたらいいの…? 笑」
その言葉を最後に耳にし、オレは
また、ぼんやりと意識が遠のいて行った。
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