剣が閃き、ウサギロボの刃は蛇の鱗を斬り裂いた。黒い血が噴き出し、蛇は苦痛の咆哮を上げる。
「へへっ、ざまぁみろー♪」 萌は満面の笑みを浮かべ、さらに剣を構え直す。「次はもっと派手に――」
その瞬間だった。
ズドォォォン!!
空から何かが降ってきた。いや、”何か”ではない。
「……ッ!? バニーちゃん、緊急回避!!」
萌が叫ぶより早く、ウサギロボは本能的に跳躍。次の瞬間、巨大な黒い拳が突き刺さった。大地が陥没し、衝撃波が駆け巡る。
萌の目が見開かれる。
「な、なに……?」
砂煙の向こう、ゆっくりと姿を現したのは霧島。
ボロボロの黒いコートを羽織り、鋭い眼光を放つ。彼の周囲には、まるで空間が歪んでいるかのような異様な気配が漂っていた。
「……ようこそ、魔境アメリカへ。」
霧島は冷たい声でそう告げた。
「おじさん、急に出てきて何? もしかしてビビっちゃった? 私に?」 萌は挑発するように笑った。だが、内心の警戒はMAXだ。
霧島の気配は、今まで戦ってきたどんな敵とも異質だった。
霧島は微かに笑った。だが、その笑みにはまるで温かみがない。
「……遊びはここまでだ。」
次の瞬間、霧島の姿がかき消えた。
「――ッ!?」
ゴォォォッ!!
突然、ウサギロボの背後に回り込んだ
蹴りが炸裂。ロボットの巨体が吹き飛ばされ、建物をいくつも突き破って地面に転がる。
「ぐっ……バニーちゃん、大丈夫!?」 萌は必死に操作系を確認する。
しかし、霧島は容赦しない。
彼は地を蹴り、一瞬でロボの前に立つ。
「終わりだ。」
霧島の手が黒い波動に包まれる。次の攻撃が放たれれば、ウサギロボは完全に破壊されるだろう。
「……させないっ!!」
萌は咄嗟にポケットから折りたたみナイフを取り出し、飛び出した。小さな体が霧島へと一直線に向かう。
「やぁぁぁっ!!」
しかし、霧島は微動だにしない。
「……遅い。」
ナイフが届く直前、霧島の手が萌の首を掴む。
「ぐっ……!」
宙に浮かされた萌は、必死にもがく。だが、霧島の手はびくともしない。
「花咲萌……。貴様は、ここで終わる。」
霧島の目が冷酷に光る。
その時――
「萌ッ!!」
遠くから、吉田の声が響いた。
「……ほう。」
霧島はわずかに眉を上げる。
吉田の姿は、戦士だった。血と泥にまみれた服、疲労を滲ませる表情。それでも彼の目には、まだ戦う意志が宿っていた。
「よく来たな、吉田……。待っていたぞ。」
「……手を離せ。そいつは俺の仲間だ。」 吉田は静かに言った。
霧島は笑う。
「ならば、奪い返してみるがいい。」
戦いは、ついに最終局面へと突入する――。
コメント
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今回も神ってましたぁぁぁ!!!! 霧島っちやっぱつえぇ、、、どうかあの頃を思い出せええぇ!!!() 萌ちゃんでさえああなってしまうのか、、強すぎる、、、 でも、、よっしーならできると信じてるぞ!!(? 次回もめっっっっさ楽しみいいいいぃ!!!!!!!