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いつも通りの眩しい日差し
「おはよ」
『ん、おはよ』
いつも通りの何気ない会話
なんて事ない日が続く
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僕は同性に恋をした。自分でも気持ち悪いと思う。でも、それでも、あいつのことを見ていると…どうしても顔が熱くなる。どんな顔をしているのか、、自分でも全く分からない。
「おはよー」
『ん、おはよ』
今、僕はしっかり挨拶出来ているのだろうか?不安で不安で仕方ない。
そんな気も知らず、こいつは肩を組んでくる。
「てか今日だるくねー?ホントさ、テストとか滅べよー、」
『ちゃんと勉強しないお前が悪い』
「はー?ひどー、泣いちゃうよ?」
『勝手に泣いとけ、ちゃんと僕は勉強してきたからさ』
「ドヤるなって!なんだよー、仲間じゃないのかよー」
『ふっ、仲間が居るといいね』
こんなくだらない会話をして、何気ない日常を送っていた。そんなある日の放課後、僕はこいつを探して静かな学校を探し回った。
何か歌が聞こえた、聞きなれた歌、聞きなれた声で
あいつは誰もいない教室で、窓に座り歌っていた。いや、ナルシストかよ。と僕は思った。
でも、あいつの歌声はとても綺麗だった。本当に、心の底から思った。風に吹かれるカーテンと共に、あいつは歌っていた。
そこからだ。あいつを…こんな風に思ってしまったのは。恋なんてくだらないと思っていた。ましてや男に恋するなんて、信じられないと思ってた。でも、意識すればするほど気になってしまうものでそこから僕はずっと頭から離れなかった。
関係値はそこそこあった。多分、1番仲のいい友達、、と僕は思ってる。そしてこいつはかなりの美形…彼女が出来たとは聞いた事ない…が告白は何回かされているらしい。しかしその告白はキッパリと断ってる。まぁ僕にとってはいいことかもしれないが。
「ねー、好きな子いる?」
本当に急だった。こいつの家にいつもの様に勉強会(勉強会という名のただの遊び)をしていた時、唐突に聞かれた。内心すごく焦った。でも、、多分、しっかり答えられた。
『んー、今のところは』
「居ないってこと?」
『まぁね、でも、気になってる子は、いる』
あ、間違えたと思った。つい口走ってしまった。こいつの性格上、え?だれっ?!って追跡されるに決まってる。あー、もうダメだと思った。でも、帰ってきたのは信じられないほど呆気なかった。
「…そ、」
聞いてきたくせに、こいつは少し悲しそうに言った。なんなんだ。そんな顔したって教えないからな。
『お前から聞いてきたのに、なんだよその反応』
「別にー?」
ピキっと来た。いつもの気まぐれか?
『はぁ、さては勉強飽きてきたな』
「んふ、まぁそれもある」
『それも?』
なんなんだ…今日のこいつはなんだかおかしい…
「おれさー、今日告白されたの」
『…で?返事はどうしたの』
ズキズキと心が痛む。こんな話、聞きたくない。
「断ったよ」
少し安堵してしまった。お相手には失礼だが。
『…そ、前から思ってたけどさなんで誰とも付き合わないわけ…?』
聞いてしまった。ついにこの時が来てしまった。きっと絶望する、そうに決まってる。
「……」
少しの沈黙の後、口を開いた。
「…毎回さ、告白される度に…思い浮かぶの、」
少し照れてるような、甘酸っぱい空気が流れる。あぁ、こいつの惚気なんて聞きたくもない。でも聞いてしまっては仕方ないのだ。
『…、だれが、?』
恐る恐る。きっとその言葉が似合うぐらい本当に、慎重に聞いた。
「ん、」
…?僕は、今、指を刺されているのか?
『、、は?どうしたの急に…』
「だからさー、毎回思い浮かぶの、!お前の顔がさ、」
『…え?』
理解するのに時間がかかった。こいつのまじで照れている顔、表情、何もかもそういう雰囲気だった。だかこういう場に流されてはいけない。
『その冗談は、面白くない。』
そういって勉強に戻ろうとした。その時、こいつは僕の顔を無理やりこっちに向かせた。
「マジの大マジ、俺ね、好きなの。お前が」
この時、僕は初めて感じた。本当に、本当の恋の感覚を。
今、僕の顔はきっと真っ赤なトマトみたいに赤いだろう。こんな事言われたら嫌でも好きと自覚してしまう。
「男に、、こんな事言われるの気持ち悪いって、わかってる、でも、それでも、」
『僕も』
こいつの言葉を遮りながら真剣に答える。
『僕も、すき、、結構前から…気持ち悪いなんて思ったことない。』
なんだよ、その顔、顔赤らめて、びっくりするような、照れるようなアホずら、僕がきっと初めて見たのだろう。
「…なら、いい?」
『ん…』
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いつも通りの眩しい日差し
「…おはよ、」
『、、ん、おはよ、』
いつも通りの何気ない会話
しかし、確実にそこには今までにない甘酸っぱい雰囲気があった
まだ一線は超えていない。ただちょっと、唇同士が触れ合っただけ
そんな恥ずかしそうな僕たちを太陽は容赦なく打ち付けた。
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補足
『』←主人公
「」←お相手