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そう森へ通っていたある日、帰ると親の姿がなかった。いつもなら家にいるはずなのに今日はそこにいなかった。町中を探していると病院から電話があり、両親がどちらも入院していて危ない状態だと聞かされた。そんな言葉を聞き、 絶望の渦へと浸りながら森へ行った。すると
私がいつもよくいる町全体が見える眺めのいい崖で宝石のように透き通る見た目のした男性がたっていた。
(先客がいたのかー、今日は帰ろうかな…)
と考えているとその男性はこちらへ気づき、こっちへ恋と手招きをしてきた。私は男性に近づき話しかけた。
「あなたは誰?」
相手からすると同じ気持ちだろうが明らかに人間とは容姿が違く美しかったので、聞いてみたくなった。
「君、鶴の恩返しって知ってる?」
私の思っていた返しとは全然違く少し驚いた。
だが私は知らなかったので素直に答えた。
「し、知りません」
その言葉を聞きその彼は話した。
「鶴の恩返しってのは人に助けてもらった鶴のお話で、その人への恩返しをするため人の姿になりその人の家に尋ねていた時うっかり鶴の姿を見られ、鶴は逃げていってしまうという物語なんだ」
私はその話を聞いてなぜだか親近感を覚えた。(もしこの人に私の能力のことを言ったらどうなるだろう嫌がられるかなそんなことになるのなら言いたくない)そう考えていたら、彼は話を続けてきた。
「僕は鶴のように逃げて言って欲しくないから相手が言うまで待つよ」
と話した。それが何故か私に言われているような気がして、涙が出て全部を溜め込んできたものを吐き出した。そうするといつの間にかその男の方に寄りかかり寝てしまった。
(起きたら嫌なこと全部無くなればいいのに)
そう考えながら眠りの渦へ入る。
起きてみるともうすっかり夜になっていた、隣では男も眠りについていて起こさないようそそくさと家へ帰った。すると家の電話からは謝罪の連絡が殺到したなぜだか分からないが、その後クラスメイトたちは引越しこの町を出ていった。
(何故こんなにも急に…?)
全ての謝罪を聞き終え森へ向かった。彼 に話そうと考え崖へ行くと、月の光に輝く彼がそこにいた。やはり人間ではないと感じ私は質問をした。
「あなたは人間?」
その問いに彼ははっきり答えてくれた。
「僕はこの森の精霊王」
(あ、この人のおかげなんだな)
と一瞬で理解出来た。私がありがとうと言い出そうとした時、彼は喋り始めた。
「僕はが君の小さいことからずっとこの森で君のことを見ていた。」
そう聞くと少し小っ恥ずかしいが嬉しさもあった。そんな照れてる私を見た彼は微笑んだ。
私の唯一の理解者であったあなたは今では私の好きな人になっていた。人間と精霊王がくっつけるなんてことは一切ないと思っているのに何故か好きになってしまった。
(どうして…!)
そう思いながら時間だけが過ぎていった。帰り際になり、別れを惜しみながら帰ろうとすると精霊王が後ろから抱きしめてきた。
「お前のくるしんだ姿はもう見たくない、俺と一緒にいてくれ」
そう涙ぐみながら話す精霊王にある意味これが返事になるだろうと思い抱き締め返した。それからは両親は回復し、学校生活も安定し、精霊王と末永く暮らしましたとさ
終わり