「あっーーシンだっ!」
「こんばんは…」
商店街の会合の集まりにシンは呼び出された。
すっかり出来上がった湊は上機嫌でシンを手招く。
湊の隣に座ると
「湊さん呑み過ぎです…」
そう言って湊の持っているコップを取り上げる。
「まだ呑んでねぇって」
「そんなに赤い顔で言っても説得力ゼロです」
「うるせえ…」
「お酒弱いんですからあんまり呑み過ぎたらダメって言ってるでしょ…」
「だからまだ呑んでねぇって」
「じゃあそのコップの中身は何ですか?アルコールの匂いがしてますけど」
「まぁ…ちょっとだけ……笑」
「笑い事じゃないんですよまったく…もう少し自分の身体大事にしてください」
「…わぁーてるよ」
「ごめんね。慎太郎くん」
同じ商店街の1人に話しかけられた。
「いえ…」
「送って行くって言ったんだけど、晃くんがどうしても慎太郎くん呼ぶんだってきかなくて…」
「そうだったんですね…ありがとうございます。湊さんは俺が連れて帰りますので…」
そう言って湊を背中に負ぶると
「何やってんだよシンっ!俺は歩いて帰れるって!!」
「暴れないでください…落ちますよ」
「下ろせぇー!!」
「大人しくしてくださいっ湊さん!」
シンに強い口調で叱られた。
「はい……」
湊は黙ってシンの背中に収まった…
「着きましたよ…」
家に着くと湊を下ろす。
「やっと着いたな!ご苦労さん」
湊は四つん這いになって移動するが手前の部屋の畳の上で力尽きる。
「もうだめだぁ……」
そんな湊の姿を見てシンは大きなため息をついた。
「はああ……笑」
大の字で眠る湊を上から覗き込む。
「まったく…」
そう言いながらしゃがみ込むと頬に手を触れる。
「どんだけ無防備なんだよ…」
ふと湊が手に持っている袋を見る。
ーービンゴ大会の景品。持って行って。
帰り際に渡されたものだった。
そっと湊の手から取り中身を取り出す。
「……んっ?」
摘んで取りだしたのは
「カチューシャ…?」
猫耳の付いたカチューシャだった。
シンは徐ろに寝ている湊の頭に付けてみる。
「…!!」
急いで部屋からペンを持ってくると、起こさないように湊の頬左右に3本づつヒゲを描いてみた。
「……嘘…だろっ…………」
口を押さえて驚愕する。
「………なんだよ…この可愛さは……」
無防備に猫の姿で眠る湊の可愛さにシンは顔を真っ赤にして口元を手で押さえた。
「ふざけんな………」
可愛い過ぎてだんだん腹さえ立ってくる。
「可愛さ振り切って危険レベル超えてるだろ……」
今すぐどうにかしたい気持ちをなんとか鎮める。
「落ち着け………」
深呼吸を繰り返す。
「…ぅ…んっ………シン…?」
湊が目を覚まし、起き上がりながら寝ぼけ眼でシンを見つめる。
「…!!」
……ダメだっ!可愛い過ぎるっ!!
思わず顔を背け首を左右に振り叫び出したい気持ちを堪える。
「お前…何1人でやってんだぁ……?」
まだ酔いはさめていないのか湊は朦朧としていた。
シンは一度深呼吸をして気持ちを落ち着かせると。
「湊さん…」
「……んっ?」
「猫って、どうやって鳴きますか…?」
唐突に湊に質問する。
「はぁ?…何急に言ってんだよ…笑」
「……」
「にぁ〜ん………だろ…?」
手招き付きで真似をする湊に
「もうダメっ!湊さんっ…」
「は?……おいっ!」
シンは湊を押し倒す。
「ぃってぇーな…何すんだよシンっ!」
「湊さんが可愛い過ぎるのがいけないんですよ……」
「ちょっと良く意味が……」
「我慢できそうにないのでここでしますっ」
「はああっ?」
「……」
「離せシンっ!ばかやめろっ…」
「自分がどんだけ可愛い姿してるか鏡で見てください…」
「ここに鏡なんてねぇからわかんねーよっ!」
「じゃ、俺の瞳に映るあんたを見ればいいでしょ?」
「…えっと…」
目を凝らしてシンの瞳を見ようとすると
「んっ………」
シンに口づけをされた。
「何すんだよ!」
「そんな可愛い顔でじっと見られたら我慢できないですよ…」
「お前が見ろって言ったんだろ…」
「撫でていいですか…?」
「ん?撫でて?…さてはお前…俺が寝てる間に何かしたな?」
「………えっと…」
「どけっ!」
湊はシンを払い除けると隣の部屋の鏡を覗く。
「へぇ〜……」
目だけ動かしシンを見る。
「なんだ…これは?」
頬の落書きを指で指す。
「……いや…それは……」
「シン…こっち来い」
「……はい…」
「ペンよこせ」
「……」
「お揃いだな…笑。良く似合ってるぞ。笑」
「俺には似合いません……」
「湊さんのペットにしてやる」
「湊さん専属の?」
「専属?まぁそうだな…」
「なりますっ!湊さん専属のペットに!」
「ん?ん?ん?」
「じゃ、寝ましょう」
「どうした急に?」
「一緒の布団で寝ましょう!」
「はあ?」
「湊さん専属のペットなんですから一緒の布団で寝ますよね?ほらっ行きますよ!」
「お前はゲージで寝てろっ!」
【あとがき】
連載終了で開放感に浸っていたら流れてきた、にゃん拓!
可愛い過ぎて書きたい衝動を抑えきれませんでした。笑
それだけのお話です。笑
コメント
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あのにゃん拓見た時は私も悶絶しました…笑 え、湊さん可愛すぎません!? シンは大丈夫かしら…?
うわあー!! もう最高すぎます!! シンが湊さんの可愛さをくらうとこやばいです!