どうも、朝から「右肩に〜紫蝶々〜」が頭から離れない、あざらしです。
今日は別の話と合わせて2話出します。
多いって……って思った方すみません。
というか今日謝ってばっかりな気が………
これ以上言ったら長くなりそうなので、どうぞ!
今日もまた、アラームの音で目を覚ます。
時間は……………ちょうど7時。まだ全然間に合う。
2階から1階に降りて、冷凍庫から取りだした冷凍食品を温めて朝ごはんをすませる。
祖父母が生前、もし私たちが居なくなったらこれ使ってね、と言って残してくれた貯金を使って毎日の朝ごはんを買っている。
とても申し訳ないから、贅沢な物は食べない。
「家族で食べるご飯って、美味しいのかな………」
両親と最後にご飯を食べた時なんて覚えてない。祖父母は料理を作って持ってきてくれた後、家が遠かったため大変だから帰っていいよ、と言って帰らせた。
だから長い間、1人でご飯を食べている。
「あっ、もうこんな時間。」
時計を見ると時刻は7時半。学校は8時をすぎたら遅刻になってしまう。
近い訳では無いので、急いで支度をする。着替え終わって歯磨きをしていると、インターホンが鳴った。
「ん?あっ、紅輝君だ、」
『おはよ!準備出来た?』
「ちょっと待ってて!」
歯磨きを済ませ、カバンを持つ。ドアの鍵を開けて、勢いよく外へ出る。
「おはよっ、!」
「おはよ、紫月君!」
「ごめんね、遅くなっちゃって…」
「いやいや、全然!間に合うから大丈夫だって!それよりさぁ、今日一緒にご飯食べよ!」
「えっ、あ、うん!」
「今日は、えーっと………初めて一緒にご飯食べた記念日!」
「は、初めて一緒にご飯食べた記念日??」
「うん。初めてでしょ??」
しばらくぽかーんとしていたら笑いが込み上げてきた。
「ふ、ふふっ、なにそれw」
「えぇ〜、なかなかいい名前じゃない??」
それを聞いてまた吹き出してしまった。
こんな幸せな日々がいつまでも続けばいいなぁ。
色んなことを話してるうちに、あっという間に学校に着いた。
「じゃあまた昼休みね!」
「うん!」
そうしてオレたちは各々の教室へ行った。
「よし、全員席についたな。いまからHRを始めるぞ。まずは、このプリントを後ろに回してくれ。」
回ってきたプリントを見ると、どうやら部活の入部届のようだ。
「今日から2週間、部活動の仮入部期間に入る。放課後はそれぞれやってみたい部活に見学しに行くといい。」
部活かぁ。中学の時は特に何も入っていなかったからなぁ。紅輝君は何にはいるんだろう?昼休み聞いてみよう。
そうしてあっという間に時間が過ぎ、時刻は12時。
「はぁ〜やっと終わった!早く飯食いに行こうぜ!」
「おう!」
「ねぇねぇ、お弁当見せて〜!」
「えっ、何それカワイイ!」
昼休みに入ると、何処も彼処も人で賑わう。
紅輝君、そろそろ来てくれるかな…?
「おーい、紫月君!ご飯食べよー!」
「あっ、はーーい!」
カバンから栄養バーと水筒を取りだして、廊下に出る。
「それじゃ、うーん………あっ、屋上に行こう!」
「分かった!」
友達とご飯なんて食べたこと無かったから、すごく楽しみだなぁ。誰かとご飯食べるなんて、な。考えられなかったよ。
「とうちゃーく!誰もいないからのんびり出来るね!」
「景色、きれい……」
「ねっ、いいでしょ!さっ、ご飯食べよう!」
「うん!」
オレは栄養バーを、紅輝君はお弁当を食べ始めた。
「あれ、紫月君それだけ?」
「え、うん。」
「家、1人?ご両親は?」
「え、えと、………」
やっぱり聞かれるよね。正直怖いけど、紅輝君になら言える気がするのはなんでだろう…?
「じ、実は………」
両親が小一の頃に事故で亡くなったこと、それから失うのが怖くなって友達を作らなかったこと、高校に入る前に祖父母が亡くなったことなどを話した。
その話をしてる時、紅輝君は真剣に聞いてくれた。
「そうだったんだ。辛いのに話してくれてありがとう。」
「ううん。オレのほうこそ、聞いてくれてありがとう。今まで誰にも話さなかったから、なんかスッキリしたなぁ。」
正直話をするのは怖かった。その時のことを思い出して自分が自分じゃなくなっちゃう気がして。
なんて思ってたら彼の手がオレの頭を撫でた。
「1人で寂しかったね。よく頑張ったよ、紫月君は。本当に偉いよ。今まで辛かった分、僕が一緒に居てあげる。」
…………………また。
なんでこんなに優しくしてくれるの?オレ、泣いちゃうじゃん。
「…………に」
「うん?」
「ほんとにオレのこと、1人にしない?」
「もちろん。」
「………ありがとう。」
そう言い終わったら涙が出てきた。あれ、オレはいつから涙腺終わっちゃってたんだろう?
「もー、また泣いて!ほら、笑ってって!」
「うん…………えへへ」
「そう、それでよし!ってことで、ご飯食べよっか。僕の少し分けてあげるから。」
「えっ、いい…の?」
「いいって!ほらこれとかどう?ナスの肉味噌炒め。」
ピクッ
「今、なんて?」
「え?何って、ナスの肉味噌炒めって……」
なす……………ナスの、肉味噌炒め…………だって?
「ちょう、だい………」
「どうぞどうぞ。」
「あーんっ………………………わぁ。」
「わぁってw」
「めっっっちゃ美味しい!なにこれ!毎日食べたい!」
「ふふっ、そう言ってくれて嬉しいよ。明日も作ってくるね。」
「やった!ありがとう!!………………え?」
ん?今、明日も作るって、言った?
「え、待って、これ……手作り?!」
「うん、そうだけど。あ、なんならこれだけじゃなくて紫月君の分のお弁当も作ってこようか?」
すっごい……まさか手作りなんて思わないじゃん?
「でも大変じゃない?」
「それだけじゃ栄養不足で死んじゃうよ?だから遠慮しないで!」
そこまで言われたら……ねえ。
「じゃあ、お願いします。」
「はーい!」
キーンコーンカーンコーン
「あっ、予鈴なっちゃった!それじゃあ、また帰りね。」
「うん、またね。」
そうして教室へ戻った。
___授業終了後
はぁ〜今日も疲れたなぁ…………なんて考えていると、すぐに廊下から声が聞こえた。
「おーーい、紫月君ー!帰ろ!」
「はーい、今行く!」
「あのさ、紫月君。その、嫌じゃなかったらさ………毎日一緒にうちで、ご飯食べない?」
「えっ?でも、紅輝君のお母さんたちに迷惑かけちゃうし………」
毎日、って1日3食あるよね?大変じゃないの?友達になったばっかの人に3食分食事を用意するわけ、じゃん?
「そんな事ないよ!昨日、早速友達できたんだって言ったらいつでもいいから連れてきてね!ってすごい笑顔で言われたんだから。」
「でも………」
「心配しなくていいって!………あっ、嫌、だった?」
「べ、つに嫌では無いけど………」
「じゃあ決まり!そうと決まれば早く帰ろ!」
「え、っあ、待ってよ!」
そうしてオレは半ば強引に手を引かれ、彼の家へと向かうことになった。
次回へ続く。
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