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定時のベルが鳴り、皆それぞれ帰る支度をしだす。
「あーっようやく週末よぉ…」
由美がうーん!と伸びる。
「お疲れ様です」
未だカタカタと打ち込みをする名前に、由美は顔を出した。
「残業しそう?手伝う?」
「あ、いいえっ…もうあとコピーしたら…ええとどのフォルダだっけ…」
「やるわよ。じゃないとーー」
「あっ」と皆が小さく囁く。ぱっと名前は笑顔になった。
「裕也さん。お疲れ様です」
くい、と顔を目の前のソファに傾けて彼は座り腕を組む。
「ちょっと名前…これ全部フォルダ違うじゃない…」
「ええっ!ごめんなさ…」
名前はメモを見返す。
「やっちゃったぁ…」
由美は困ったように笑った。
「新卒にそこまで求めてないわよ、また教えるから…」
ちら。と背中越しに座っている名前の彼氏を見る。
「ゆ、裕也さん…間違っちゃった…先に帰ってください…どれくらいかかるか…」
風見は無言で首を振って、足まで組んだ。
「大丈夫ですよーっと」
落ち着かない由美はさっさっと移動させていく。
「由美さんまで…」
「落ち着かないのよっ!公安に見られてると!なんでいるわけ?」
小さく囁く由美に、名前はさらに小さく言う。
「あの…駐車場で前に待っててもらったら…駐車場に出た瞬間、わたし…転んだんです」
「はあ?」
由美は一瞬パソコンから名前を見る。
「そしたら…」
名前はかあ、と赤くなった。
「危ないからひとりにさせないって…いつも迎えに来てくれるんです…なんか…すみません…」
動き出したコピー機に、名前は走っていく。
「(でも今日ももしかして先週みたいになっちゃったらわたし体力が…)」
「手震えてるわよ」
はい、とファイルを渡されて名前は慌ててしまった。
「お!お疲れ様でしたっ」
名前が部署全体に頭を下げると、風見は立ち上がった。
「よいしょ…」
鞄を持ち、カウンターを出るとすぐ鞄を持たれて手を引かれる。
わかりきったように更衣室の前まで行くと、彼は壁に寄りかかった。
バタバタと名前はロッカーから急いで着替える。
小さな鏡で髪をとかし、リップを塗る。
よしっ!と頷いた。が。
「はっ…」
ぴよん。と髪が跳ねる。結んでいたからか、くりくりしても直らない。
「わーん…」
くしでとかしても直らない。ピンもないし…裕也さんを待たせるし…と肩を落とした。
「お、お待たせしました…」
「?」
手で頭を押さえる名前に、風見は素直に首をかしげた。
「あ」
手をどけられ、ぴよん。と髪が跳ねると風見はふっ!と思い切り笑いたそうにするが顔をそむける。
名前はかああ、と赤くなった。
「ゆ!裕也さんっ!」
「悪い…ぶはっ……」
ついに吹き出す風見に、名前は弱々しく顔をしかめる。
「…可愛すぎるんだ…いちいち…」
「!」
「帰るぞ」
少し足を屈めて躊躇いなく口づけてくる彼に、名前はぎゅう!と腕にしがみつく。
「可能性だけでは!」
と捜査本部で叫ぶ風見に名前はびくと肩を縮める。
「証拠がなければこれだけの捜査員を動かすことはできませんーー!」
「(こわぁ~~っ……!)」
名前は腕をさすさすした。激しく言い合う風見と所轄の面々に泣きそうになる。
数日後に迫るサミットの交通規制をする時間のはずが、会場が爆破されたことによりルートが変わる為交通課も召集された。
ふっ、と明かりがつきさっさと出ていく捜査員たちに名前も立ち上がる。
「名前、ルートの地図ホワイトボードに貼ってあるから持ってきて」
階段の下で、同じようにホワイトボードを消す風見に泣きそうな顔で先輩を見た。
「よろしく。嫌なのよ…あいつ」
「由美さんまでぇ…」
うー…と名前はそろそろ降りて行く。
ふ、と風見がこちらを見上げてびっくりする。
がっ!とヒールが階段の先端に引っ掛かった。
「っきゃあああーー!」
転ぶ!と思い思い切り両手をぐるぐるさせたまま目を瞑った。どさっ…という音に目を開けてさらに驚く。
傾けていた顔を風見が向ける。飛び込んでしまったんだ。
名前は真っ赤になって後ずさる。
「ごごっ…!ごめんなさ……か、風見刑事……!」
ゆら、とからだを起こす風見はホワイトボードから地図をとり、丸める。
まだ心臓がばくばくしている名前にそれを差し出す。
「あ…」
すっ、と横を通ったかと思うと、ぽすん。と頭に帽子が乗った。名前は見上げる。
「【どうも】」
「へ?」
風見はふっ、と笑って下を指差した。
この足の開き方じゃーー
「~~っ!!!!」
ぐしゃっ!と地図を握りしめ、勢いよく足をからだに引き寄せた。ばっと振り向くと、ドアは閉まる瞬間だった。
運転している彼をちら、と見る。
クールなんだけど……なんかエッチなんだよね……裕也さん……。
無論、付き合っているからそう見えるだけかもしれないが実際ーー
「なんかついてるか」
びくっと名前は尻を浮かす。
「あ、ちが…今日のごはん何にするのかなぁって…」
「何がいい?」
「うーん…」
彼は独り暮らしの男性のはずなのに、冷蔵庫がすごく綺麗で名前は恥ずかしくなった。冷凍食品大好きなので……。
そして名前が言うほとんどのものを作ることができる。
「…」
「なんだ」
「そ…そうめん…」
「は?」
風見が名前を見る。
「きゅうりとハムとトマト乗ってるやつ…」
ばっ!と名前は頭を押さえた。
「子供っぽいですか!?」
「…いいや」
風見はまた肩を揺らす。
「そのままでいてくれ」
「へ?」
「それなら家にあるからまっすぐ帰るぞ
」
「は!ま、待ってっ…コンビニにっ…」
「ん?」
「裕也さんのも買ってあげます!新商品のプリン…」
ふふ!と笑った名前に、風見はちょっと咳こんだ。
「?」
ただのそうめんのはずが、もらったらしいオクラも乗り豪華な夏の風物詩はとても美味しかった。
「んーっ」
名前はお腹を撫でる。
「裕也さんのごはん大好きですぅ~」
はあ、幸せ……とぼーっとしていてはっとする。
テーブルで手の甲に顎を乗せる風見が、それを見ている。
いつから見てた?名前は赤くなる。
「プリン、この前も買ってたな」
「あ…」
「好きなのか?」
こくり。と名前はもじもじして頷く。
風見は冷蔵庫からーー瓶に入っているものをコト、と名前の前に置く。
「え?これって…」
んん、と風見はまた咳払いする。
「わたしが作った…」
「えぇ!」
「材料は簡単だが…一歩間違えると卵焼きになってしまう。難しかった。食べさせられるものに…するまで。く…口に合うかわからないが…」
がばっ!と名前は隣に立つ風見に抱きつく。
「…っ」
「いただきますっ」
名前は普通に目をぱちくりした。プリンだ。
「美味し~い!100個食べれる!」
「大袈裟な」
困ったような顔で彼は「風呂を沸かす」と廊下を行った。
名前は大急ぎでプリンをかきこみ、皿を重ねてシンクに走った。
やれることがこれくらいしかない。
「おい!」
「へ?」
きゅ、とお湯を出した瞬間、手を伸ばされるが手に湯がかかって理由がわかった。
「あつっ……!」
ばっと名前の手を取り水を出して冷やす。
「…ふぇ…ごめんなさーー…」
「悪かった!」
「…へえ!?」
冷やされながら片手で抱き締められる。
「水ぶくれにならないといいんだが…」
「っゆ、裕也さ…」
かああ、と名前は赤くなる。大事にされすぎじゃない…?
「わたしが洗うつもりだったから…浸けておくんだ…言わなくて悪かった」
ブンブン名前は首を振る。
「も、もう大丈夫ですから!ありがとうございますっ!」
タオルでそっと包まれ、不安そうに見下ろされまだ首を振る。
もしかして元彼女とか亡くなってる?と思ってしまうくらい、彼は優しい。
みんな知らないだけ……。
「ゆ、裕也さんって…お仕事中とぜんぜん違う…」
風見は急にきょとんとした。
「最初見たとき怖すぎて…だ、だから足が絡んじゃって…」
「怖すぎて?あぁ…」
思い出したように風見は斜め上を見た。
「わたしの【上司】のほうがもっと怖いぞ…」
「あの場にいました?」
風見は首を振る。
「知らなくていい」
「?」
2人はショッピングモールを歩いていた。
「あ!」
と名前は通路から指差す。風見はそれを目だけで見た。
「フランスの有名なバス用品メーカーなんです!店舗が少なくて…あと高い…」
「…寄るか?」
名前は首を振ってうなだれる。
「ここでなんか買ったらスカート買えなくなっちゃう…行きましょ!」
「何がよくてここなんだ」
名前は笑って見上げる。
「泡風呂にもなるボディソープがあるんですよ!ラベンダーバニラパチュリっていう香りが大好きなんです…あ、それよりほら!お昼何にしますか?」
キッチンで見つめ合ってしまい、名前はタオルからそっと手を離した。
風呂の沸いた音にふと目をそらす。
「名前」
名前は風見を見上げる。風見も言いづらそうにした。
目の前からぎゅっと胸元に飛び込む。
「か…かざみ…かざみけいじ…」
蚊の鳴くような声に気のせいかと思ったが振り向いて風見はびっくりする。
ざわざわする公安部に、静かにしろと言わんばかりに腕をやる。
カウンター越しから名前が、目元だけ出す形で招いていた。
「何しに…」
風見は下を覗く。す、と膝からラッピングされたーー「この間は…すみませんでした…」クッキーが差し出される。
「…」
「えぇ!」
名前は絶望した顔をする。
「まさかのチョコチップ派!?」
「んっ…」
風見は笑うのをこらえて肩に口元をやる。そういうことじゃないだろ。
「失礼しまぁーす…」
名前は中腰でさっさと見えないように消えて行った。
「なんすか?」
「交通課の名字っすよね?」
風見はその刑事に眉をひそめる。
「なぜ知ってる?」
「可愛いじゃないですか。なあ?」
「天然ちゃん」
「癒しですよ、こんなむさ苦しいとこでは…」
する、と裏からカードが出てくる。まるで小学生が書いたみたいな字。
ぱんつみせてごめんなさい
なまえ
「…」
風見はあきれたように、声を出さずに笑っていた。
「あれ?この匂い…」
明らかに自分の好きなあのメーカーの泡風呂だった。
名前は振り向く。風見が手で浴室に入れ、とやる。2人とも素肌だからだ。
シャワーをひねり、風見が名前の肩から撫で下ろす。
「こっち…」
かあ、と名前はなりながら振り向く。胸の下までさわられて、まだ慣れずびくりと反応してしまう。
ついこの間が彼とは初めてだったから。
「覚えててくれたんですか…」
「ん」
自分にざわ、とシャワーをかけて首を傾ける彼に、どきどきしながら目の前でもじもじした。
「冷える、入れ」
「…わぁー!」
名前は素直に飛び込んだ。ふっ、と泡をやりばしゃばしゃと足を動かす。
「ん!?」
気づけば頭を洗い出す彼に、名前はざばぁ!と上体を出した。
「何してるの!?」
びく、と風見は目を見開く。
「は?」
頭を洗う手を止める。
「頭洗ってるんだ…どう見てもそうだろ…」
「なんで入らないの!?入ろうよ!」
ばっ!と両手を広げる名前に、風見はついにかっと赤くなり目をそらす。
「泡嫌いなの…?」
「ち、違う…」
ざば、と頭から泡を落とすと、風見は名前の肩を下にさげてまた浸からせて背中を押した。
名前の後ろに風見が入ってくる。
ふと名前は振り向いた。
「え?」
片手で顔を覆ってもう片手を振る。
「(…何だろ)」
「き…きみにさわるから……洗ってからにしようと思って…」
かあぁ…となる風見に名前も同じように赤くなっていく。
「ゆ…裕也さん~~……っ」
「わああっ」
名前がばしゃばしゃ泡をするから風見は目をぱちぱちさせる。
「…裕也さん…」
「わっ…!?」
ぴゅ、と水鉄砲された。びっくりするというかあんぐり口が開いた。
目の前でふふっ!と肩を縮める名前。
「えいっ…ほらっ!」
「わっ、よせ…名前…!ばっ…」
「あははっ!可愛い~っ!」
「それはき……」
ばっ、と風見は口を押さえた。
「へ?」
「…なんでもない」
「何~っ?」
ぺと。と名前は胸元に張り付く。
ぴちゃ、と水滴が落ちる。
「大好きです…」
しばらく水滴の音と、むせるような海外のボディソープの匂いがした。
「…裕也さ…」
心臓の音がすごい……。
名前は顔をあげる。
「…今週きつくなかったか」
名前は一瞬止まったが、だんだん赤くなり俯く。
きつかったです。なんか筋肉痛みたいになりました。と言いたいが恥ずかしくて言えない。セックスしてそんなに体力を使うのは人生初だ。
…まぁ、いっぺんに3回もすれば。びっくりした。
でも裕也さん、止まらないから……。
そっと切なそうに名前は見上げた。
「悪い」
かああ、と赤くなる風見。
「その…止まらなくって…」
「あの…」
名前も恥ずかしくなり前を向いた。
「…なんでこんなに大事にして…くれるの…?」
「あの辺りか?」
窓を開けて風見が地図を見てから指差す。
「はい」「わりと近いので車で張り込まなくてもい…」
そばにいる刑事たちが下を向いた。
「ゆーーやさーーん!見回りいってきまーーす!がんばるよー!わっ…」
ぎょっとして風見も下を見た。駐車場でぴょんぴょんしながら満面の笑みで両手を振る名前。
由美に引かれて車に押し込まれた。
「…なんだ」
「いえ」
刑事らは笑いをこらえて戻っていった。
「かざみけいじ…」
また同じ、目だけ出す名前のシチュエーションに風見は咳払いする。
「今度は…」
「お弁当!」
がば!と立ち上がり風見はのけぞる。
「なに笑って…」
左右から刑事らが、開いたそれに顔を隠して肩を揺らす風見に同情する。
「「どっちもごはん…」」
「なああ!」
おかず2つの弁当に、気付いた名前が急いで階段を駆けあがっていく。
「ちょちょ…!」
「へっ!?」
佐藤が悲鳴をあげた。前が見えていなかった名前が降りてくる高木に飛び込んでしまう。
舞ったおかずに、頭にタコさんウインナーをつけた高木が起き上がる。
「え、ちょちょ…なんでなんーー」
名前はどんどん顔をぐしゃぐしゃにしていく。
「うわぁーー!」
名前は大泣きしだす。
「け、怪我した!?大丈夫!」
佐藤が慌てる。
「うわぁーー!裕也さんにあげるタコさんがぁ~~!」
わー!とぽかぽか叩かれ高木はもう困った顔で見るしかない。
「僕が悪いんですかぁっ!?」
「名前!」
はっ!と全員が顔をあげると、風見もはっとして咳払いする。
「…名字…」
「裕也さ…タコさん…」
ひっく、とぼろぼろと泣く名前に、風見は理解したのか高木の頭からそれをつまむ。
「「え」」
高木と佐藤はぽかんとした。あっけなく口にしたから。
「…」
名前の手から半分になったおかずの箱を取り上げる。
「…ありが…ふっ……ありがとう」
「ふぇ…あ!待って!裕也さぁんっ!アボカド茶とコーン茶あるのー!」
「うぶっ!」
高木の上を股がって追いかける名前に、佐藤はじと目で高木を見た。
「…見たわね」
「不可抗力でしょっ!」
ついに高木は赤くなって叫び、胸元にあるおかずを食べ出した。
「…よ、よかったぁあ…」
「は?」
ぺた、と床に座り込む名前が段々赤くなっていく。
付き合ってくれ。そう言ったら名前が変な反応をしたので風見も素直に眉をひそめる。
「キープちゃんかと思ってたぁ~」
「キープちゃん?」
なんだそれ。と付け加えるがまぁ、そのままだろうか。
「だって…だいたいコーン茶なのにアボカド選ぶんだもん…変わってるんだなぁと思って…」
風見は一瞬フリーズした。
「…それはただの好みだろ」
「あんっ…なに好き好きアピールしたのに裕也さんなかなか言ってくれないしアボカドだから……」
「だからアボカドは…って」
風見はようやく首を振る。
「へ、返事は…?」
後ろから抱き締められ、湯が揺れた。
「…好きだからだ」
「っ」
名前は首だけ傾けた。
わかったように風見が目を閉じる。
「んっ…」
ちゅ、ちゅ…と唇の音がする。
「今日は…加減する…」
「やっ」
名前はざばりとからだを出して風見に抱きついた。
「いや…好き……」
「名前」
風見の額にちゅ、とキスする。
「~~…」
かあっ!と赤くなった風見が顔をそらす。
「からだあら…ひゃっ」
ざば、と名前を抱き椅子に下ろす。
「あっ」
胸から下にシャワーが流されてそこに来たときもぬるん、と躊躇いなくさわって流していく。
「か、髪洗わなきゃ…」
「明日でいいーー」
「なんで…?」
耳打ちされた言葉に名前はばっ!と浴室を出る。
大慌てでタオルをぐるぐるし、鏡を見た。
「(暗いから大丈夫!?祈るっ…!)」
中途半端に落ちたメイクに、軽く顔を拭いて寝室に走った。
…はやく抱かせてくれ……名前…
「はあっ…」
名前はベッド脇に座り、胸を押さえた。
「ひゃあ!」
両腕を押さえられ、ばさっ、とベッドに倒される。
「えぇ!ゆ、裕也さぁんっ…」
明かりを助けを求めるように見る。
「よく見たい…」
にや、とされ名前は顔を覆う。
「うそ~っ」
ぱ、と手も外される。
「あんまり見ちゃだめ…」
ぎゅうと名前は目をつむる。
「…なんでだ」
「だ、だってメイクも落ちてるし汗もかいてるしっ…」
「関係ない」
名前は恐る恐る目を開けた。ふふっ。と風見が微笑む。
「いつも…可愛いよ、名前」
「~~あ…!」
バスタオルを外され、名前はキスの嵐にどんどん力が抜ける。
「はん…っん…む…ゆっ……」
「はあっ…」
「あっ…」
むにょ、と胸が形をぐにぐにと変える。
「ゆぅ…あ」
くりくり先端をさわられ、れろれろと舐められる。
「きみの胸は…形がすごくいやらしいな…」
「あ…ち、小さくてごめんなさ…」
風見はまたキスした。
「君のじゃないと…興奮しない。大きさなんか関係ない…」
「あぁっ…そ、そんなに舐めちゃ…」
頭が……と名前は目がとろんとしてくる。
気持ちいい……。
する、と風見が腹を撫で下ろし膝に手をかける。
「あっ!だ、だめ!」
「なんで?」
「ちゃんと洗ってないもん…!」
「君の味が好きだ」
「~んああ!」
かあっと赤くなりながら名前はのけぞる。じっくりゆっくり彼は迫ってくる……だから余計、快感に耐えられない。
「あ、あっ、あ…」
舌が動く度に声が出て名前は足先をぴくぴくさせる。
「ゆ、やさ……ぁ」
弱々しく頭を押す。
「ん…」
「裕也さんの…」
まっすぐピンとしているそれに、名前はさらに熱い吐息を吐く。
「…してくれるのか?」
「うんっ…」
そんなこと言う男性初めて聞く。経験がないわけじゃないからわかる。男性は自分が気持ちよくなるためにセックスする人が多いから。やって当たり前、のような態度。なのにーー…
「顎が疲れるから無理しないでいい」
頭を撫でられ、名前はこくりとする。
「あ…」
むっ。と口にするとだいぶ大きい。
「んっ」
ぴく、とする彼に名前はずる…とさらに奥に咥える。
ああ…むせ返るくらい裕也さんのにおい…からだがむずむずする。
「んっむ…ぐ…」
ぐちゅぐちゅ音が鳴り、頭を動かす。とくんとくんと動く彼がわかり、名前はもっと激しくなる。
「っ…名前…」
「はあっ」
口を離すと糸が引いた。
「おっき…これ入っちゃうんだよ…?」
わたしの中に、ぜんぶ……。
風見は名前をまた押し倒す。
「入らないぞ…これ以上大きくなったら…」
名前は風見の首に腕を回す。
「入るよ…裕也のは…ぜんぶ…」
風見はひゅっと息を吸い込んだ。
「…いくぞ」
「んっ」
はあっ!と名前はのけぞる。ずぼ、と先端が入る。もう入ってしまう。
「やああ…!」
初めて知ったけど……大きいとそれだけで気持ちいいんだなって。
これで暴れられるから……。
「…痛いか?」
「ううん…気持ちいい……気持ちいいのぉ…」
とろ、と名前は顔をみせる。
「動いてえっ…」
「加減すると言ったのに…」
君のせいで無理だ。風見は両手をあげさせて掴み、段々腰を揺らしていく。
「あ、あっ、ゆ、おっぱいしてぇっ」
「っ…バカ」
「ふあああんっ!」
胸を舐めるときゅんきゅん中が締まる。
はあ!と風見を天井を見た。ぐいと引き戻される。
「!?」
そのまま風見がひっくり返り下になる。
「ふぁああ~~っ…」
名前が上で顎下に両手をやって真っ赤になる。
「名前!」
「奥にすごいよぉぉ~…んん~…」
名前は腰を上下しだす。
「お、おいっ…あんまり…っ」
風見が腰を押さえるがこちらも気持ちよくて力が入らない。
「あっ…やーーイクっ…裕也さ…」
風見も同じだったから、下から突き上げた。
「「あああ!」」
2人してぐぐ、と力が入る。
「ふっ…んんっ…」
ビクビクとしている名前がばたりと胸元に倒れてくる。
「っはあ…はあ…」
名前を抱き締めて額にキスする。
「あ…」
「…無理しなくていい」
「裕也さん…すき…」
すりすりと胸元でする頭ごと風見は抱いた。
眠そうな名前に、バレないようにまた硬くなりそうなそれをそっと抜いた。
名前が目を覚ますとパジャマが着せられており、時計を見る。9時過ぎ。
「そっか…あのあと寝ちゃって…」
キッチンから音がしてはっと名前は洗面所に向かう。
さすがにメイク落とさないとーー!
はっ!と石鹸の横に小さなクレンジングと化粧品、歯ブラシがあった。
物凄い勢いでいろいろなんとかしているうち、これは…ベーコンのにおい?がしていた。
たたたた、と音がして風見は廊下に目をやる。
「うわあっ…」
走ってきたから滑りそうになる名前が、しゃっ!と敬礼する。
「お、おはようございますっ!」
風見は少し笑う。
「…座れ。眠れたか?」
「うん」
名前はたったと置かれた皿を見た。
「…右からスクランブル、目玉焼き、卵焼き。どれだ」
名前は3つを見てから、満面の笑みを見せた。
「ぜんぶ!ふふっ!」
「ふっ…」
風見は一瞬きょとんとしたが、素直に笑った。
「ゆ…」
「ははっ…敵わない」
「?」
すっ、と風見は名前を引き寄せてキスした。
君はわたしのーー可愛い可愛い天然ちゃん。
誰にもーー
すっ、と風見は皿を引く。
「ええ!」
「ひとつにするんだな」
「やぁ!裕也さんずるい!3つから聞いたのにー!」
ばたはたと手を伸ばしてくる名前に、風見はまだ笑い続けた。
誰にもーーやらない。