微睡

向井は街に出て色んな写真を撮る。

だが、納得する写真は撮れない。

フィルム代もバカにならない。

撮りたくても撮れない。

渡辺さえ撮らせてくれたらなぁと思う毎日だ。

グループでの仕事の時。

向井は佐久間と一緒になって、はしゃぐことが多い。

渡辺は目黒やラウールと話してることが多い。

渡辺は、目黒にもたれている。

ラウールに頭を撫でてもらっている。楽しそうにしてる。

向井の胸がチクっとする。

いい顔をしてるからだ。

自分といる時にあんな顔見せてくれることあるだろうか？

ちょっと寂しい向井だった。

目黒ーはい、しょっぴー終わり。

渡辺ーん？

目黒ー康二が寂しい顔してたよ。

ラウーめめ、ワザとだよ。

目黒ーワザと？

ラウー寂しがりの康二くんにワザと見せてるの。

目黒ーしょっぴー、何で？

渡辺ーふふふ、さてね。

目黒もラウールも渡辺の考えは分からない。

ただ、向井が可哀想だと思うのだ。

時々、渡辺はこういうことをしてくる。

向井に見せつけているようだ。

渡辺が向井と一緒に家に帰って来た。もちろん向井の家だ。

晩ご飯を食べて、まったりしている。

向井ー翔太くん、明日は？

渡辺ー昼から。

向井ーシャワー浴びてくる？

渡辺ーん。

熱い夜を過ごす2人。

この日、渡辺は泊まっていた。

朝、向井がカーテンを開ける。

朝陽が差し込み、渡辺に光が注がれる。

柔らかい光の中、微睡む渡辺は何と言えばいいか分からないくらい綺麗だった。

向井は、そっとベッドから降りてカメラを取りに行く。

渡辺を撮る、だが戻ったら渡辺は起きていた。

寝ぼけていたが、さっきまでの写真に撮りたい渡辺はいなかった。