注意事項
・この作品はwrwrd様の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・検索避けに協力してください。
・軍パロです。
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後輩と新人が戦争で負傷をし、意識不明の重体。
それは、A国の宣戦布告から始まった。
戦いにはW国が勝利を収めた。
A国は白旗を出し降参したのだ。
それに油断してしまったのかもしれない。
新人が物資を運んでいた所、残っていたA国の兵士が後輩を刺しているのを見つけた。
後輩は、腹から血を流し、倒れ込んでいた。
新人は慌てて駆け寄り、兵士から後輩を守った。
その代わり、今度は新人が刺されてしまった。
なんとか書記長がその現場に駆けつけ、2人を助けたのだが、2人とも重症だった。
新人が目を覚ましたのは、それから3日後だった。
怪我も治りつつある。だが、壊れてしまったのが1つあった。心だ。
新人は、元々繊細な心の持ち主であり些細なことも気にしてしまう。
後輩にもっと早く駆けつけてやればよかったとでも、思っているのだろうか。
話しかけても頷くだけ。
食事は、食べろと言うまで食べない。
いつ見ても、ただ座っていて、動いていない。
新人の隣に寝ている後輩は小さく呼吸をしていた。
その呼吸音を、ずっと聞いているのだろうか。
彼の笑顔は、もう見れないのだろうか。
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sn『ciが居なくなった。探してくれ。』
インカムでそう伝えられた時、utは凄く動揺した。
慌てて軍基地内を探し回り、汗を流した。
見つかったのは、幹部棟の倉庫。
奥の物陰でちょこんと座っていた。
utは静かに近寄り、横に座った。
ut「どうしたん、こんな所で。」
尋ねてみると、やはりciは答えなかった。
ut「うーん。隠れたくなっちゃったん?」
「shpが起きないのが、怖くなっちゃったん?」
ciは小さく頷いた。
utは自身のコートをciに掛けて、インカムでsnを呼んだ。
snが来る間、ciの背中を摩ってやった。
小さくて、震えている背中を。
sn「よかった!!こんな所におったんや!!」
snは車椅子をカラカラと引きながらやってきた。
ciをゆっくりと車椅子に座らせ、ブランケットと膝にかけた。
sn「ありがと〜。助かったわ!!」
ut「いいえ〜。」
sn「よし、ci戻ろうか。」
そう言って、車椅子を動かそうとすると、ciはutの手を取った。
眼鏡越しだが、震える瞳は何かを訴えていた。
ut「…sn、ci僕の部屋に連れて行ってもええかな?」
sn「え?…まあ、別にええけど。」
ut「よし、ci行こっか。」
握られた手を、ciの肩にポンと起き車椅子を動かす。
ciは小さく息をついて、ブランケットに手を置いた。
sn「…じゃあね。ci。大人しくしててよ。」
こくり。
頷いたciは、もう一度utを見つめた。
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ut「ci、shpを見たくないんだよな?」
尋ねると、ciは頷いた。
恐らく、shpの呼吸音が途切れるのかが怖いのだろう。
もし、消えてしまったらciのことだ。
何もかもが壊れてしまうのだろう。
ut「僕には分かるよ。ciはshpが好きやもんな。」
「だからこそ、今は一緒に居たくないんよね。」
ciはutに車椅子で運ばれながら頷いていた。
ut「でもね、きっと大丈夫やで。」
「あの子のことや。寝坊助なんよ。」
utはくすりと笑いながら話を続けた。
ut「お前らはほんま仲良しやからね。」
「まあ、僕とknには適わないかもな。」
ciは顔を上げてutを見上げた。
ut「僕らは、意識無くなった時同時に目を覚ましたんよ。な?仲ええやろ〜??」
ci「…。」
ut「ああ、同時に目を覚まさないから仲悪い言うてる違うよ??ふふっ。んなのたまたまやしな。」
「でもな。お前らはお互いを助け合うくらいに仲良しやねん。僕らは絶対に助け合わんからな。」
そんな話をしていると、knがやってきた。
kn「おー!!ci!!何処におったんや!!」
ut「おう。ciも今頑張ってんねんで。」
kn「大変やなあ。shpくんもはよ起きて欲しいわ!!」
「まあ、あいつは寝坊助やから!!たっくさん眠っとけ!!はっはっは!!」
knは腕を組んで笑った。
ciはそれを見て、頷いた。
早く起きて欲しい。それだけ。
ut「んでもさ、kn。ciとshpって仲良しやんな」
kn「せやね〜。俺らとは違う仲良しやな!!」
ut「そうそう!!」
kn「俺らは、相棒!!お前らは親友!!みたいな?」
ut「捉え方によっちゃ、ほぼカップル(笑)やで。」
ci「…?」
首を傾げるciに、2人は笑いあげた。
kn「まあ、2人はすれ違いが起きとるっぽいけどな。思っとる以上にお互いはお互いを愛しとると思うで?」
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sn『ごめ~ん。ciくんがまた居なくなった。見つけたら教えて~。』
utはいつも通り、倉庫に向かう。
あの日から、ciはよく逃げ出すことが増えた。
足はまだ完治してないのに、よく逃げること。
utはちゃんと理解してあげている。
shpがまだ目を覚まさないんだ。
それはどんどんciにプレッシャーをかけているようなものだ。
倉庫の扉を開ける。
いつもciが座っている場所だけ、埃が無かった。
そして、姿も無かった。
少しだけぞわっと背筋が凍った。
kn『屋上!!ちょ、誰か来て!!』
knの声が耳に届く。
インカムから、凄く焦ったような声が聞こえた。
utはすぐさま走り出し、階段をかけ登った。
屋上には、knと、knに抱き寄せられて倒れるciがいた。
ut「ci、こんな所におったん。」
kn「ああ…フェンスを超えた、あの隅のとこ。」
knが指をさす。
落下防止用のフェンスの先の、ちょっとした隙間の角。
そこに座っていたらしい。
足は空中をぶらんと垂れていて、いつもの用にぼーっとしていた。
ci「…。」
kn「ci、大丈夫やから。shpは起きるで。」
ut「ほら、寒かったやろ。これ掛けぇ。」
煙草の匂いが着いたよれよれのスーツをciにかける。
ciはじわりと涙を浮かべて、もっと丸くなった。
そんな背中をknが摩ってやった。
ci「ぐすッ…ぅ"。」
久しぶりにciの声を耳にする。
それは、望んでは無い形でだけれど。
sn「ごめん。ありがとな。」
snがやってきた。
持ち上げていた車椅子を、ゆっくりと置く。
それから、後ろを振り向いた。
それに続いて、utとknもそちらを向く。
ああ。やっと起きたのか。
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カラカラ。車椅子の音が近づく。
どうせまた、俺を連れ去るんだ。
ciは顔を両手で抑えて声を殺した。
ピタリとその音は止み、暖かかったknの身体がciから離れた。
寒い。冷たい。
ciはゆっくりと身体を起こし、utのスーツに背中を隠す。
隠れた背中に、ぽんっと手が置かれた。
軽くて、指が細くて、暖かくて。
ciの大好きな手な気がした。
shp「おはよう。」
ふにゃりと笑う彼の顔が、目元を刺激する。
じわり。また涙が溢れそうになる。
ci「…ッ、っ。」
shp「ci、おいで。」
そう言って、手を広げる彼に遠慮なく飛び込む。
いてて、と笑いながらciの身体を抱き締めた。
ああ、なんて暖かいんだ。
最後に触れた時は、凄く冷たかった。
怖かった。悲しかった。
彼の心臓に耳を傾ける。
とくっとくっと一定のリズムで音を鳴らすそれはciの心を暖めた。
ci「……おそいわ、ぼけ…。」
shp「ふふ、いい夢見れたわ。」
ci「…なに。」
shp「ciが、俺をずーっと探してるのをただ眺める夢。」
ci「…なにそれ。」
shp「おもろいんやで。俺も、早くciに会いたくて堪らんかった。」
ciは、いきなり睡魔に襲われた。
そりゃそうだ。shpが寝ている間、ほぼ寝ていないのだから。
でも、寝たくない。
もしも、これが夢だとしたら、覚めてしまうかもしれない。
寝たら、また居なくなってしまうかもしれない。
そう思うと、悲しかった。
shp「寝てええよ。俺が起こしてやるわ。」
うわ、めちゃ話の内容スッカスカ🫥
コメント
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めちゃめちゃ、大好きな物語です!!🫶🫶
この新人組の絡みが尊すぎて絶命しそう😇😇😇