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コメント
3件
うわ、もうこの2人の空気感がたまらないですね……!井口さんの「ツンデレ感」、そして蓮見さんの飄々と受け流す感じが絶妙で、読んでるこっちまで笑顔になりました。特に「優しいじゃないですか」「違う」「優しいですよ」のラリーが大好きです。最後の「足取りが軽かった」で、井口さんが本当は悪い気してないのが伝わってきて、すごく温かい気持ちになりました。続きが気になります!
ある日のテレビ局
収録を終えた蓮見翔は、廊下の隅に置かれたソファに座り込み、ぼんやりと台本を眺めていた
「おい」
聞き慣れた声
顔を上げると、案の定そこには井口がいた
「何してんの?」
「いや、次の仕事まで時間あるんで」
「だからって床みたいな顔して座るなよ」
「床みたいな顔?」
蓮見が首を傾げる
その反応を見て井口は一瞬言葉に詰まった
「ほらそういうとこだよ」
「どういうとこですか」
「何言われてもダメージ受けないとこ」
「受けてますよ?」
「嘘つけ」
受けている顔には見えない
蓮見は笑いながら台本を閉じた
「井口さん今日も元気ですね」
「元気じゃねえよ」
「元気そうですよ」
「お前が勝手にそう見てるだけだろ」
いつものやり取り
周囲のスタッフも慣れたもので、誰も気にしていない
むしろ少し微笑ましそうに見ている
それが井口には気に入らない
「なんでお前と話してるだけで俺が優しい人みたいになるんだよ」
「優しいじゃないですか」
「違う」
「優しいですよ」
「違うって」
即答だ
しかし蓮見は納得していない顔をする
「でも井口さん、僕らのメンバー全員の名前覚えてくれてるじゃないですか」
「文句言うためだよ」
「覚える労力の方が大きくないですか?」
「……」
少しだけ井口が黙る
その沈黙を見て蓮見が笑った
「ほら」
「ほらじゃねえよ」
井口はため息をつく
本当に調子が狂う
他の芸人なら何か言えば言い返してくる
だが蓮見は違う
悪口を言われても妙に楽しそうなのだ
「お前さ」
「はい」
「もうちょっと嫌そうな顔しろよ」
「なんでですか」
「こっちが悪者みたいになるから」
「なってますよ」
「お前なあ!」
井口が声を上げる
蓮見は声を出して笑った
その笑顔を見ていると、なぜか井口の方まで笑いそうになる
もちろん認めるわけにはいかない
だから井口はわざと顔をしかめた
「次の収録行くぞ」
「まだ時間ありますよ?」
「いいから」
「なんでですか」
「お前といるとペース狂うんだよ!」
そう言って先に歩き出す
数秒後
後ろから足音が聞こえてきた
振り返らなくても分かる
蓮見がついてきている
「なんで来るんだよ」
「暇なんで」
「帰れ」
「同じ番組ですよ」
「最悪だな」
「そんなこと言わないでください」
そう言いながら隣に並ぶ
井口はまたため息をついた
けれど、その足取りはどこか少しだけ軽かった