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「だいぶ暑さもましになってきたから、帰っても大丈夫よ」
「はい」
ちょうど部活も終わった頃だろうか。
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「あら、さっきの子じゃない」
「あ、すいません」
よく聞く声だ。
「大丈夫?」
「、、宇治、なんで知ってんの」
「駆けつけた先生、青井先生だったでしょ」
そういえば、部員の子が呼んできてくれた先生、美術部の顧問だった。
「先生に用あって探したけど居なくて、先生戻ってきた時に聞いた」
「そうなんだ」
「体調は?」
「良くなったよ、もう大丈夫」
「そう、なら良かった」
宇治はかばんを背負っていて、帰るタイミングで来てくれたようだった。
「わざわざ来てくれるなんて優しいわね」
保健室の先生が笑って言った。
「いや別に、ついでに来ただけなんで」
「ふふ、そうなの」
「紫乃!!紫乃大丈夫!?」
勢いよくドアが開いた。
「紫乃生きてる!?」
空と玲花の声だ。
「幡中さんいますか?」
佐倉くん、だろうか。
「じゃあ俺帰るね」
宇治は側の椅子から腰を上げた。
「あれ、宇治なにしてんの」
「ちょっとタオル貰いに来ただけ」
扉が閉まる音がした。
「紫乃〜心配したよ〜」
「もう大丈夫?」
「大丈夫だよ」
空と玲花は安心の表情を浮かべた。
「幡中さん、無理しないようにね」
「うん、ありがとう」
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「ほんと気をつけてよ、最近すごい暑いから」
「大会もうすぐだから。でも気をつけるね」
玲花が買ってくれたスポーツドリンクを持った手が冷える。
「空ちゃんが教えてくれてよかったよ」
空が玲花に私が保健室にいると伝えてくれたらしい。玲花と空は同じ中学で、2年間同じクラスだったと聞いたことがある。
「、、うじ、、あ〜、ううん」
「ん?」
「いや、あの〜あ、上岡!空ちゃんから聞いたとき上岡も連れて行こうと思ったんだけど先生と話してたからさ」
「あ、そうなんだ」
「でも佐倉くんも来てたから上岡いたら気まずくなりそうだし良かったかな」
玲花はうんうん、と一人で頷いた。