テラーノベル
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薄い光がカーテン越しに差し込む中、最初に腕を動かしたのは──すちだった。
もう幼い姿ではなく、いつもの大人の姿。
ゆっくりと目を開けたすちは、胸の中にいるみことを確かめるように抱き寄せる。
みことの寝顔を見つめたまま、息を落とす。
「……みこちゃん。俺の唯一」
囁くような言葉に、自分で胸がいっぱいになったのか、 すちはそっとみことの額にキスを落とし──そのまま唇へと重ねた。
最初は触れるだけ。
けれど、長い夜を取り戻すように、みことの唇を深く、丁寧に吸い寄せる。
まだ眠っているみことの唇が、呼吸を逃すたびにわずかに震える。
すちの温かい舌が触れた瞬間──
みことの体がぴくりと震え、意識が浮上していく。
「……ん、……すち……?」
目を開けたみことは、間近にある大人のすちの顔に驚く。
けれど驚きより先に、 すちの深くて甘いキスに、頭の中が一気に溶かされていく。
酸素が足りなくなって、軽く息を吸おうとした瞬間も、 すちは離れたくないように唇を追いかけてきて、 みことはきゅっと目を閉じて受け入れた。
舌の温かさ、息の熱さ、 腕の力強さ──全部が懐かしくて、全部が安心で。
みことの頬はすぐに赤くなり、 すちはその様子が愛おしくて仕方ないように、さらに深く口づける。
みことの唇を味わうようにゆっくりと角度を変え、 舌を重ねては絡め、また深く招き寄せる。
逃げ場をなくすように口づけが続き、 みことはすちの腕の中で息を吸うタイミングを失っていく。
「……っ、すち……っ」
苦しさより、 すちの舌の温かさのほうが先に脳を支配してしまって、 みことの思考はふわふわと白くなる。
すちは、みことが軽く震えた瞬間に わざとゆっくり、甘く舌を絡め直す。
限界ぎりぎりまで、 みことの息を、意識を、全部奪い続けるような深さで。
やっとのことで唇が離れた瞬間──
「……っ、ぁ……すちぃ……」
みことはとろけた目のまま、 ほとんど無意識にすちの服を掴み、 すちの唇を追いかけて求めてしまう。
その必死さがあまりにも可愛くて。
すちは息を殺すように笑い、みことの頬に触れた。
「……ほらね。やっぱり可愛い」
囁いた声まで甘くて、 みことはまた頬を赤く染め、胸の奥がきゅっと熱くなる。
すちは再びみことの唇をつかまえるように重ねた。
今度はゆっくり、けれど逃がさない強さで。
みことは受け止めるしかできなくて、 すちの舌に導かれるたび、体の力が抜けていく。
2人の呼吸が混ざって、 朝の静かな部屋に、かすかな甘い音だけが重なっていった。
すちはみことを胸に抱き寄せたまま、 ゆっくりと体温を馴染ませるように呼吸を合わせる。
みことはすちの腕の中でぽやっとしたまま、 さっきまでの長いキスの余韻に浸り、時折小さく息を吸い直す。
すちはその様子が愛おしくてたまらず、 みことの髪を指先で梳きながら囁いた。
「……みこと、聞こえてる?」
「……んん……ほぇ?…」
返事が甘く緩んでいるのが可愛すぎて、
すちは思わず微笑む。
「みことはね、俺の最愛で唯一。 誰より優しくて、誰より頑張り屋で…… 誰より可愛い」
囁きは息が触れる距離で、 まるで耳の奥に直接落とされるみたいに深く響く。
みことは恥ずかしそうに肩を震わせ、 すちの胸にぎゅっと指を食い込ませた。
「……そんなこと、急に……」
「言うよ?」
すちはすぐに返す。
「みことが自分を軽く見ようとするたび、俺は全部上書きしたくなるんだよ。 本当のことだけ覚えててほしいから」
みことの視線が揺れ、 そのまま自然とすちの方へ吸い寄せられる。
すちは逃げないように頬を包み込み、 鼻先をそっと触れ合わせる。
「俺は、みことの笑った顔が大好き。 困ったときに眉が下がる顔も、俺を呼ぶ声も……ぜんぶ、愛してる」
その言葉はとてもゆっくり、 みことの心にしみ込むように落とされていく。
みことはこらえきれず、 すちの胸にまたぎゅっとしがみつき、 小さく震える声で返した。
「……そんなふうに言われたら…… すちのこと、もっと好きになっちゃう……」
すちは嬉しそうに腕の力を強める。
「いいよ。もっと好きになって。 俺も、いくらでもみことを好きになるから」
2人の呼吸がまた一つになるほど近く、 すちはみことの額にそっと口づけた。
すちはみことを胸に抱いたまま、 指先で背中を撫でる。
みことはすちの胸に額を寄せ、 耳まで真っ赤に染め、息を整えようとしている。
その様子があまりに可愛くて、 すちは少しだけ意地悪く口角を上げる。
「……ねぇ、みこと」
「……な、なに……?」
小さな声で返すみことの耳元に、 すちはそっと唇を近づける。
「愛してる」
みことの肩がびくっと震える。
「ま、まって、今それ……っ」
「うん。愛してる」
もう一度、同じ熱量で。
逃げられないように、囁く。
「す、すち……っ」
みことが恥ずかしさに耐えられず、 胸に顔を隠そうとすると、 すちはその頬をそっと両手で包んで持ち上げる。
「隠れなくていいよ。 ちゃんと見て。 ……みこと、愛してる」
正面から告げられ、 みことの目がますます潤む。
喉がくすぐられたように声が震える。
「……そんな、何回も……っ」
「何回でも言うよ?」
すちはゆっくり顔を寄せ、 みことの唇に触れる寸前の距離で囁く。
「言わせてよ。 みことが照れるの、たまらなく可愛いから」
「すち……ほんと……っ、やめ……」
「やだ。 愛してる、みこと」
キスより甘い声で、またひとつ。
みことは耳まで熱くなり、 すちの裾をきゅっと掴むしかできない。
すちはその指先の震えを感じ取り、 柔らかく微笑む。
「ほら、そんな顔して…… もっと言われたいって、言ってるみたい」
「い、言ってない……! 言ってないよ……!」
「じゃあ教えて。 本当はどうしてほしいの?」
すちはみことの頬を親指でなぞりながら
優しく、ゆっくりと問う。
「俺から“愛してる”って、 どれだけ言われたい?」
みことはもう顔中真っ赤で、 視線を彷徨わせたあと……
ほんの小さな声で答える。
「……すち……の……声……もっと……聞きたい……」
すちは嬉しそうに目を細め、 その願いごと丸ごと抱きしめるように、 みことを抱き寄せた。
「うん。じゃあ言うね」
耳元でそっと、深く。
「みこと、愛してる」
最後、誰ヲ幼児化サセマスカ?
コメント欄ニテ投票開始。
12/21マデデ、イイネ多カッタ子ヲ次回幼児化サセマス。
コメント
6件
(´Д`)ハァ…まじこの作品好き(♡´▽`♡)次回楽しみ(っ ॑꒳ ॑c)ゎ‹ゎ‹(っ ॑꒳ ॑c)マッテル
投票開始(~12/21)