⚠️ご本人様ではないです。
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⚠️この物語はskfn様のMonsterを参考にしてます。
_No side_
夜の雨が、古びた校舎の屋根を叩いていた。
 卒業式の翌日。
 誰もいないはずの学校に、6人の姿があった。
 
 
 
 
 すち、みこと、なつ、いるま、こさめ、らん。
 それぞれ違う方向を向きながら、ただ沈黙していた。
 
 『…….あの約束、覚えてる?』
 最初に口を開いたのは、なつだった。
長い髪を揺らしながら、笑おうとして、 少し震えていた。
『”卒業したら、ここで会おう”ってやつ? 』
みことが小さくうなずく。
『うん。でも…こんな形になるなんて、思ってなかったよね。』
風が通り抜ける。
夜の街の灯りが、ぼんやりと遠くに見えた。
『俺、あの時….止められたはずなんだ。』
静かに言ったのは、いるま。
拳を握りしめ、俯く。
『すちが泣いていたの、見てたのに。 見て見ぬふりして、”大丈夫”なんて言った。』
こさめが首を横に振る。
『いるまのせいじゃない。あの時は、みんな余裕がなかったし…..』
『でも結局すちは____』
その先の言葉を、誰も言えなかった。
沈黙の中、らんがそっとポケットから何か取り出した。
小さな、古い鈴だった。
透き通るような音が、風の中が鳴った。
『ねぇ….これ、覚えてる?』
らんが微笑む。
『みんなで”願いごと”して埋めた、タイムカプセルの鈴』
こさめが目を見開く。
『それ….まだ残ってたんだ。』
『掘り返したんだよ。卒業式のあと、どうしても気になって』
らんは空を見上げる。
雨は少しずつ止みかけていた。
『ねぇ….“また6人で笑える日が来ますように”って、この鈴にお願いしたんだよ。』
その時、誰かの声がした。
『___それ、まだ叶ってないよ。』
振り向くと、そこに”すち”が立っていた。
白い制服のまま、雨に濡れた髪がゆらゆらと揺れている。
でも__その姿は、少し透けていた。
みことの喉が震える。
『….すち、なの……?』
すちは優しく笑った。
『うん。ちょっとだけ、戻ってきた。あの鈴の音がね、懐かしくて。』
いるまが一歩近づく。
『….俺たち、何も出来なかった。ごめん。』
『もういいよ。』
すちの声は、まるで春の風のように柔らかった。
『みんな、ちゃんと生きてた。それで十分。』
『でも、どうして笑えるの?』
こさめが泣きながら問う。
『置いてかれたのに…私たち、まだ苦しいのに。』
すちは少しだけ考えるように目を閉じた。
『うん、私も最初は苦しかったよ。でも、気づいたんだ。』
『”生きる”って後悔を抱えながらでも進むことなんだって。』
雨が止む。
雲の切れ間から、淡い月が覗いた。
『だからね、もう泣かないで。私の事、悲しいままの思い出にしないで。』
『”思い出す”って、それだけで人は優しくなれるんだよ。 』
6人の間に、静かに鐘の音が響いた。
夜の空気を震わせて、どこか遠くから__確かに聞こえた。
『…..この音、聞こえる?』
みことの声が響く。
『うん。』
『うん。』
みんながうなずいた。
すちは微笑み、少しずつ透明になっていく。
『ありがとう。』
『やっと、”約束”が叶ったみたい。』
『またね、すち。』
その言葉に、すちはゆっくり頷き、光の粒となった消えた。
朝が来た。
屋上の手すりには、ひとつだけ残った小さな鈴
それが、風に揺れて鳴る。
6人で交した約束は、確かにここにあった。
すちはいなくても、
“6人で笑える日”は、今も続いている。
スクロールおつかれさまでした🍵
みなさんは分かりましたか?
考察はまたコメントに書いてください!
解説(あとがき)は書いて欲しかったら書くので
たくさんのいいね待ってます!
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