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学院一のモテ男、ライオ・ハーバトリ・ナイトは今生一焦っていた。
目の前に迫るは、一枚の写真を持ち笑みを浮かべている少女。
「ねぇ、君に聞きたいことがあるんだ___」
その笑みは、餌を捕らえた悦びであった。
「見て!ライオ様よ、かっこいいわ!」
「ライオ様に会えたなんて…今日はなんていい日なのかしら」
「ライオ様ー!私と一緒に勉強しよ…?」
女は好きだ、単純で都合がいいから。頼めば何だってしてくれるし、その柔らかい体で欲求不満を爆発させることだってできる。その理由は俺が「純潔の天使」だからだ。
種族混合の奴らや悪魔と違って汚れた血が1ミリも入ってないこの体と家柄、そして俺の美しい顔に女は全員釘付けだ。学園長の孫という理由もある。改めて、俺はなんて幸せ者なんだと考えると、全身が震える。ああ、俺ってやっぱり素晴らしいんだな。
俺の周りは美女だらけ。
俺に逆らえる奴は絶対にいない。
_______はずなのに。
「ねぇ、君がライオ・ハーバトリ・ナイト君だよね。初めまして、それとこれ見て」
いつものように裏庭に呼び出され渋々向かうと、そこに待っていたのは天馬とは思えない鋭い眼光と天魔らしい黒髪が斑らに入るこれまた美しい白髪の女がいた。
制服的に、多分年下だ。
コイツも俺に魅了されちまったか、と手元にある写真を見ると、思わず目を見開く。
「はっ!?な、何でこれが…ッ!?一体どうやって…!!」
一瞬にして、頭が真っ白になった。それと同時に、コイツは何者だ、と言いそうになる。
俺は純血の天使だ。それは、先祖代々天使同士で婚約と取り決め、汚れた血が一切入らないように交配してきたから。勿論俺にも純血の婚約者が居る。
____だから、これは駄目だ。
こんな、俺が“婚約者じゃない悪魔と性行しているとこ”を撮られた写真がばら撒かれれば、婚約者どころか天使の尊厳すら失うことになる。
「ねぇ、君に聞きたいことがあるんだ___」
この瞬間、俺は悟った…。
俺は一生、コイツの犬になるんだと。
「いや〜いいものが手に入った!」
軽快な足取り廊下を進み、ピョンピョンとスキップを繰り返す。その足取りは、行きよりも遥かに軽いものだった。
「悪使パートナー選抜担当教諭、悪魔なんだァ…やっぱり厳しそー!!あー、憂鬱!!」
誰もいない廊下に自分の声が反響する。
これ、側から見たらただの変人なのでは?←
「…でも、これであの子に近づけるね…」
心臓に蒼炎が灯る。左右にユラユラ揺れて、他の臓器をも蝕んでゆく。
「絶対に手に入れる…」
その烈火は、いつしか大災害へと化すものだった。
「…あ、アリサ教室に置いてきちゃった( 」
なはりこの女、アホである()