コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私は今。異世界にいる。
さかのぼる事一ヶ月前。
私。雨野 鈴(あまの すず)は、高校一年生のふつうの女子だ。趣味は読書。読書の中でも特に異世界系が好きだ。髪型は肩に当たるか当たらないかくらいの長さ。誕生日は6月1日。 血液型はO型。性格は「やるべきことはちゃんとやるけど、びびりだし、おっとりしている。」と、よく言われる。
【5月】
いつもどうりに学校に行っている最中。とても綺麗な女の子を見かけた。目はくりっとしていてぱっちり二重。高身長で髪は茶髪。肩と腰の間くらいの長さ。髪をハーフアップにし、結んだところをおだんごにしている。その時は
「綺麗な人だなー」
と思いながら通り過ぎていった。
次の日、ホームルームの時間。先生が
「今日は転校生がこのクラスにきます。仲良くしてくださいね。では、入ってくださーい!」
と、言った。そのタイミングでドアが開く。 すると、こないだ通りすがった茶髪の女の子が来た。
「こんにちは。隣の県から来ました。宮下玲奈(みやしたれな)って言います!趣味は読書と絵を描く事です!これからよろしくお願いします!」
そう言うなりちょうど空いていた私の隣の席に座った。
「名前、なんて言うの?」
聞かれてドキッとしたが、
「雨野鈴って言います。」
そう答えた。
その日の昼休み。お弁当を食べようと、屋上に行こうとすると、
「一緒に食べてもいい?」
と、宮下さんに言われた。少し迷ったが、
「いいよ。」
と、答えてしまった。
私はクラスで少し孤立ぎみだ。特別仲が良い子はいないし、趣味が合う人もいない。別に1人でも楽しいことはたくさんあるけど、やっぱり寂しい時はあるし、私は目立ちたくない。だからこんなに可愛い宮下さんに声をかけられたら目立ってしまう。でも、私は気の弱い方だから、断れなかった。
そして屋上。宮下さんに声をかけられた。
「雨野さんって何か好きなこととかあるの?」
そう聞かれて少し悩んだ。読書は好きだけど、異世界系が好き、そう言ったらひかれてしまいそうで怖かった。だから
「読書が好きかな。」
と、答えた。でも、
「へぇー!私と一緒だね!何系が好きなの?」
そう聞かれてしまった。どう返そうか迷っていると、それに気がついた宮下さんが
「私は異世界系が好きなんだ!ドキドキして、夢中になって夜中まで読んだこともあるんだ」
あはは…と、言いながら言う。だからとっさに
「私も異世界系が好き!」
と答えていた。 その後、2人は話に夢中になり、あっというまに時間が過ぎた。
放課後、「一緒に帰ろう」と誘われ一緒に帰り、トークアプリのIDも交換した。
そこから一ヶ月。宮下さんと仲良くなった。 お互い下の名前で呼んだり、家に遊びにいったりなど、色々な事をした。
そして、6月1日。その日はちょうど日曜日だった。私の誕生日パーティーは、お父さんの会社の都合で時間があわなかったので、昨日の土曜日に行った。
そして、今日。日曜日。異変が起きた。 その日は玲奈と一緒に午前中から買い物でもしよう、と話していて、学校の前で待ち合わせをしていた。
待ち合わせの5分後
「遅くなってごめん!鈴!」
そう言いながら玲奈が走ってきた。
「大丈夫。今来たとこ」
そう言いながら2人で歩き始めた。 その時。ショッピングモールに続く道で異変に気づいた。
「ねえねえ玲奈。なんか今日、日曜日なのに人が全然いなくない?」
「だよね。話に夢中になってたけど、よくよく見れば、人がいない。」
するとその時。強い風が吹いた。2人で手を繋ぎながら、ぎゅっと目をつぶり、必死に風に耐えた。
風がおさまり、前を見ると衝撃の光景があった
ビルがたくさんあったはずなのにビルがない。
コンクリートでできたはずの道路もない。
そのかわりに、土の上に草が生えた原っぱがずっと続いていた。ところどころに枯れかけの木や石、岩、水たまりがある。空は雲が少しだけある晴れだ。
「れ、玲奈…なに、ここ…」
そう言いながら玲奈の方を見ると、玲奈はとても驚いていたが、少し嬉しそうな顔をしていた
「玲奈、、?」
「ねえ。鈴。もしかしてここって異世界とかってない?」
想像もしない言葉が返ってきた。
でも、よくみたらそうかもしれない。 今まで読んできた異世界系の本には全部、今、目の前にある光景と同じことが書かれていた。
「もし、ここが異世界ならさ。ビルの中にあるエレベーターを使ったら帰れるし、エレベーターを使えば異世界に来れるってことだよね、」
そう、玲奈が言った。 そう考えるといてもたってもいられなくなり、2人して周りを探索した。すると。少し先に行ったところにビルがあった。エレベーターがある、ビルが。
「試しに、帰ってみる?」
そう言うと、玲奈も「そうだね。」と、いいながらエレベーターの中に入り、ボタンを押した