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⚠️死ネタ
⚠️太敦?
待ちに待った日。
まるで鉛に繋がれた身体を解き放つ時が来た。
「何もしなくてもいいんだ、!」
これから、何も考えなくても、いい。
傷つく必要も、ない。
己を偽る必要も、ない。
自分を砕かなくて、済む。
「なんて幸せなんだろ、!」
「ね!敦くん!」
笑顔満点で振り返った視線の先には少し不安そうにしているけど笑顔満点の敦くん。
彼は煌びやかなグラデーションの瞳に、珍しい雲ひとつもない青空を映し出した。
「、、!そうですね!」
希望に満ち溢れた声、と言うべきか。
幸せを確定した声、と言うべきなのか。
分からないが、今は
「嗚呼、、」
この気持ちの高揚感。
待っていた。ずっとずっと。気が遠くなるほど。
此処は60階建ての建物の屋上。
今日は、、、敦くんとの心中。
敦くんにダメ元で頼んでみたら、何か心の鎖が解けたみたいに喜んでOKしてくれた。
敦くんもこの時を、待っていたかのように。
嬉しかった。
だって
今日は生きる可能性が無いに等しいから。
何時もは止める敦くんも、今日は一緒に自殺。
今日は非番だから居なくても違和感は無い。
さらに此処は60階。
確実に、死ぬ。
死ぬことが出来る。
「じゃ、行こっか?」
敦くんに手を差し伸べる。
彼は長くなった1部の髪を風でなびかせながらいった。
「此処で、僕の人生が終わるんですね」
心底安心した顔を見せる敦くん。
「そうだよ。、、ねぇ敦くん」
最期に聞いておきたかったことを、直接聞く。
「私は君を救えたかい?」
敦くんは即答した。
「はい。勿論です。何なら今も救ってもらうようなものでもありますし。笑 人生に少し楽しさが見えて、見せてもらってほんとに救われました。」
安心した。
涼しい風が私の心を優しく攫っていく。
「有難いね。」
敦くんは私の手をゆっくりと、優しく包み込んだ。
「自殺ってこんなに楽しい感覚がするんですね、!こんな事なら太宰さんと早く死ねばよかったなぁ、なんて笑」
「私も早く誘えばよかった。笑 こんなに近くにいるなんてね。」
今から、私達の人生の幕は、閉じる。
ゆっくりと下を見下してから、最期の息を吸って。
「じゃ、行こうか」
迷いもなく、今日は飛び降りる。
過去の自殺にこんな高揚感があっただろうか?
否、なかった筈だ。
彼は私の問に元気こたえる。
「はい!」
今、2人の青年は、柵を超えた。
そして。
___ヒュ
優しく、暖かい何かが風を切る音が静かに街に吸い込まれる。
心の鎖が、砕かれていく。
落ちていく度、軽くなる身。
そして2人で祈る。
来世は、
___二度と来ないように
と。