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「花月、なかなか熱が下がらないね。」
あれからみんなが世話しなく動き花月の看病をしている。普段眉一つ動かさない悠夜でさえ、心配そうな顔をしている。
「首元…さっきより斑点増えてる。花月、苦しいか?」
「う…。」
「早く元気になれよ…。」
そっと花月の頭を撫でた。汗ばむ額から熱が伝わってくる。
「劉磨…さん…。」
「花月!?意識はあるんだな…。」
「皆さん…迷惑…かけて…ごめん…なさ…い。」
「大丈夫だよ。今、泰揮が薬持ってきてくれてるから。心配しないでもっとみんなに甘えてよ。」
「あり…がと…。」
花月の瞳からぽろぽろと涙が零れ落ちる。世話が焼けて可愛いやつ……。
「みんな、待たせてごめんなさい。薬持ってきたわ。」
さっきまでの焦っていた泰揮とは違い女口調に戻っている。こんな状況で冷静になれるなんてどんな性格してるんだか…
「咬み後のところに薬を塗れば斑点は消えるわ。花月チャン、ボタン外す…」
「貸せ、俺がやる。」
「……じゃあ、劉磨クンに任せるわ。」
液体状になっている薬を指ですくい花月の首に指をあてがう。
「しみ…る…。」
「我慢しろ、これで楽になれるから。」
「それより、何でこんなことに…?」
「さっき、花月は僕が2階にいたって言ってた。でも僕、ずっとみんなとここにいたよね…?」
「ええ。それに、もし2階に上がっていれば誰かが気が付くでしょう。」
「悠夜、こんな症状今までに見たことあるか?」
「いえ、残念ながら…。ですが先ほど泰揮は言っていましたよね。『早くしないと命にかかわる』と。説明してください。」
みんなの視線が泰揮に移る。一体何を知っているんだ…?
「アタシは知ってる…この症状も、これを得意とする種族も…。」
「種族…ですか?」