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第7章:再会の銃口
指示役の正体を掴むため、モミジたちはある夜、怪しい取引が行われるという寂れた倉庫へと潜入していた。
暗闇の中、足音を立てないように進む3人。しかし、背後から突然、冷たい声が響いた。
「動くな。警察だ」
カチャリ、と銃を構える音が聞こえる。モミジたちがゆっくりと振り返ると、そこには警察の制服を着た一人の男が立っていた。
その顔は、整形手術によって全くの別人になっている。しかし、その鋭い目つきや、銃を構える独特の構え方に、モミジの心臓が大きく跳ね上がった。
「……ダイチ? ダイチなんだろう!」
モミジが叫ぶと、相手の男が目を見開いた。
男はゆっくりと銃を下ろし、信じられないといった様子で3人の顔を見つめる。
「お前たち……どうしてここに……。あのとき、死んだってニュースで……」
「それは俺たちのセリフだよ!」
トウマが涙目を浮かべながら、男の肩を強く掴んだ。「牢屋で死んだって聞いて、俺たち、お前を助けられなかったって、ずっと悔しくて……!」
チヒロが静かに歩み寄り、確信を込めて言った。
「ダイチ、君も同じなんだね。見回りの警察官になりすまして、生き延びていたんだ」
ダイチはしばらく呆然としていたが、やがてその顔に、高校生の頃のような優しい笑顔が戻った。
「そうか……みんな、俺のためにそこまで……」
ダイチがそっと右手を差し出す。モミジ、トウマ、チヒロもそこに手を重ねた。顔も声も全員変わってしまったけれど、重なる手のぬくもりはあの頃のままだった。
「いっしょう、ともだち」
4人の声が重なり、ついにバラバラだったパズルが一つになった。ここから、指示役を追い詰める4人の本当の反撃が始まる。
最終章:いっしょうともだち
すべての真相が裁判で明らかになった。数々の闇バイトを裏で操り、モミジたちの記憶を奪って犯罪に手を染めさせた指示役の正体――それは、高校生の頃に家を出たきりだった、モミジの父親だった。
心のどこかで父親を心配していた自分への悔しさ。そして、何よりも大切な仲間たちを巻き込み、利用し、冷たい牢屋に閉じ込めたことへの激しい怒りが、モミジの心を支配していた。
裁判所は父親に対して最も重い罪を下した。そして、この国に新しく作られたトクベツな法律に基づき、事件を命がけで解決したモミジたち4人が、その判決を執行する「特別執行官」に任命された。
薄暗い執行室のなか、4人は並んで父親の前に立った。父親は最後まで、自分の犯した罪を反省する様子もなく、涼しげな顔のままだった。
「モミジ、僕たちの過去と、ここでお別れをしよう」
チヒロの言葉に、モミジは静かに深く息を吸い込んだ。トウマがそっと背中に手を添え、ダイチが隣で力強くうなずく。
モミジはゆっくりと、法律の正義をのせた引き金を引いた。それは勝手な復讐ではなく、自分たちを闇に突き落とした過去への、正当なケジメだった。激しい衝撃とともに、4人を縛り付けていたすべての罪と因縁が、その場から消え去っていった。
数ヶ月後。
青く晴れ渡った空の下、警察署の前に、4人の笑顔があった。
すべての罪から解放され、本当の無罪を勝ち取った彼らは、今も新しい名前と新しい顔のまま、市民の平和を守る立派な警察官として働いている。
「今日も街のパトロール、気合入れていこうぜ!」
トウマが元気よく声をあげると、ダイチとチヒロが楽しそうに笑う。モミジは3人の姿を見つめながら、心の中で、新しく生まれ変わった自分たちの合言葉をつぶやいた。
(僕たちはもう、何も恐れない。ずっと、いっしょうともだちだから)
4人は並んで、きらきらと輝く街へと力強く歩き出していった。
コメント
1件
うわ、第4話で一気に完結したんだね…! ダイチとの倉庫での再会シーン、銃口を向け合う緊張から「一生友達」で手を重ねる流れがもう涙腺に来たよ。顔も声も変わってもぬくもりは変わらないって表現、すごく好き。そして指示役がモミジの父親だった衝撃…。終盤の執行シーンは重かったけど、最後に4人揃って警察官として輝く街を歩く姿に救われた。新しい顔で新しく生き直すラスト、すごく沁みました。完結おめでとうございます!