テラーノベル
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死にます!
一旦完結です!
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いるまが低く吐き捨てる。
「……は? じゃあここで、
やり合えってことかよ」
なつが小さく呼ぶ。
「……いるま」
「分かってる」
二人の距離が、わずかに縮まる。
互いを守る位置取り。
空気が張り詰める。
その時。
「はぁ……」
すちが、深くため息をついた。
重たい空気を断ち切るような音。
背中に預けていたみことの腕を、
そっと外す。
支えを失い、みことが床へ落ちる。
「……すちくん?」
不安そうな声。
すちは答えない。
ただ、静かに立ち位置を変える。
一瞬。
本当に一瞬だけ。
何かが起きた。
音も、悲鳴も、大きくは響かなかった。
みことの体が崩れ落ちる。
すちがみことの頭を刺したのだ。
#All you Need is—-
同時に――
出口の扉が、低い駆動音を立てて動いた。
ロックが外れる音。
隙間から、外の空気が流れ込む。
少しぬるい風。
すちは振り返らないまま、外へ歩き出す。
背後で、いるまとなつが息を呑む気配。
そして、扉の境界で立ち止まり。
ほんの少しだけ振り向く。
「……悪いね」
それだけ言った。
次の瞬間、視界が白く揺らぐ。
警報音が遠ざかり、
意識が、ゆっくり沈んでいった。
ーーー
目を覚ます。
見慣れた天井だった。
ひび割れた白い天井。
薄く回る換気扇の音。
「……」
しばらく、瞬きだけを繰り返す。
ゆっくり体を起こすと、
世界がわずかに揺れた。
床に足をつく。
――違和感。
視線を落とす。
失ったはずの感覚、片足は
そこにちゃんとあった。
何事もなかったみたいに、
体は元に戻っている。
「……またゴミ出すの忘れちゃったな」
誰に向けるでもない独り言。
いつも通りの朝みたいに呟く。
机の上。
水色に淡く輝く宝石が置かれていた。
すちはそれを手に取る。
冷たい。
光が、指の隙間から漏れる。
目を閉じる。
頭の中に浮かぶ顔。
名前。
声。
途中で消えた人たち。
―― 100秒。
きっちり数えるわけでもなく、
ただ静かに。
目を開ける。
「……バカらしい」
小さく吐き捨てる。
それでも、宝石を握る手は少しだけ
強かった。
助けようとした相手を、自分の手で
切り捨てる覚悟。
迷わないために作ったルール。
もしもの時は――
一番近くのプレイヤーを切る。
みこちゃんを殺したのは
近くにいたから。
決して華奢で殺しやすかったから
ではない。
自分で決めて、自分で守ってきた。
ルールは、感情を削る。
そして、生き残らせる。
宝石を机に戻す。
「……これで28回目」
静かな部屋に声が落ちる。
窓の外では、崩れた街がいつも通り
動いている。
救いなんてない世界。
それでも。
すちは、わずかに笑った。
「俺は、このゲームを99回クリアする」
その目だけは――もう次を見ていた。
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コメント
3件
初コメ失です! めっちゃよかったです、! こうゆうのめっちゃ すきです……!!✨
バットエンドでもなく、ハッピーエンドでもなくのこういうやつがまたいい!生き残ったいるまくんとなつくんも見てみたいな!最高です!