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遅刻ですがポッキーの日なので短編をひとつ
ymkgです
文才なんかありません。
案の定駄文。駄文。
cpはどこかに記載してます。
主はにわかです。解釈違いがあると思います。
※ご本人様には関係ありません。
─────
『ハヤト〜』
「はーい?」
呼ばれて振り返ればルビーのような瞳をきらきらと輝かせた夢追さんが立っている。
どことなく嫌な予感を感じながら、続きを待った。
『今日ってポッキーの日じゃん?』
「…..まぁ、そうですね」
『だからポッキーゲームしよ!』
ほーら予感が当たった。
「…ポッキーゲーム、ですか」
『うん!』
「それって、カップルとかがやるもの…でしたよね?」
『そだよ?別にゆめお達恋人だし…….あ、ごめん。男…ましてや夢追とそんなことするの気持ち悪いよね?ごめんね。ごめんなさい。気持ち悪いこと言ってごめんね、さっきのこと忘れて大丈夫…』
「やりましょう!是非やりましょう!!」
私がそう言った途端に俯いていた顔をパッと上げて嬉しそうな顔をした。彼の細められた赤目と緩んだ口許に心底ほっとする。
夢追さんは何かあると直ぐに思考をマイナスな方に持っていきがちなので少し怖い。この人には自分にもっと自信を持って欲しいのだが。
『じゃあ…』
夢追さんがテーブルに置いてあったポッキーを手に取り、一本抜いて口にくわえた。
『ふぁいっ!』
そうだ、やると宣言したんだった。
『ん”ー!』
若干身長差があるせいか、夢追さんは私の肩を掴んで少し背伸びをしている。可愛らしい仕草ではあるが、私が逃げないようにと手に思い切り力を入れているのは可愛らしく無い。別にあんまり強くは無いが。
『ふゎえへ?』
「…..はい、」
急かされて、躊躇しながらも差し出されたチョコの部分を口にくわえた。
ぽり、さく、さくっ…
………いや、はやくないかこの人
私は一口しか食べれていないというのに、夢追さんがはやいせいで、もう半分もなくなってしまっている。
顔が近い。目が合っているのに耐えきれず、目を逸らした。まあ、それでも視界には必ず映るわけで。
よし、あと少ししたら折ろう。それ以上はもう無理だ。
…さくっ…さくさく…
ここだ!
ある程度のところで、折るために顔を逸らそうとする、が
『らめ、』
「ぅ”…」
両頬を両手で包み込まれては思うようにいかなかった。
折ったらだめ、というふうにジト目で見つめられては、もう為す術はない。
さく、という音が聞こえて目をつぶる。多分あと一口で終わりだろう。
目をつぶって数秒、想像していたような感触も音もなく、恐る恐る目を開ける。
夢追さんは先程見た時から動いてはいなかった。ただただじっと私を見つめている。
そっちが動いて、と言わんばかりにルビーの瞳が細められた。
薄く開かれた唇から覗く赤い舌に、思わず喉を鳴らす。
さくり、音をたてて一口。そうすれば唇に柔らかいものが当たった。
惚けていると、口内に舌が入り込んでくる。思ったよりも長いそれに、上手く息が吸えなくて段々と思考が鈍っていく。
それからまた数秒、軽く背中を叩いて、ようやく離して貰えた。
銀の糸を引き、夢追さんの顔がゆっくりと離れていく。
『ご馳走様でした』
舌舐めずりをしながら、にっこりと笑った夢追さんは、満足そうにその場を去った。
「…ぅ”〜、!!」
赤くなっているであろう頬を抑えながら、その場に蹲り、目をぎゅっと瞑る。
やっぱりやらなければ良かった、なんて思いつつも、私のなかに後悔の二文字はなかった。