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世界征服を目論む組織。
限られた者しか入ることは出来ない。
誰が所属しているのかも
どうやって武器を入手しているのかも
全て不明の組織。
アジトも分からず
所属人数も不明
情報屋も手が付けられないほど何も分からずの組織だった。
「ぐるさん、これ書類。」
「おー…、また俺にやらせるのか。」
「アンタにしか出来へんねん…アホか。」
そう辛辣に言葉を発するのは、赤色のマフラーをつけ、七三分けをした髪型に黒縁眼鏡をつけている総統の右腕兼書記長のトントン。トントンは束になった書類を片手に、総統室の机に手をつく。椅子にぐたっと座り面倒くさそうな顔をしているのは、この組織の総統、金色の髪に銀色の瞳をし眼鏡をかけている、グルッペン。
「なんでこれを俺がやんないといけないんだよ、トン氏でも出来るだろ。」
「あのなぁ…これ所属希望の書類やねん…、まぁ、さらっと見た限り大したやつおらへんかったけど。」
「トン氏がそういうなら俺もいい。見る時間が無駄や。」
そう言って立ち上がれば、もう会議の時間だ、とトントンに呟く。総統室から出ると、少し賑やかな声が廊下に響き渡る。
「ッやーかーらー、ッ僕もう無理やってッ…!!」
「お前しかおらへんねん…大先生…もう残ってんのはお前だけなんや…」
「あーあー…また鬱が犠牲になってる…笑 」
「ほっとけ。ゾムも加減知らんからなあいつ。」
この組織のメンバーが必ず集まる場所、食堂ではいつも通りの光景が広がっていた。青髪に海のような瞳をし、額縁眼鏡をかけている鬱こと大先生。緑のクリーパーの柄がついたフードを被っているゾム。ゾムの手には大量のおにぎりがあり、それを見て大先生は青ざめているようだった。
「はぁ…、ホンマに…お前らいい加減にしろや…笑 」
「ロボロもそんなん言ってへんで、まだ飯食っとらんやろ?」
「シャオロンには言われたあらへんわ…この前2日間ぐらい飯食っとらんかったやろ」
「それは任務で…まぁしゃあなし…笑」
天の紙を顔につけ、オレンジ色の着物を着たロボロ。茶髪の髪はボブできっちり切りそろえられ、黄色のオーバーオールを着ているシャオロン。そのふたりはいつも隣にいるようで、苦言を吐きながらも楽しそうに笑っていた。
「ほらお前ら、今日が会議なの忘れてないか。ここにいるヤツ以外はもう集まってるらしいぞ?」
「はよこんとお前らA国に正面から突っ込んでもらう。」
「ッ嫌嫌ッ、それは絶対有り得へんってとんちぃ…!!」
「嫌なんやったらはよ来ることやな。」
ため息を着きながらもトントンの顔には笑顔が零れていた。
いつの間にかトントンの後ろにいたグルッペンはおらず、もう会議に向かっているようだった。
その顔には、笑顔がなく。暗い表情だけが見てとられた。
「~~~~~、ということで…、今回は大規模な戦いの前の前哨戦だ。気を引き締めて行くように。」
『ハイル グルッペン』
全員がそういえば、会議室からぞろぞろと人が居なくなっていく。残されたのはグルッペンとトントンのみ。グルッペンは椅子にもたれかかりながら頭をかかえていた。
「…今回の戦いでタヒ人が出れば…、次回の戦いは敗戦になるだろう。」
「…まぁ…、それはそうやろうな。A国との優良な関係を築くためにも、B国に勝たないと、今後の俺たちはない…と。」
「勝ったとて、B国はしぶとい。どうせスパイでもなんでも送ってくるだろう…、まぁアイツらに注意はしておくが。」
「…今回は、絶対失敗しない。」
そうグルッペンが呟けば、会議室から出ていく。残されたのはトントンのみ。トントンは眉をよせながら、自分を安心させるように自身のマフラーを掴んでいた。
「…絶対…今回は…助けてみせる。」
そう呟いて会議室をでる。誰もいない会議室には不穏な空気が漂っていた。
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「そっち、二人二時の方向から行っとる。そのまま直進してもええけど、シッマはやっといてくれると後が楽かもしれへん。 」
「了解、そのまま向かってええよな?」
暗い森の中を金髪、空色の目をしたコネシマが素早く駆け抜ける。横目で2人の人間を確認すれば、木の上にタンッ、と飛び乗り銃を構える。銃声が森の中を響き渡り、木から飛び降りれば目的地のB国へ向かう。
「ショッピ、俺たちは裏から回り込む?」
「そうやね…、チーノは左から、俺は右から回り込むわ。」
「りょーかいッ…!」
空色の髪に、橙色の瞳をしたチーノは左側から、紫色の瞳にヘルメットを被るショッピは右側から回り込む。その後ろをシャオロンとロボロが追いかけていた。
「ーー、はぁ…、ひっさしぶりの戦場疲れるわ…、やっぱ私には向いてへん…。」
「ほらエミさん、そんなこと言わんといてくださいよ笑俺だってあんまり出たことないんだから…笑」
ラテ色の髪に純白の目をしたエーミールと灰色の髪をしエメラルドグリーンの瞳をしたレパロウはB国の中へ潜入し、敵の配下を倒していた。ぞろ〃とでてくる敵に、弓と銃を構える。
「グルさん、ほら行くで。」
「あぁ、勿論。」
B国の門が開けば、城の中から敵が出てくる。トントンは剣を構え、グルッペンは両手に銃を持つ。グルッペンはにやりと笑えば走り出した。
〜〜〜〜
「うげ…血の匂いしかせんやん…、早く風呂はいろ…」
「あのなぁ…グルさんが前に出てどうすんねん…。総統がタヒんだら終わりなんやぞ。」
「だって…久しぶりだったし…」
そういえばすぐに風呂へ向かうグルッペン。トントンは医務室に向かう。
「今回怪我したのは…エミさんとレパロウか…、2人とも気ぃ引いとってくれたしな…」
医務室に着けば、レパロウは椅子に腰をかけエーミールの様子を伺っていた。
「…あ、トントンさん…お疲れ様です…笑」
「ん、お疲れさん…。怪我の状態は?」
「俺は軽い傷なんで大丈夫なんですけど…、エミさんの肩に銃弾が…。」
「…ん…、…ぁ…、トントンさん…。」
身体中に包帯が巻かれ痛々しい見た目をしているエーミールは目を覚ます。ゆっくりと身を起こし、軽く会釈をする。
「エミさん、身体大丈夫か?肩の傷…深かったみたいやけど。」
「大丈夫です、。救急部隊の方たちがすぐに処置してくれたので…少し安静にすれば回復します。その間の仕事は任せてあるので…、」
「仕事の事は考えんでいいから、戦闘なれしてないエミさんを前線に置いた俺も悪いしな。」
「いえ…、…役に立てへんくて…、ごめん、トントンさん。」
「謝ることあらへん、とりあえず安静にしとき。レパロウもな?」
「え、あ…はい…。ありがとうございます…笑」
軽く微笑むレパロウに笑いかける。
医務室を出れば自室へ向かう。思い足取りでゆっくりと歩く。
「…はー…、、今日は一旦か…。」
眼鏡を外して目を擦る。眠い。ここ数日あまり寝れていない。服を着替えてベットにつく。横になれば猛烈な眠気が襲い、すぐに眠ってしまった。
〜〜〜〜
『…ん…!!……るさんッ…!!!』
目の前に広がる血の海と共に、鼻につんとくるような匂いに吐き気を催す。いつかの光景、いつかの記憶。ただ思い出したくない光景だと言えるだろう。
『なんで…、なんでこんなことに…、 』
〜〜〜〜
「、ッッはっ、、!?、…、夢…?、」
がばっと身を起こせば見慣れた部屋。額には冷や汗が流れ、汗で背中が湿っている。眠ってから数時間は経っているのに眠った気がしない。心臓は早く動いており最悪な目覚めとなった。
「…ッチッ…、ホンマに…ダル。」
軽く舌打ちをすれば、まだ薄暗い外に出る。外の空気は澄んでいて、少し煙草の匂いがした。ドアの前の階段に腰掛ける。空を見上げれば、夏の大三角形と共に星が輝いていた。
「…めっちゃ綺麗やん…。」
「…続けばええな。」
一気に空気を吸い込み、深く深呼吸すれば、重い足取りで城の中へと戻って行った。
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。