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“さぁ、皆さんで世界を変えてみせましょう!”
きっかけはこの一言。誰もが言ってる、この一言をある男が言った。するとどうだろうか。世界は一気に変わってしまったのだ。ある民は男を崇め、ある民は男を憎んだ。
そこから男の時代が始まった。民衆の意見を取り入れ、金に屈さず、人々を笑顔にする為だけに必死に努力したが、男は”完璧”を求め過ぎたのだ。その”完璧”を実現するのに果たして世界中の民が協力するのだろうか。否。しなかった。
こうして、世界中に名を響かせた男は”完璧”を求め過ぎ世界を悪化させてしまったのでした…おしまい。
今日から私も社会の一員として仕事をするんだ。私は心を踊らせていた。何故か?それは大手企業に入社できたからだ。
田舎で育った私は、とにかく必死に勉強をした。そして、高校を成績トップで卒業し、上京、大学も首席で卒業。こんな”完璧”な人間がどこにいるのだろうか。ここでもどんどん仕事をして、楽しい人生を送るんだ、そう思っていた。
実際は、仕事が出来ず上司に怒られ日報には自分の無能さを書き記さなければならない。こんなの、私が描いていた”完璧”とは何もかもがかけ離れていた。次第に私は食事もまともにとれなくなり、倒れ、運ばれることも増えてしまった。
あれ、私は、何が楽しくて今生きてるんだろう、?は今日。
大学のサークルで、山に来ている。
何故山なのか、正直僕にも分からない。
そして今、僕は迷っている。
どうやらまた、仲間達とはぐれてしまったらしい。僕はどうしようもないほどの方向音痴なので正直、こんなこと日常茶飯事だった。
ただ、今は山の中だ。
都会とは違い人も居なければ、ネットだって繋がりにくい。
さすがの僕も、これはまずいと思ったので、取り敢えず近くの休憩所を探そうと思った。
だか、そう上手くいくはずもなく、僕は知らぬ間にどんどん山奥へと進んで行った。
「…綺麗だ。」と、僕は咄嗟に呟いた。
僕の目線にあったもの、それは綺麗な紅葉の木だった。
全体が紅く染まった葉、風が吹く度にひらひらとゆっくり落ちてゆく。そしてその葉を受け止めるのは、木を囲むように広がっている湖だ。僕はその光景をしばらくの間ずっと見ていた。
すると、ひらひらと此方に向かってくる1枚の紅葉。それを取ろうとして、思わず踏んでしまった。
ぐらんッ
紅葉を踏んだ瞬間。僕の視界が大きく歪んだ。
何が起こったのか分からなかった。そのぐらい一瞬の出来事だった。
はっ、と目を覚ますと先程と変わらない景色が僕の視界に映っていた…いや、さっきの光景とは明らかに違う所がある。それは紅葉の葉がまだ緑色ということだ。
何故だ?僕は考えた。