SAID(O.T)
ダルい。暑い。毎日楽に過ごせたら、なんてできない事を考えてる。ただ、お前が汗流しながら俺に向ける笑顔を見られるなら、こんなに暑い夏も悪くないと思ってしまう。って何を考えてるんだろう、と突然恥ずかしくなる。「練習、練習。」と頬をパチンと叩いて練習を再開。
練習が終わると真っ先にお前が俺の元にニコニコ眩しい笑顔を振りまきながら走ってくる。ああ、あの笑顔俺だけに見せてくれないかな。なんて。この気持ちは心の片隅にでも隠しておこう。隣に立つお前から好きな匂いがする。そう、この匂い。お前に近づく度に匂ってくる。好きだなあ。と考えながらずっしり重たい体を起こしてあなたに声をかける。
「お疲れ様、藍。」
「小川さ〜ん!お疲れ様です」
「今日は、調子良かったみたいじゃん。笑」
「今日は!って!なんすか。いつも調子いいですし。」
ムッとしているお前。なんて可愛いんだ。はあ、と大きなため息をつく。俺のになんないのかな⋯。とグダグダ考えてたらお前が口を開く。
「ていうか、小川さん。俺が今日調子良いって分かるくらい、いつも俺のこと見てるんですね?笑」
「⋯え、は?」
脳が一時停止した。びっくりした。多分今俺は図星つかれて焦ってる。頬が熱い。ヤバい、そんな見てたか?なんて答えよう。早く答えないと。余計焦る。手に汗を握る。
「⋯はは、なんて。冗談ですよ〜。」
「なんだよ、驚かせんな。笑」
「じゃ、小川さん。また明日!」
こくりと頷く。お前はぶんぶんと両手を振る。俺は、それに笑顔で振り返すあたり恋してるのだろう。⋯また明日、か。
SAID(T.R)
今日も視線を感じる。俺のことじっと見詰めて、その俺を見詰める貴方の目はまるで何か愛おしそうに、恋してる様に見える目。ってそんなだったら良いのにと妄想して。恥ずかしくなってつい笑ってしまう。⋯俺が、毎日、貴方を見ていることに気づかれてたらどうしよう。ああ、練習しないと。またずっと貴方のこと考えている。所詮片想い。
練習が終わった、真っ先に貴方の元へ走る。貴方の隣に立つ。ヤバい。しまった。近くに立つんじゃなかった。と心の中で思った。なんでかって、汗かいてるのに。バカヤロウ俺。汗臭くないかな。ああ、そんな事より。やっぱり貴方の匂いは俺の事を包み込む。好きな匂い。つい貴方に見とれてしまう。貴方にお疲れ様と言われてハッとする。元気にお疲れ様ですと返す。すると貴方は、
「今日は、調子良かったみたいじゃん。笑」
と、その一言。⋯え、小川さん。もしかしてあの視線は勘違いではなかったのだと思う。焦った。なんて返そうと思いながらも適当に答える。
「今日は!って!なんすか。いつも調子いいですし。」
何かを考えている。そんな貴方にイタズラしようと思い口を開く。まあ、ただ思った事を貴方に聞きたかっただけ。
「ていうか、小川さん。俺が今日調子良いって分かるくらい、いつも俺のこと見てるんですね?笑」
「⋯え、は?」
珍しく貴方は焦る。意外な反応。俺も驚きが隠せない。いかんいかんと笑顔に戻す。すると、貴方の頬がほんの少しだけ赤く染る。⋯は、可愛い。何も答えない貴方。なんだか気まずい雰囲気。その雰囲気をぶち壊す勢いで、「冗談ですけど」と答える。貴方は笑って誤魔化す。もっとイタズラしたくなってしまった。今日だけの好奇心だろうと思いまた明日と別れを切り出す。笑顔振り返してくれる貴方。可愛い。⋯ああ、また明日かあ。
SAID(Y.T)
「あ、智さんお疲れ様です!」
「藍もお疲れ様〜。今日もナイスプレーだったよ。」
「あざーっす!なんだか今日は調子良かったんすよね〜。」
「やっぱり?笑」
「そうだ、智さんに聞きたい事あるんですけど。小川さんって好きな人いると思いますか?」
なんとド直球な質問。恥ずかしいという気持ちはないものなのか。まあ、なんとなく藍が智のこと気になっていたのは知っている。誰だって見ればわかる。ヨシヨシ、先輩が恋のキューピットにでもなってやろうか。
「ンー、いると思うよ。」
「マジですか!?⋯タイプとか聞いた事あります?」
うん、藍ってやっぱり分かりやすいなあ。気になったらなんでも聞いちゃうタイプだこれ。
「多分だけどね、笑顔が可愛い子が好きだと思うよ。」
なんと、なんて天才的な答えなのだろうと我ながらに思う。敢えて、藍に当てはまる答えを出してあげた。智がこんなこと言ってたってのは嘘なんだけどね。
「そうなんですか?ふーん。あざっす。」
「じゃあ俺、ヤマとコンビニ行ってくるから。じゃーね」
SAID(T.R)
やはり智さんは優しい。全ての質問に嫌な顔せず優しく答えてくれる。笑顔が可愛い子がタイプか、と鏡の前で笑ってみる。恥ずかしくなって顔を伏せる。その時ノックがなる。「ハーイ!」と扉を開けるとそこに居たのは小川さん。
「⋯ぇ、あ、小川さん!どうしたんすか?」
え、ええ、どうしよう。なんで来たんだろう。まだシャワー入ってないし、汗臭いだろうか。
「ああ、藍。もしかして、智さん居ない感じ?」
「⋯あー、智さんならヤマさんとコンビニ行きましたよ。中で待ちます?多分すぐ戻ってくるんで。」
「そーするわ。おじゃまします。」
なんだ、智さんか。俺じゃないのかあ。寂しさと、勘違いなんてして恥ずかしい。つい顔を隠してしまう。同じ部屋で過ごせるなら、まあいいか。
SAID(O.T)
来てしまった。扉の前に立ってふと我に返る。さっき智さんと廊下で会って、コンビニへ行くと聞いて藍が一人なのをいい事につい藍に会いに来てしまった。ええい、ここまで来たならもう、と思いノックを三回。扉が開いて、お前が焦っている顔が見えた。ああ、迷惑だったかな。するとすぐに笑顔に戻った。
「どうしたんすか?」
「ああ、藍。もしかして、智さん居ない感じ?」
何言ってんだ俺。さっき勇気出したんじゃなかったのか。智さんに会いに来たってことになっちゃった。中に入って待つかと聞かれて、その流れで入ってしまった。ほんとに、何やってんだ。
気まずい、何話そう。隣に藍が座る。心臓がうるさい。聞かれてないかな。心臓止まれ!って、止まったら死んでしまうわ、とフッと鼻で笑う。なんだか、眠くなってきた。
SAID(T.R)
ウトウトする貴方を横目にスマホをいじる。すると、肩に重みがのしかかる。え、もしかして、小川さんが俺の肩で。寝ている?まさかそんな。二度見をする。いや、現実だ。待て、と思い自分の顔を手のひらで叩いてみる。もう一度目線を横にする。現実だ。間違いなく。てか、可愛い。心臓が持たない。近い、小川さんの匂いがしてなんだかいたたまれない。寝ている。いつの間にか、小川さんに口付けていた。気づかれてないといいな。
これから振り向かすからね。小川さん。
コメント
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尊,,,,最高すぎる! 尊死しちゃうから墓量産しなきゃ†┏┛墓┗┓†