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〜sideエクス〜
静まり返る部屋
驚いて立ち上がり、振り返る小柳
きっとボクは笑顔を作れてはいない
それはこの前、事務所で皆んなが集まってた時
小柳を星導と伊波が掴み合い、伊波が小柳を力ずくで引き寄せて腰に手を回した
ふざけていたんだと思う
側から見たら戯れているだけ
それなのに小柳の腰に回された手を見た時、怒りとも何とも言えない感情が湧いた
それから小柳を目で追うと、なんやかんや小柳の周りに人が集まり、世話を焼きたいタイプの小柳はいちいちみんなの相手をしていた
気になり出したら止まらない
そんな事わざわざしてやらなくても良いのに‥
また小柳の所まで来て‥‥
そう思いハッと気づく
これってヤキモチ‥‥嫉妬じゃん
ボクはウダウダ考えるのが好きじゃない
だから叶さんに頼んだんだ
『‥叶さん‥‥叶さんって小柳好きだよね?だからお願いがあるんだけど‥‥‥』
そして今ボクはここにいる
小柳を目の前にして何も言わずに抱きしめた
「ちょっ!エクスさん⁈」
腕ごと抱きしめられた小柳は、脇や背中を叩き抵抗している
「‥小柳、オレお前の事好きかもしれない」
「えっ⁇エク‥‥んんっ‥!」
ポカンと開けられた唇に唇を重ねる
中まで入れた舌から感じる小柳の体温と少しのアルコール
オレの舌から逃げ惑う小柳の舌に思わず笑みが溢れる
離された唇を手の甲で拭う小柳
何を見ても可愛く見えてしまう
「本当に何してるんですか⁈やめて下さいよ!」
「だって小柳の事好きなのかもしれないし」
「かも⁈‥好きかもでしないでくださいよ!」
「えっ?小柳って好きかもでアタック行かないタイプ?」
「いや、そう言われると‥‥」
「お前、オレのこと嫌い?」
「嫌いなわけないじゃないですか!」
「こんな事されても?」
また軽く口付けをする
明らかにこの状況と質問とで小柳はパニックになっている
「キスは‥‥よく分からないけど、嫌いじゃないです‥」
「じゃ‥‥抱いても良い?」
「‥へっ?‥‥えっ?‥」
そしてボクは心得ている
小柳は絶対‥‥‥
「‥‥小柳‥‥」
「‥‥いや、無理っ‥」
「‥‥こや‥‥こやなぎぃ‥‥」
「‥‥っ」
絶対お前は『可哀想』は無視できないだろ?
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