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「わざと転がり込んで攻撃を仕掛けるとは……。お前、何者だ」 エルデは、足をガクガクさせながら立ち上がり、少年の顔を見上げた。
対する少年は、エルデの顔を見た瞬間、言葉を失った。
フードから覗く、深い緑色の髪。丁寧にまとめられたお団子から、髪がこぼれ、ゆったりと揺れる。美少年とも美少女とも言えるその顔が、困ったように自分を見つめているのだ。
(……気持ち悪っ)
対して、エルデといえば、まじまじと見つめてくる少年に嫌悪感を覚え、思わず顔が引き攣っていた。少年はハッとして、慌てて視線を逸らした。
「ぼ、ボクはエルデ・リーフと申します……。あぁ、えっと……」
「私は、フルミーネ・カンナだ。……って、おい!まだ話がーー。」
(カンナって、、、名家だよね?)
名乗った直後、エルデは脱兎のごとく出口へと向かっていた。久しぶりの初対面、しかも「名門の貴公子」との会話に緊張しすぎて、もう一秒もその場にいたくなかった。
『カンナ家』といえば、多彩な才能を持つ子どもを次々と生み出す貴族家だ。ただ、先ほどの騒動から見ても、あまり周りからはよく思われておらず、少なくともあの先輩は敵視しているのだろう。そんな貴族と、田舎から出てきたぼっとでなど、釣り合わないにも程があった。
ボクは気づけば、人気のいない校舎裏へと逃げ込んでいた。
「……目立っちゃった。それに、フルミーネさん、絶対怒ってるよね……。」
ガックリと肩を落として、角を曲がる。
すると、そこには「見てはいけないもの」があった。
原色バリバリのアフロの山。謎の物体。蛍光色の奇妙な服を着た人物が、真剣な顔でカツラを床に並べ、ぶつぶつと独り言を呟いている。『異様』という言葉がこれほど似合う光景もない。
山から、ショッキングピンクのアフロが転がり落ち、ボクの足元に止まる。
(ひ、拾わないとダメ……だよね?)
おずおずと手を伸ばした瞬間、その人物が音もなくこちらを振り向いた。ぐいっと顔を近づけ、ボクを値踏みするように目を細める。
(あぁぁ、どうしよう? なんか、何か言わないと……!)
「……素敵なファッション、ですね」
エルデは満面の笑みを浮かべ、アフロを差し出した。
一瞬の静寂。
「……わかってくれるの!? わぁ! だよねだよね! じゃあ君は、私の人形第一号だ!」
ガシッ! と手首を掴まれ、その人物――ポップ・ベルフィティは満面の笑みを浮かべた。
(あ、間違えた)