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何を言ってるんだよ。
私が優しい?
そんな訳がない。
私はクズだ。
お前を守れなかった。
お前に「ありがとう」と言わなかった。
そんなクズに、優しくするなんて、
お前は馬鹿だよ。
私は美鈴に敗北した。
それから償いとして博麗神社で生活する事になった。
私は償いなんて思ってないがな。
??? 「巫女様ありがとうございました!」
霊夢 「良いのよ!無事で良かったわ!」
うるさい声が聞こえて外に出る。
私 「さっきから何だ?うるさいぞ」
霊夢 「別に良いでしょ!じゃあ気をつけて帰ってね」
??? 「…お兄ちゃんは巫女様の友達?」
私 「違う」
霊夢 「ねぇ、お兄ちゃん怖くないの?」
??? 「うん!だって優しそう!」
霊夢 「えっ?優しそう…?」
私を優しいなんて言うやつは見たことがない。
ガキだから脳みそが足りてないんだな。
??? 「お兄ちゃん!僕とお話しして!」
私 「断る。お前みたいなガキに構ってる暇はない」
霊夢 「あんたいつも暇でしょ!?付き合ってあげなさいよ〜」
私 「 はぁ…わかった…」
私 「お前は何故あの巫女と関わったんだ?」
??? 「迷子になってたら巫女様が見つけてくれたの!」
私 「馬鹿かお前は」
??? 「馬鹿かな?」
私 「何故私と関わる?」
??? 「お兄ちゃんは僕のお兄ちゃんに似てるの!」
私 「何処がだ?」
??? 「強そうな所!後ね後ね!優しい所!」
ガキは嬉しそうに話してくる。
私 「私は優しくない」
??? 「そうかな?あっ!名前言ってなかった!僕ゆいと!お兄ちゃんは?」
私 「…アデル…」
ゆいと 「よろしくね!アデルお兄ちゃん!」
それからアイツは頻繁に博麗神社に来るようになった。
理由は私と話す為。
全く理解出来ないな。子供の考えは。
ゆいと 「お兄ちゃんは妖怪?」
私 「魔女だ」
ゆいと 「えっ!?こんなに強そうなのに!?あれ?女の子じゃないよね?」
私 「性別はない」
ゆいと 「そうなんだ〜!お兄ちゃんは何歳?」
私 「1000年以上は生きてる…」
ゆいと 「じゃあ昔の巫女様に会ったことあるの?」
私 「戦ってた」
ゆいと 「えっ?何で?」
私 「巫女が嫌いだから。どうだ?これで私と関わる気は無くなっただろ?」
ゆいとは首を傾げて
ゆいと 「ううん!お兄ちゃん巫女様と戦えるくらい強いんでしょ!すごーい!」
目をキラキラと輝かせる。
何でか理解出来ないな。
私 「…お前面倒だな」
ゆいと 「?お兄ちゃんとお喋り楽しいからまた来るね!」
私 「随分と早く戻るんだな」
ゆいと 「今日はお母さんとキノコ取りに行くの!」
私 「そうか…」
あの時の私は馬鹿だ。
あの時危ないから行くなと言えば、
異変に気付いていたら、
済まなかった。私の事を恨んでくれて構わないから…
帰って来て…
霊夢 「何!?異変!?」
突然爆発音が響き、霊夢は急いで向かった。
あの方角、森、待て、アイツは…
私は汗がダラダラと出て、顔も真っ青になった。
急げ、嫌な予感がする…
森は遠い、どれだけスピードを上げても、3分は掛かる。
大雨が降る中で、私はやっと森に着いた。
私 「 はぁ…はぁ…」
誰も倒れては居なく、私は安堵した。
でも、奥には黒い影があった。
恐る恐る見ると、子供が血を流して倒れていた。
人間なんて、どうでもよかったはずなのに、
私は血を拭った。
でもそれで気付いた。
血を流して倒れていたのは、紛れもない、
ゆいとだったから。
私 「ゆい…と…?」
私は一瞬身体が固まったが、必死になって声を掛けた。
私 「ゆいと!おい!目を開けろ!」
何度も、何度も呼びかけ、ようやくゆいとは目を開けた。
ゆいと 「…お兄ちゃん…痛いよ…お願い…助けて…」
その言葉を聞いて息が苦しくなる。
「痛い」「助けて」
痛々しい言葉、姿を見て私は必死に抱きしめた。
私 「大丈夫だから!絶対に死なせないから!」
何でだろうな。どうでもよかった。
嫌いなのに、信用なんてしなかったのに。
優しくなんてしてないのに。
お前は私を信頼して関わってた。
それが本当は嬉しくて、優しくすれば良かったのに…
私はしなかった。
ゆいと 「お兄ちゃん…あったかいねぇ…お兄ちゃんの隣なら…寝るの…怖くないよ…」
私 「待て!寝るな!簡単に諦めるな!」
ゆいと 「お兄ちゃん…だーいすき…」
私なんかに精一杯の笑顔を見せて…
そのまま眠った。
霊夢 「アデル!大丈夫…えっ…」
私はそれから数時間、ゆいとを抱きしめて雨に打たれた。
霊夢 「アデル…」
大声で泣き叫んだ。
それからの事は覚えてない。
話によれば、私はあのまま眠ってしまった。
それからは本当に何も出来なかった。
一日中、アイツと話した場所を見続ける日々。
霊夢 「アデル!ちょっと来て!」
霊夢に呼ばれ、私は外に出た。
するとそこには子供が立っていた。
その子供は異変の最中に私が庇った子だった。
子供 「お兄ちゃん!助けてくれてありがとう!」
霊夢 「アデル、しゃがんであげて!」
霊夢に言われた通り目線を合わせてみる。
すると子供は私を抱きしめた。
子供 「優しいお兄ちゃんがだーいすき!ありがとう!」
私 「…!」
あの子に言われた言葉、その瞬間、我慢していた涙が溢れた。
ゆいとじゃないのに…
私は抱きしめ返した。
「お兄ちゃん、ありがとう」
その瞬間、ゆいとの声が聞こえて、
私の頭を優しく撫でた。
「またね」
あの時…守れなくてごめんね…
今度また出逢えたら、絶対に死なせないから。
幸せにしてみせるから…
またね。ゆいと…
子供は抱きしめながら私はそう誓った。