この作品はいかがでしたか?
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こうちくんが僕のところに来なくなって1週間。
僕もうそろそろ死んじゃうのかなぁ…
なんて事を思いつつ一日中窓の外を見ていた。
正直、キツかった。
ほんとは毎日こうちくんに来て欲しかったし、沢山話したかった。
でも、これ以上会うと泣いちゃう気がして。
楽しそうなこうちくんを見ると自分が死ぬってことを忘れさせてくれるんだ。
それと同時に、自分が死ぬということの自覚を覚え始めていた。
まだあと数十年は生きられるこうちくんと、いつ死ぬか分からない自分。
一緒に居ていいのか?自分のせいでこうちくんの時間を全て奪ってるんじゃないか?
そう思うとキツくて、キツくて…
辛かったんだ。
あぁ………
こんな人生で終了させたくなかったな…
こうち 「ほくとくーん!」
ほくと 『……』
「ほくとくん?」
『…っ!!やめて、っ!来ないで!!』
「え……なんでっ?」
『来ないでって言ったじゃん!なんで来たのっ!』
「もう1週間も会えてない……」
「それに、絶対なんかあったって思って」
『こうちくんはいいよね…、僕と違って数十年は生きれるんだ』
『それに比べて僕はいつ死ぬかも分からない状態…』
『そんなこうちくんと比べるのが嫌だったんだ!!』
「え…っ、」
『こうちくんにとって僕は迷惑でしょ?』
『だから来ないでって…言ったの…』
『!?こうちくん!?』
こうちくんがいきなりハグをしてきた。
「何言ってるの……」
「ほくとくんは、俺の大事な人だっていっちばん最初に言ったじゃん!!」
「迷惑とか考えないで?」
「全く迷惑じゃないから!!」
『…よかった…』
『迷惑じゃないなら…、それでいいや………』
「ねぇ、ミルクティー持ってきたんだけど…一緒に飲まね?」
『いいよー!』
『飲みたい飲みたい!!』
「あはっ!めっちゃ子どもみたい…笑」
『何言ってんだよ〜‼️笑』
「あれ、もしかしてレモンティーの方がよかった?」
『なんで?』
「だって、あれ」
たぶん、ベッドの横に置いてある何缶かのレモンティーが目に入ったのだろう。
『あ〜…!いいのいいの!』
『こうちくんと飲めるのだけでも幸せだから…』
「そっかー」
「でもそしたら明日レモンティー持ってくるね!」
『…レモン味じゃなくてもいいよ』
「ん?なんか言った?」
『べつに!』
「そっかー!」
「てか、さっきの飲めるだけで幸せってちょっと照れるんだけど!笑」
『そう?笑』
「そうすぎるよー!!」
「ほくとくん…っ」
「ほくとくん……なんで…」
「俺、幸せだった」
「ちょっとだけだけどほくとくんと過ごせて。」
「本当に…ほんっとうに、ありがとう」
「…ん」
「なんだろ…手紙?」
📄
『こうちくんへ
短い時間だったけど、一緒に過ごせて僕は幸せだった。
こうちくんの笑顔がすき!
これからもその笑顔でみんなを惚れさせちゃうんだよ〜
今まで本当にありがとう
ほくとより』
「…」
「そうか、そうか…そう言ってたんだ …」
「直接伝えてくれれば良かったのに、な〜…っ」
「ほくとくん、永遠に続く青空でいますように。」
end.
コメント
9件
普通に読んでも感動したのに意味知った上でもう1回見たら泣きました🥲笑 ゆごほくだから出せるエモさと儚さがふんだんに出てて大好きです😭😭😭
『 レモン味じゃなくてもいいよ 』¦ 君の最期の人になりたい 『 永遠に続く青い空 』¦ ずっと澄んだ気持ちで愛しています 。