TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

ユリが二人のもとに戻ると、タクヤは山盛りの毛布をドサッとユリの前においた。


「どうぞ」

「え、こんなに?」

「暑かったら下に敷くといいよ。気持ちいいから」


ユリは苦笑して、縦に2つに折った毛布を芝生の上に重ねて、その上に寝そべった。


「星がきれいね」

「ユリ」

「なに?」

「君が来るまで、ゼンは音楽の話ばっかしてた。記憶を失う前の僕は、こいつと音楽学校に通っていたんだ」

「歌? それとも楽器の演奏ができるの?」

「こいつがチェロで、僕がバイオリン。言われてみれば、楽器を持つ感じとか、弓をコントロールする感じとか、すごいわかる。ここに楽器がないのは悲しいけど、でもなんか、リアルなこと思い出して、嬉しかった」

「そっか。王子様のバイオリン、聞きたいな」

「ほんとに? ユリだったら『もういいです』と泣いてあやまっても許してあげないくらいたっぷり聞かせてあげる。4時間耐久とか」


ユリは笑って「楽しみにしてます」と答えた。


音楽の話ばかりなんて、タクヤ様って、ウソが下手だな、とユリは思った。

さっきよりも、自信が感じられる。

この国の秘密を守る、大国の思い通りにはさせない。

それは、王族の義務なのだ。

祈り師はそれを全力で支えるのが仕事、私はそのためにここにいる。


loading

この作品はいかがでしたか?

34

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚