・〝素直〟続きすぎですよね、ごめんなさい!!これで終わりにしやすから!!
START!
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・世良目線
ッハァ、はぁ、…」
どれだけ走っただろう。
タクシー呼べば良かった、…。
ーー今から俺は、二者択一…〝賭け〟に出る。
…まあ、ほぼ負け確の。)
いつも目にする建物の前で佇む。
ふぅ、と息を吐く。
これがサッカー部エースの底力だ。
・渡海目線
……」
悔しい。
こんな言い方は良くないが、俺が逃したものはいつも兄に取られている、気がする。
悪いのはアイツでも天城でもない。俺なんだ。
ーてか、俺はアイツに告白されるまで、男に意識をすることは無かった。
アイツを思って、アイツのために判断したのに、アイツをまだ好きで居る。
しかも6年間も引きずって、しまいには自分から会いに来る始末。
だっせぇ…」
自分への言葉と共に吐き出した紫煙が、空へと舞い、やがて消えていく。
ごめんな、…
世良…」
この声も、涙も、俺の思いも。
きっと誰にも聞かれず、見られず、消えていく。
「渡海、先生…」
は?
思わず振り返ると、肩で息をした世良が立っていた。
…何、でここ、に…」
平常心を装いたいのに、泣いているせいでせぐりあげていて上手く話せない。
天城はどうしたんだよとか何でここに居るんだよとか、脳内で混在する言葉を少し整理する。
世良が口を開く。
気持ちを伝えるなら今なのだろうか。
だが、世良の今の幸せを俺の一言で壊してしまったら。
俺は、…
・世良目線
病院を走り回るのは良くない事だが、今だけは許してください、とか脳内で謝りつつ、仮眠室のドアを開ける。
…」
声が出なかった。
ソファに座り儚げに紫煙を吐き出す渡海先生に、俺は何と声をかけるべきなのか。
幸い、渡海先生は何かを考えているようで俺には気づいていなかった。
渡海「ごめんな…世良…」
渡海先生が小さく呟いたのを、俺は聞き逃さなかった。
どう答えるべきか、。
渡海、先生…」
肩で息をしながら名前を呼ぶ。
渡海先生は振り返ると目を見張った。
でも、びっくりしたのは俺の方だ。
彼がまさか泣いているとは思わなかったから。
…何、でここ、に…」
必死に声を出す渡海先生を、俺はじっと見つめていた。
『素直に気持ちをもう一度、伝えてみるのはどうです?』
『後悔は、しない方が良いと思うけど』
2人の言葉が、俺の背中を押す。
息を吸って、少し考える。
〝素直に〟に、俺の気持ちを、伝える。
かなり難しいし、言葉にならない。
でも、今やらないときっと、〝後悔〟するから。
渡海先生、」
渡海「…?」
下へ向いていた視線がこちらへ向けられ、少し慄く。
…あの、俺、前に一度、振られましたよね。
天城先生とか、他にも相手探してみたんです、…っ
でも、俺…ッ渡海先生が、っ諦めきれなくて…っ、」
段々涙が出てきて、喋りにくくなる。
涙のせいで、渡海先生がどんな顔をしているのか、分からない。
…もう一度、気持ちを…っ伝えさせて、くださいッ」
きっと涙で顔はぐしゃぐしゃだし、最高にカッコ悪いな、俺…。
付き合って、くれませんかっ…」
頭を下げて、言い切る。
渡海先生の顔を見るのが怖くて、頭が上げられない。
…でも、何を言われても、もう後悔は、ないから。
・渡海目線
世良「付き合って、くださいっ…」
ばーか。ほんと懲りないな。
こんな俺でいいのかよ、とか。
6年ずっと引きずってたのかよ、笑とか。
何言えば良いか分かんなくて。
一つ、気持ちを言葉が無くとも伝える方法があるのを思い出す。
白衣の袖で涙を拭くと、頭を下げたままの世良に近づく。
顔、あげろよ」
顔がべしゃべしゃのまま、顔を少し上げてこちらを見てくる世良が、愛おしくて堪らない。
「この俺をちゃんと満足させろよ」
にやにや笑って言うと、世良の顔がぱっと綻ぶ。
世良「はい、勿論です、…!」
6年経っても変わらず犬みたいな〝コイツ〟の頭をぽんと撫でたあと、キスをする。
あぁもちろん、
研修医クンには刺激が強すぎない、優しいヤツだ。
✂︎✂︎✂︎✂︎✂︎Fin
これにて『素直』完結…
皆様のコメントでめちゃくちゃ捗りました🥲
ありがとうございました!
後日談書こうかな…
リクエストあればぜひ!!
♡50目標で…!
コメント
3件
好きだ~😿💗 結ばれて良かったね😼
どこがセンシティブなんですか運営さぁん…??!