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7月の蒸し暑い放課後、教室の窓際で真理亜はノートに向かっていた。
けれど、心はまるで落ち着かず、何度も窓の外を見ては深呼吸を繰り返す。
「……どうしてこんなに、胸がざわつくんだろう」
ふと、背後から声が聞こえた。
「真理亜、話せる?」
振り返ると、そこには山取聡が立っていた。
彼の表情は真剣そのものだ。
「俺は、まだ諦めてない。お前のことが、好きなんだ」
真理亜の胸は激しく波打つ。
「でも、透真くんがいるのに…」
「わかってる。でも、最後まで伝えたかった」
その告白に、真理亜の心は揺れ動く。
これまでの“片想いごっこ”が、本気の恋へと変わりつつある中、彼女の選択は――。
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その夜。
透真に全てを話した真理亜。
「山取くんから告白されたの」
透真は静かに聞き、少しの沈黙の後、真理亜の手を強く握った。
「どんなことがあっても、お前の味方だ。俺はお前を信じてる」
その言葉に、真理亜は涙をこらえながら笑った。
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【片想いごっこノート】
・7月10日(水)
心は揺れるけど、選ぶのは自分
誰もが自分の幸せを願っている
「恋は時に試されるけど、信じる強さがあれば乗り越えられる」