28日目
今日も、絵名のお見舞いに行ってくるね。
んー、何か買っていった方がいいかな
……そうだ、リンゴでも買って言ってあげようかな。リンゴなら絵名も食べれそうだし…
うん、行ってくるね
奏
(えっと…絵名の病室はこの階だよね。
……今日は早めにこられたな)
「__じゃあ、また明日来るわね!」
「うん、態々ありがとね」
『__え、?』
絵名の病室から出てきたのはももいろの髪の少女……桃井さんだった。
『え、!?』
「「え?」」
2人共私の声に気付き、一斉にこっちを見られる。うっ、何かきまずい…
「っ、奏!?」
「宵崎さん!?」
『あ、えっと…こ、こんにちは……?』
「こんにちは!…じゃなくて……絵名、絵名が言うのよ?」
「何で!?………あー、えっと…その、実はね…?愛莉が私の事を心配して、お見舞いに来てくれたらしくて…(?)」
「何で他人事の様に言うのよ!」
「…邪魔してごめんなさい、宵崎さん。」
『えっ、あ、大丈夫です…!』
「それじゃあ、私はもう帰るわね。また明日も来るから」
「は!?ちょっと待って!この空気どうしてくれ__」
「ちょ!待ってよ!?……行っちゃった、、」
『……えっと、元気そうで良かったよ』
「あっ、奏…これは、その……ごめん、?」
『えっ!?謝らなくて大丈夫だよ…?』
何か浮気現場みたい…なんて思っていると絵名に病室へと引きずり込まれた。
『絵名、!?ど、どうしたの!?』
絵名は無言で扉を閉めると、口を開いた。
「……隠してて、ごめん…でも、隠すつもりじゃ無かったというか…その、兎に角さ……ごめん、、 」
『……大丈夫だから頭上げて…!』
『……あっ、そういえば…はい、これ』
「?ありがとう…………!、リンゴだ!」
『ふふっ、喜んでくれて良かった』
「ありがとう奏…!丁度リンゴ食べたかったんだよね!」
『そうなの?』
「うん、ほらコレ……愛莉から貰った雑誌にさ…『美味しいアップルパイの作り方🍎』ってのが載ってて…」
『そうだったんだ。…あ、アップルパイといえば……』
「ん?」
『今度望月さんが来る時、アップルパイをあげようかなって思ってるんだけど……』
「え!?奏、アップルパイ作れるの!?」
『えっ!?…あっ、いや……流石に作れないから、買ったものを… 』
「あっ、そ、そうだよね……何かごめん…」
『あー、えっと………それで、どこのアップルパイが美味しいとかってあるのかな…?私、そういうのに疎くて…』
「んー、そうだな~……あ、駅前のお店なんか良いんじゃない?最近有名な洋菓子店のアップルパイ!」
「…でも行き方とか分かる?」
『あ、そこならこの前通った事あるから分かるよ。教えてくれてありがとう、絵名。望月さんが来る日買ってみるよ』
「本当?なら良かった」
『うん』
…絵名、だいぶ元気になったな。
良かった……桃井さんの影響もあるのかな?
どっちにしろ……いつもの絵名に戻ってきてくれて、良かった…。
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