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初めての戦闘訓練

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初めての戦闘訓練

1 - 第4話

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2025年03月07日

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初めての戦闘訓練


個性把握テストが終わって、ちょっと周りにも慣れてきた頃。最初の戦闘訓練が始まった。講師はまさかのオールマイト!!


オールマイトからしたら、いつものように救けただけなのかもしれない。それでも私は貴方に救けられたんだ。ここ雄英高校で、貴方が救けた私は、ちゃんとヒーローできる姿になるところをお見せしたい!


授業の開始後。すぐに渡されたのはヒーロースーツ。そういえば、入学決定後に提出物に入ってたな。自分のヒーロースーツのイメージ図。

全員が着替えて、グラウンドに集まる。各々自分の個性や得意を活かしたスーツが多い。


「愛嶋のスーツ、なんかぷにぷにしてんね?」


三奈ちゃんが私の二の腕の部分をつんつん啄く。


「水が無いと戦えないから」


そんなおしゃべりはさて置き。訓練の内容が発表される。ヒーローチームとヴィランチームに別れるようだ。

ヒーローチームの勝利条件は制限時間内にヴィランを捕まえるorヴィランの設置した核兵器を回収。

ヴィランチームの勝利条件は制限時間内にヒーローを捕まえるor核兵器を守ること。

両チーム捕獲テープを相手に巻き付けた時点で捕まえたことになるらしい。


チームはくじで、1チーム2人。それが1チームvs1チームになるから、……1人余る!


「愛嶋少女は一旦待機だ。すまないな!」


なんでだろうなんかそうなる気はしてた!

でも端数だから仕方ないな。


チームが発表されて、私たちはモニターがある部屋に移動。全10チーム。1試合目の緑谷くん以外、基本全員怪我は無さそう。緑谷くんは担架で運ばれていく。心配だ。


「みんなお疲れ様!さてさてお待ちかね!スペシャルタイムだ!今から1人、愛嶋少女とのペアを決める。後の2人は敵チームだ」


良かった。今回はちゃんと味方がいるんだ!な。1人になることも覚悟してたけど、味方がいる方が安心する。


「まずは…..爆豪少年だ!」


安心……でき…..る….のか?


「敵チームは…..轟少年と常闇少年だな」


おっと?かなり良い活躍をしていた人たちだな。ちょっと不安だ。味方も兼ねて。


「さぁ、各地配置に着いてくれ。おっと相澤くん」


「時間が空いたので見に来ただけです。どうぞお気になさらず」


オールマイト先生はやりにくいって顔されてますよ…..?


「おいクソチビ!足引っ張んじゃねーぞ!」


「うん」


緑谷くんとの戦いでイライラしてるな…..こういうタイプには変に逆らわない方がいいだろうし、個性上私が爆豪くんの邪魔になってしまう。飯田くんのように、臨機応変な対応とサポートに回ろう。


開始の合図。

既に建物は凍りついていた。轟くんの個性だろう。


「ったく鬱陶しいんだよ!!」


バガン!!と大きな音を立てて扉を壊した爆豪くん。本当は私の個性で最上階まで行って、そこから奇襲を仕掛けようと思ってたんだけど…..まぁ、水の減りも早いからやっぱり建物内から行った方がいいからいいか。


爆発で足場を作る爆豪くん。轟くんは凍らせる個性を持ってるから、多分私の水の方が不利になる。そう思うと、爆豪くんと同じチームで良かったと思う。


もし爆豪くんと轟くんが同じチームで私が敵なら、連携が上手く取れないところを狙うか、いや、もっと最悪な自体は3人全員が敵に回ること。…..相澤先生なら考えそう。


いや今はいいや。現実を考えよう。


常闇くんは範囲攻撃ができる。それでもダークシャドウを使って来ない所を見ると、多分範囲が限られてるんだと思う。

轟くんも氷を攻撃に使って来ないところを見ると、最上階で鉢合わせるだろうな….。

それじゃあ私はどう行動すればいい?


正直爆豪くんだけで何とかなっちゃう気がするけど、相手も爆豪くんが嫌だろうから狙って来ると思う。


方法その1.

爆豪くんが中から、私が外から侵入して奇襲をかける。


方法その2.

爆豪くんと一緒に行って、水蒸気爆発を起こして視界を悪くさせて突破する。


「爆豪くん、」


「黙って付いてこいこのクソチビ!!」


名前呼んだだけなのに。


うーん…..そう言われてしまうとな。爆豪くんになにかいい考えがあるのかもしれない。頭…良い……だろうし……多分…..。



私の個性と轟くんの個性が相性悪いんだよな。水作ったらただただ凍るだけで….。


「おいチビ。このまま上に水出しやがれ。高圧でなァ」


「わかった」


まっすぐ上に向かって高波を作る。すると途端に凍って…..氷の柱ができた、


「オラァ!!」


爆豪くんは穴の空いた最上階まで行くつもりのようで、地面に向かって爆破。その反動で飛んだ。…..考え無しにしか見えない。私は天才じゃないから、君の考えなんて分かりそうにないよ。

とりあえず爆豪くんを追って行こう。爆破してくれた水を使って高波を再び。最上階目指して昇った。


もちろん轟くんと常闇くんは待ち構えてる。さぁ…..どうする?

常闇くんは核兵器のすぐ側に。轟くんは爆豪くんと対峙している。

爆豪くんが2人を集中的に狙っている今…….自由に動けるのは私だけだ。何も勝利条件は彼らと真っ向から勝負するだけじゃない。テープくらいなら水で包んで操作できる!

氷は爆豪くんが爆破で対応してくれるし、私はトラップを仕掛けよう。


「!させるか!ダークシャドウ!」


「アイヨッ!!」


これはこれは手厳しい….できるだけ窓を背にして逃げよう。逃げながらテープを貼って…..っと、


防御に水は使えるけど、押し切るのは厳しいだろう….轟くんに常闇くん…..今後授業で気をつけないといけない。


「下手な小細工は通用しない!」


常闇くん、敵役似合うな….。


轟くんと爆豪くんが交戦中….。爆豪くん、トラップ完成の設置は万全だ。


「頭下げろやクソチビ!」


インカム越しで大きく響く爆豪くんの声。そんな大きな声出さなくても聞こえてる、


頭上で爆発音がして、常闇くんがたじろぐ。連続の爆破に、後退する常闇くん….!


「っなっ、」


かかった!


水でテープを引っ張って、常闇くんを捕獲する。


「よし、」


「満足してんじゃねぇぞクソチビ!核もテメェの担当だわ!」


「う、うん、」


轟くんの氷の壁。爆豪くんが溶かしてくれた水を使って移動。核兵器に触れ、


ガガガッと大きな音を立てて視界に入った氷。地面から生えたように私を貫こうとする。左半身が動かない。これはまずい…。


「何しとんだクソチビ!」


「だい、じょうぶ…..」


勝利条件は 核兵器の回収。直接触れるだけじゃない!水で包んで、


「回収!」


ビーッと終わりの合図が響いた。





「4人全員見事だった!自分の役割を把握し、それになぞらえた結果だ!お疲れ様!」


轟くんはどこか遠くを見る目。常闇くんはあまり表情は変わらないが悔しそうに感じる。爆豪くんはできて当然って顔してる。


凍った場所がまだ寒いけど、轟くんが炎を使ってくれたおかげで全然大丈夫だ。….そういえば、常闇くんが捕まったあとも炎を使わなかったな。私と相性が悪いにしろ、私の個性より高火力だったら蒸発しちゃうし。


「爆豪くん。どうもありがとう」


「テメェは俺のおかげで勝てたんだわ!感謝しろ!!」


間違いない。


「愛嶋。来い」


相澤先生?なんだろう….。


みんなが感想を言い合う中、私は廊下の角に呼ばれた。


「お前は味方に頼りすぎる。今回、確かにそれが最前だった。だが、プロとなれば相性が悪い相手にも挑むことになるだろう」


プロ….。


「お前を贔屓にはしない。だが、プロになるという現実は突きつけていくからな」


…..それは、プロヒーローたちが私にしている期待か。それとも重圧か。

私はまだまだ未熟者。だからここで精進しなきゃいけない。


「…..よろしくお願いします」


それが、まだまだ未熟者の有精卵にできること。





着替えて教室に戻る。

さっそくだけど話しかけたい子がいた。


「常闇くん」


「…..なんだ」


常闇踏陰くん。クラスの男の子の中では2番目に小柄。私はちなみに女の子の中で1番目に小柄。


「さっきはお相手ありがとう。ダークシャドウ、かっこいいね」


「ソウダロ!」


何となく同じ空気を感じて話しかけてみた。基本静かで冷静な印象。


「…..愛嶋。さっきの授業ではしてやられたが、次は必ず勝つ」


常闇くんは席に座ったまま私を見上げる。鳥のような頭に光る赤色の目。なんか….なんか、


「かっこいいね」


嫌味も無く、ただ純粋に。男の子としてとか、そういうのじゃなくて。なんて言うか….人間らしさが。男らしくて頼もしい感じが。


「…..それは褒め言葉として受け取っていいんだよな?」


「うん」


あとこの安心感。話しやすそうだし、またいっぱい話したい。席が遠いのが残念だけど。


「常闇くんさ。….その、気が合うと思うんだ。仲良くしよう?」


「こちらこそ」


な….なんか、オーラっていうか、頼もしさが一言一言に出てて…..や、やっぱりかっこいいな….!



次の日。

相澤先生がHRで学級委員を決めろと仰った。周りの子の多くは積極的に挙手するが、私は別に。

リーダーとか、そういうのは昔から苦手。リーダーって言われる人が嫌いな訳じゃない。人間的に考えたら必要な存在。そうじゃなくて、自分がリーダーになりたいかって言われたら嫌だって話。


なんて言うか、押し付けマシンみたいになる….というか、なったことがある。小学生の頃の話で、もう昔のことだけど。


私のことはいいや。

手を挙げてるのは…..と思って振り返ると、パッと見全員。…..に見えるけど、そうでも無さそうな人いるな。


先生に「お前とお前」って決めて欲しい。というか私はそれでいいと思ってるけど、それで「じゃあお前」になったら嫌だしな〜…..。飯田くんが投票で決めないかと言ってくれて、とりあえず先生もなんでもいいらしい。真剣に考えよう。


私的にリーダーになってくれるような人は、話しやすい人がいい。私がコミュニケーション苦手だから。あとはみんなを引っ張っていけそうな人。…..でも詳しく知らないから偏見で決めよう。


挙手した人は、

緑谷くん・尾白くん・爆豪くん・切島くん・峰田くん・口田くん・障子くん・上鳴くん・瀬呂くん・常闇くん・砂藤くん・青山くん。

ヤオモモ・響香ちゃん・梅雨ちゃん・三奈ちゃん。


個性把握テストや普通教科の授業。それと昨日の戦闘訓練の授業から良さそうな人にしよう。


申し訳ないけど、爆豪くんは除外。

爆豪くんは、俺に付いてこいじゃなくて、とっとと俺に付いて来いやノロマ共!!って感じだ。普通に怖い。


緑谷くんは、リーダーって感じなのか?緊張してたり、我先に行かない所を見ると、微妙。除外。


常闇くんは、私にとってコミュニケーション取りやすいけど、どっちかって言うと、リーダーじゃなくて刺客?っていうか。影でこれやっといた!って言う感じ….な、イメージ。除外。


尾白くん。戦闘訓練では凍りつけにされてて寒そうだった….。けど、授業態度は真面目だし、しっぽがあるだけで、私や轟くん、爆豪くんみたいに攻撃特化でもないことを見ると、とっても努力家なんじゃないかな…..あり。


切島くん。なんか明るい。今のところあんまり接点ないけど、コミュニケーション能力は高そうだし、人の嫌がることしなさそう。あり。


峰田くんは….なんか変態っぽいこと考えてそう。なんか嫌だから除外。セクハラとか極力避けたい。


口田くん・障子くん・上鳴くん・瀬呂くん・砂藤くん・青山くん は、申し訳ないけどあんまり接点ないし有力候補がいるから除外。


ヤオモモは、推薦入学者だし戦闘訓練での課題を伝えるところとか冷静だった。コミュニケーション能力も高いしあり。


響香ちゃんは、クールだけど話しやすいし、索敵を活かして実習演習受けてた。あり。


梅雨ちゃんも三奈ちゃんも、コミュニケーションは取りやすいし、真面目そう。でも思ったことパッと言うところあるな….。


う〜ん……。


色々考えた結果、絞ったのは、尾白くん・切島くん・ヤオモモ。どうしような…..正直全員良いから….って、もう投票の時間?!

えーと、えーと誰にしよう、


私は思ったことを書くようにしているメモ用紙に3人の名前を書いて、それぞれ切った。それを目を閉じて引いた。


“ きりしまくん “




クラスの子の投票の結果、緑谷くんとヤオモモに決まった。


みんなが決めたことに異論はないし、元々ヤオモモは入れれるなら入れようと思っていたから良いか。


相澤先生もそれで良いっぽいし、まぁ賛否両論あるだろうけど。


「なんでデクに….!!誰が…!!」


「まーおめぇに入るよかわかるけどな」


その通りだと思う瀬呂くん!と思っていたらチャイムが鳴った。お昼ご飯の時間だ。学食、何食べようかな。

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