正直、不安
でも、逃げたくない
先輩はいつでもまっすぐだ
だから、俺の気持ちを正面から
受け取ってくれる
そう、思ってる
🖤「先輩、すいません。急に言って」
❤️「いいよ、大丈夫」
🖤「その…前の…俺が言ったことで…」
🖤「忘れてほしいって言ったんですけど…」
🖤「まず、出会った時の話からいいですか?」
❤️「うん、ちゃんと聞くよ」
🖤「じゃあ…先輩と出会ったのは…」
🖤「はぁ…まじで疲れた…」
俺が高校に入学したばかりの時だった
女子に囲まれて、逃げるのに必死
逃げても、しつこいくらい着いてくるから
うざいし、だるい
俺は中学の時、荒れていた
高校からは変わるって、ふっかさんと
約束したからこの高校に来た
あ、ふっかさんは俺の中学の時の先輩
いつも俺に道を示してくれた人
で、この生活が毎日続くなんて考えただけで…
そんな事をぼーっと考えながら
歩いていたら
「危ない!」
え…?声を聞いた時には顔面にボールが
当たっていた
🖤「っ、いってぇ…」
❤️「ごめん!大丈夫?」
誰だ、この人
ネクタイの色が違う…なんだ、先輩かよ
先輩じゃなかったら文句言えたのに
❤️「保健室行こう!」
🖤「いや、大丈夫です」
❤️「大丈夫じゃないって」
🖤「今機嫌悪いんでどっか行ってください」
やべっ!先輩にこんな言い方…
ふっかさんが知ったら怒るだろうな…
❤️「俺がいなくなったら機嫌良くなるの?」
🖤「え?」
❤️「その不機嫌は俺のせい?」
🖤「えっと…いや…違います…」
❤️「ボール当てた俺も悪いけどさ」
❤️「人に当たるのは良くないよ」
最悪…説教かよ
めんどくせぇ…
🖤「すいませんでした」
とりあえず、謝っておこう
❤️「謝らないで」
🖤「いや、俺が悪いんで」
❤️「じゃあ保健室行こっか」
🖤「…はい?」
❤️「自分が悪いって思ってるんでしょ?」
❤️「だったら俺の言う事聞いてよ」
何言ってんだ、この人
もともと、保健室に行く理由をつくるため?
いや、だったらもっと分かりやすく
かっこよく言ってくれたらいいんだけど…
❤️「よし、処置完了」
🖤「ありがとうございます」
出際よく処置をしてくれた
❤️「ごめんね、痛かったよね」
🖤「いや、大丈夫です」
🖤「昔の喧嘩に比べたら全然」
❤️「…え?」
あ、やらかした!
普通に痛くないですって言えばいいのに
昔のこと、言うなんて…!
🖤「えっと、兄弟との喧嘩です!」
ちょっと無理やりかな…
❤️「喧嘩するほど仲がいいってことだね」
違うんすよ…先輩…
そんなに人が言うことなんでも信じたら
危ないですよ…
❤️「じゃあね」
そう言って、保健室から出ようとした
その時、なぜか俺は
行ってほしくないと思った
🖤「あの!」
❤️「ん?」
あれ、俺何言って…
🖤「あ、えっと」
🖤「先輩の名前!教えてください!」
❤️「俺の名前?」
❤️「宮舘涼太」
宮舘涼太…
っ!女子が話してた人だ
「宮舘先輩ってかっこいいよね」
「誰にでも優しいよね」
男子も虜にしているって話を聞いたな
「宮舘先輩って神なの?」
「紳士だよなぁ…」
俺には関係ない話だって思ってた
なのに…
俺は宮舘先輩が気になり始めた
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