テラーノベル
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撮影終わり。
楽屋に戻ると、蘭が別のメンバーと楽しそうに話していた。
「それめっちゃおもろいやん」
蘭が笑う。
その声を聞きながら、少し離れたところにいたカイリュウは、黙々と荷物をまとめていた。
「……」
ちらっと蘭を見る。
また笑っている。
「……ふーん」
小さく呟いて、わざと蘭のほうを見ない。
「カイリュウ、先帰る?」
「……別に」
「待ってくれないの?」
「知らん」
いつもなら「一緒に帰ろ」って言うのに。
蘭が不思議そうにカイリュウを見る。
「なんか怒ってる?」
「怒ってへん」
「ほんと?」
「ほんま」
明らかに機嫌が悪い。
蘭が近づいてくる。
「カイリュウ」
「……なに」
「こっち見て」
「嫌や」
「なんで?」
「……知らん」
蘭が少し考えてから、ふっと笑った。
「もしかして、嫉妬してる?」
「……は?」
カイリュウが勢いよく振り向く。
「してへんし!」
「してるじゃん」
「してへん!」
「じゃあ、なんでそんな顔してるの?」
「……」
何も言えなくなる。
しばらく黙ったあと、カイリュウが小さな声で言った。
「……蘭が楽しそうやったから」
「うん」
「俺以外と」
「……うん」
「……なんか、嫌やった」
蘭の表情が優しくなる。
「そっか」
「……笑うなや」
「笑ってないよ」
「絶対笑ってる」
「嬉しいだけ」
「なんでやねん」
蘭がカイリュウの隣に座る。
「俺のこと好きだから嫉妬したんでしょ?」
「……」
「カイリュウ?」
「……そうやけど」
「かわいい」
「それ言うな!」
カイリュウが蘭の肩を軽く押す。
けれど、その手は離れない。
むしろ、そのまま蘭の服を掴む。
「……今日、帰るとき」
「うん」
「俺と帰って」
「もちろん」
「……あと」
「ん?」
カイリュウが少し迷ってから、蘭の肩に頭を預ける。
「……帰ったら、俺のこといっぱい構って」
「分かった」
「……他の人に笑っててもええから」
「うん」
「でも……」
カイリュウが小さく呟く。
「最後は俺のとこ来て」
蘭が笑って、カイリュウの頭を優しく撫でる。
「最初から、そのつもりだよ」
「……ほんま?」
「うん」
「……ならええわ」
そう言いながら、カイリュウは蘭の腕に自分の腕を絡めた。
さっきまでの不機嫌が嘘みたいに、少しだけ嬉しそうに笑っていた。
帰り道。
さっきまで少し拗ねていたカイリュウは、蘭の隣を歩きながらも、ずっと腕を絡めたままだった。
「……カイリュウ」
「ん?」
「まだ嫉妬してる?」
「してへん」
「じゃあ、なんでずっとくっついてるの?」
「……寒いから」
「今日そんな寒くないよ」
「……うるさい」
蘭が笑う。
「でも、嬉しい」
「……何が?」
「カイリュウが俺のこと好きなの、ちゃんと分かるから」
「……知らん」
カイリュウは前を向いたまま、少しだけ蘭の腕を強く抱きしめた。
部屋に着いて、二人きりになる。
蘭が荷物を置いていると、後ろからカイリュウが抱きついてきた。
「……ん?」
「……蘭」
「どうしたの?」
「今日さ」
「うん」
「俺のこと、いっぱい構うって言うたやん」
「言ったね」
「……約束な」
「うん」
振り返った蘭と目が合う。
カイリュウは少し照れながら、両手を広げる。
「……ぎゅーして」
「おいで」
蘭が抱きしめると、カイリュウはすぐに胸元へ顔を埋めた。
「……これ」
「ん?」
「これが欲しかってん」
「そっか」
「今日ずっと、なんかモヤモヤして……」
「うん」
「蘭が他の人と楽しそうにしてるの見たら、俺だけ置いてかれたみたいな気がして」
「カイリュウ」
「……ごめん」
「謝らなくていいよ」
蘭が背中をゆっくり撫でる。
「俺はちゃんとカイリュウのところに帰ってくるから」
「……ほんま?」
「ほんと」
「……じゃあ」
カイリュウが顔を上げる。
「今日は俺だけ見て」
「うん」
「……ずっと」
「ずっと見るよ」
「……ほんまに?」
「うん」
安心したように笑ったカイリュウが、蘭の服を掴んだまま少しだけ近づく。
「……じゃあ、キス」
「いいよ」
唇が触れる。
短いキスのあと、カイリュウは照れながらもう一度近づいた。
「……もう一回」
「ふふ」
「笑うなって」
「ごめん」
「……俺、今日めっちゃ甘えてる?」
「うん」
「……忘れて」
「無理」
「なんでやねん」
「かわいいから」
「……ほんま、蘭きらいや」
そう言いながら、カイリュウは蘭から離れない。
むしろもう一度、ぎゅっと抱きついた。
「……でも、好き」
「俺も好きだよ」
「……今日はそれでええ」
そのまま二人はソファに並んで座る。
カイリュウは蘭の肩に頭を預けながら、ようやく安心したように目を閉じた。
コメント
1件
わあ〜〜〜!!🥺💕 第7話、めっちゃキュンキュンした…!!カイリュウの「蘭が楽しそうやったから…俺以外と」ってとこ、嫉妬で拗ねてるのに最後は「ぎゅーして」って言っちゃうギャップが破壊力やばいよ…😭💥 蘭の「最初から、そのつもりだよ」って返しも優しすぎてずるい!! 二人の空気感が尊すぎて何度も読み返したくなるエピソードでした…✨ まーさん、最高のカップルありがとうございます🌸
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