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「あの、山村和真くん、ですよね?」…え?驚いて振り返ると、見たことのない顔の女がいた。なんで俺の名前を知っているんだ?「椅子に名前、書いてあったから…。」俺の心が読めたかのように言った。そうか、椅子に書いてあったのを忘れていた。返事をするのも面倒だったので、俺はただ頷くだけだった。すると、その女は俺の前の席に座り、俺と目を合わせた。「私、転入生なんです!」なんとなく、そんな気がした。だから、そんな驚くこともなく、ふ〜ん…という感じだった。「私、ここの席なんです。だから、よろしくお願いします!」彼女は頭だけぴょこんと下げた。俺はどうでもいいというように窓の外を眺めた。外は、朝だと言うのにどんよりと雲が覆って暗かった。こりゃ雨が降るな、と思った。
ー昼休みー
「ふー…やっと昼ご飯だ〜!」前の席のそいつは伸びをして俺に話しかけてきた。なんだこいつ。俺に興味がある…とかじゃないよな。「ねー聞いてるの、山村和真くん?」彼女は俺に怒ったような顔をして言った。一応聞いてはいるからこくりと頷く。「そうだ!昼ご飯一緒に食べようよ〜!」能天気だな…。まぁ、一緒に食べる相手なんかももちろんいなかったから快く了承する。実は一人の昼ご飯が寂しかったりした。彼女とお弁当を食べるのも悪くないと感じた。だが俺はなぜこいつがこんなにも俺を気にかけてくるのかわからかった。